産経新聞ソウル支局長名誉毀損起訴事件
(韓国地検による産経新聞支局長名誉毀損起訴事件 から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』 (2024/04/18 15:20 UTC 版)
産経新聞ソウル支局長名誉毀損起訴事件（さんけいしんぶんそうるしきょくちょう めいよきそんきそじけん）とは、2014年（平成26年）8月3日、産経新聞の公式ウェブサイトに、同紙の加藤達也・ソウル支局長（当時）が、セウォル号沈没事故の当日に韓国の朴槿恵大統領が第一報を受けた後、7時間に渡って所在不明の状態になり、この時間帯（いわゆる「空白の7時間」）に、元補佐官の鄭潤会と密会した可能性があるという風評が流布している、という朝鮮日報や証券街の報道を元にした署名コラム「朴槿恵大統領が旅客船沈没当日、行方不明に…誰と会っていた？」を掲載し[1]、韓国大統領府や東京都港区の駐日本国大韓民国大使館が「名誉毀損などに当たる」として、当該記事の削除を要請したが、産経新聞社が当該記事の削除に応じなかったため、検察当局は加藤前支局長が「朴大統領の名誉を毀損した」と見做して在宅起訴し、大韓民国からの出国を禁止する行政処分とした事件である[2][3]。
注釈
出典
- ^ a b 加藤達也 (2014年8月3日). “朴槿恵大統領が旅客船沈没当日、行方不明に…誰と会っていた？”. 産経新聞 (産経新聞社). オリジナルの2014年10月9日時点におけるアーカイブ。 2017年3月21日閲覧。
- ^ “産経前ソウル支局長を在宅起訴 「朴大統領の名誉毀損」”. 朝日新聞. (2014年10月8日). オリジナルの2014年10月8日時点におけるアーカイブ。 2022年8月19日閲覧。
- ^ a b “本紙ソウル支局長に出頭要請 ウェブ記事「大統領の名誉毀損」 韓国検察”. 産経新聞. (2014年8月9日) 2022年8月19日閲覧。
- ^ “産経前支局長在宅起訴:朴政権、批判許さず”. 毎日新聞. (2014年10月8日). オリジナルの2014年10月8日時点におけるアーカイブ。 2022年8月19日閲覧。
- ^ “産経元支局長判決に不当介入 韓国与党議員らが判事への弾劾訴追案”. 産経ニュース (2021年2月1日). 2022年8月19日閲覧。
- ^ 吉田敏行 (2014年8月9日). “産経ソウル支局長に出頭要請…朴氏巡る報道で”. 読売新聞. オリジナルの2014年8月9日時点におけるアーカイブ。 2022年8月19日閲覧。
- ^ 신범수 (2014年8月11日). “산케이 법적대응 보류하는 靑..한발 물러서나?” (朝鮮語). Daum 2022年8月19日閲覧。
- ^ “産経新聞ソウル支局長 出頭は１８日に”. 産経新聞. (2014年8月11日). オリジナルの2014年10月23日時点におけるアーカイブ。 2019年2月26日閲覧。
- ^ 吉田敏行 (2014年8月19日). “韓国内で朴政権に批判・疑問も…産経支局長聴取”. 読売新聞. オリジナルの2014年8月19日時点におけるアーカイブ。 2022年8月19日閲覧。
- ^ 吉田敏行 (2014年8月20日). “産経支局長、２度目の聴取…朴大統領巡る記事で”. 読売新聞. オリジナルの2014年8月21日時点におけるアーカイブ。 2022年8月19日閲覧。
- ^ “与党代表「産経は罰を」 韓国検察、支局長を再聴取”. 夕刊フジ. 共同通信. (2014年8月20日). オリジナルの2014年8月21日時点におけるアーカイブ。 2022年8月19日閲覧。
- ^ “産経支局長捜査に疑問 引用コラムの韓国紙記者”. 47NEWS. 共同通信. (2014年9月17日). オリジナルの2014年10月14日時点におけるアーカイブ。 2022年8月19日閲覧。
- ^ “産経支局長、転勤できず 韓国、出国禁止５０日超”. スポーツニッポン. 共同通信. (2014年9月30日). オリジナルの2014年10月2日時点におけるアーカイブ。 2022年8月19日閲覧。
- ^ 東岡徹 (2014年10月8日). “産経前ソウル支局長を在宅起訴 「朴大統領の名誉毀損」”. 朝日新聞. オリジナルの2014年10月8日時点におけるアーカイブ。 2022年8月19日閲覧。
- ^ “韓国検察 産経前ソウル支局長を在宅起訴”. 聯合ニュース. (2014年10月8日). オリジナルの2014年10月16日時点におけるアーカイブ。 2022年8月19日閲覧。
- ^ “平成26年10月9日（木）午前”. 首相官邸 (2014年10月9日). 2014年10月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年8月19日閲覧。
- ^ “【本紙前ソウル支局長起訴】「大人の対応ができるように努力を」自民・二階総務会長”. 産経新聞. (2014年10月9日). オリジナルの2014年10月11日時点におけるアーカイブ。 2022年8月19日閲覧。
- ^ “産経前ソウル支局長の出国禁止処分 3カ月延長＝韓国”. 聯合ニュース. (2014年10月14日). オリジナルの2014年10月14日時点におけるアーカイブ。 2022年8月19日閲覧。
- ^ “「司法の判断に委ねるしかない」と朴槿恵氏 訪問の二階氏は「家族と会えるように」との首相の意向伝える”. 産経新聞. (2015年2月13日). オリジナルの2015年2月15日時点におけるアーカイブ。 2022年8月19日閲覧。
- ^ “自民・二階氏「産経も努力を」 慰安婦問題で新聞批判も 訪中には3千人同行予定”. 産経新聞. (2015年2月20日). オリジナルの2015年2月20日時点におけるアーカイブ。 2022年8月19日閲覧。
- ^ “韓国政府、加藤前支局長の出国禁止措置を解除 8カ月ぶり”. 産経新聞. (2015年4月14日) 2022年8月19日閲覧。
- ^ “産経前ソウル支局長が帰国 韓国検察「人道的な配慮」”. 日本経済新聞. (2015年4月15日) 2022年8月19日閲覧。
- ^ “首相「ご苦労さま」 産経新聞前ソウル支局長をねぎらう”. 産経新聞. (2015年4月15日) 2022年8月19日閲覧。
- ^ “判決は11月26日 検察側が懲役1年6月を求刑 加藤前支局長「コラムに公益性」”. 産経新聞. (2015年10月19日). オリジナルの2015年10月21日時点におけるアーカイブ。 2022年8月19日閲覧。
- ^ “26日の判決公判が急遽延期 来月17日に”. 産経新聞. (2015年11月23日) 2022年8月19日閲覧。
- ^ “本紙前ソウル支局長に無罪判決”. 産経新聞. (2015年12月17日) 2022年8月19日閲覧。
- ^ “判決文読み上げ3時間、産経前支局長は着席許されず”. 朝鮮日報日本語版. (2015年12月17日). オリジナルの2015年12月17日時点におけるアーカイブ。 2015年12月19日閲覧。
- ^ “安倍首相が加藤前支局長を慰労 「よかったですね」”. 産経新聞. (2015年12月21日) 2022年8月19日閲覧。
- ^ NHK (2015年12月22日). “産経新聞 前ソウル支局長 無罪確定へ”. NHK NEWSweb. オリジナルの2015年12月22日時点におけるアーカイブ。 2015年12月23日閲覧。
- ^ “産経新聞前ソウル支局長「私を取り調べた韓国検事が崔太敏親子についてしつこく聞いた」”. 中央日報/中央日報日本語版. (2016年10月28日) 2016年10月28日閲覧。
- ^ （朝鮮語）『세월호 7시간, 대통령은 어디서 뭘 했는가? - 이것이 팩트 입니다（「セウォル号の7時間、大統領はどこで何をしていたのか？ ――これが事実です。」）』（プレスリリース）青瓦台、2016年11月19日。 オリジナルの2016年11月20日時点におけるアーカイブ。2017年3月26日閲覧。
- ^ “産経支局長の処罰指示か 韓国大統領府 元秘書官がメモ”. 北海道新聞. (2016年12月3日). オリジナルの2016年12月3日時点におけるアーカイブ。 2016年12月3日閲覧。
- ^ a b “「産経を懲らしめなければ」 韓国大統領府、捜査指示か”. 東京新聞. (2016年12月3日). オリジナルの2016年12月3日時点におけるアーカイブ。 2016年12月3日閲覧。
- ^ a b 加藤達也 (2016年12月3日). “産経標的に激しい敵意…朴政権の怖さ・不気味さ 元ソウル支局長・加藤達也”. 産経新聞 2016年12月3日閲覧。
- ^ 古森義久 (2016年12月4日). “「韓国に謝れ」産経に圧力をかけていた日本の政治家 内なる敵がいた産経ソウル支局長起訴事件”. JBpress 2017年3月26日閲覧。
- ^ “「引用元の韓国新聞社に処分が無いのは問題」ジャーナリストの田原総一朗さん”. 産経新聞. (2014年10月8日). オリジナルの2014年10月9日時点におけるアーカイブ。 2022年8月19日閲覧。
- ^ a b “名誉毀損の起訴で毀損される名誉”. 東亜日報. (2014年10月23日) 2022年8月19日閲覧。
- ^ “「朝日の若宮氏を知っていますか」 (1/2ページ)”. 夕刊フジ. ｉＲＯＮＮＡ. (2016年2月21日) 2022年8月19日閲覧。
- ^ a b “産経支局長聴取問題 ペンクラブ､FCCJが声明”. 日本新聞協会. (2014年9月16日). オリジナルの2014年10月12日時点におけるアーカイブ。
- ^ a b “【新潟日報】＜社説＞産経記者の判決 後味の悪さが残る無罪だ”. 47NEWS. 新潟日報. (2015年12月19日). オリジナルの2015年12月22日時点におけるアーカイブ。 2022年8月19日閲覧。
- ^ “産経への強硬対応「残念」＝引用コラムの韓国記者”. 時事ドットコム. (2014年9月17日). オリジナルの2014年10月18日時点におけるアーカイブ。 2022年8月19日閲覧。
- ^ “産経前ソウル支局長“在宅起訴” 韓国メディアは？”. テレビ朝日. (2014年10月9日). オリジナルの2014年10月11日時点におけるアーカイブ。 2022年8月19日閲覧。
- ^ “【産経前ソウル支局長在宅起訴】「自由」保障されぬ韓国 南北分断背景に、加速も”. 47NEWS. 共同通信. (2014年10月9日). オリジナルの2014年10月13日時点におけるアーカイブ。 2022年8月19日閲覧。
- ^ “産経前支局長在宅起訴:日韓関係改善に冷水…与野党反発”. 毎日新聞. (2014年10月9日). オリジナルの2014年10月12日時点におけるアーカイブ。 2014年10月10日閲覧。
- ^ “「記者手帳」 日本の極右新聞を“自由言論闘士”に仕立てた韓国政府 : 政治 : ハンギョレ” (2014年10月11日). 2016年2月1日閲覧。
- ^ “「言論の自由を支持」＝産経前支局長起訴で懸念”. 時事通信. (2014年10月9日9時51分). オリジナルの2015年2月1日時点におけるアーカイブ。
- ^ 2014年9月11日中央日報
- ^ “仏紙ル・モンド「言論の自由、韓国で受難」”. 朝鮮日報. (2014年10月17日). オリジナルの2014年10月17日時点におけるアーカイブ。 2022年8月19日閲覧。
- ^ ル・モンド紙 En Corée du Sud, la
- ^ “韓国は「言論の自由」を遵守すべし”. ビューポイント. (2014年10月23日) 2022年8月19日閲覧。
- 1 産経新聞ソウル支局長名誉毀損起訴事件とは
- 2 産経新聞ソウル支局長名誉毀損起訴事件の概要
- 3 経緯
- 4 事件に対する反応
- 5 脚注
- 6 関連項目
韓国地検による産経新聞支局長名誉毀損起訴事件
出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』 (2022/03/24 07:43 UTC 版)
「若宮啓文」の記事における「韓国地検による産経新聞支局長名誉毀損起訴事件」の解説
「韓国地検による産経新聞支局長名誉毀損起訴事件」も参照 韓国地検による産経新聞支局長名誉毀損起訴事件では、「韓国が起訴に踏み切ったため、産経新聞が被害者になってしまった」と起訴した検察の判断を厳しく批判し、起訴を容認した朴槿恵を諌める一方で「根拠薄弱な噂話を書かれたのですから。『韓国と結婚した』と公言する大統領の無念は想像に余りあります。」「実は、一国の元首に対して何とも失礼な記事だと感じていた日本人は多かったのです。まるでゴシップ週刊誌の記事みたいだと、恥ずかしさを口にする人もいました。その後に記事が事実無根とはっきりしてみれば、なおのことでした。」など、朴槿恵に同情的な態度も示した。産経新聞出版社長の皆川豪志は、検察側が公判に弁護側証人として出廷した西日本新聞のソウル支局長に若宮を知っているか質問したことを挙げて、「日本の一流紙である朝日新聞の一流ジャーナリストでさえ、このように書いているのだから、加藤や産経はやっぱり悪い奴らだ」と印象付けようという意図が検察側にあったと主張している。 なお、若宮死後の2016年10月に表面化した崔順実ゲート事件によって、この事件が改めて注目を浴びた。当初は市民団体の告発を受けて行われたとされていた起訴が、実は大統領府など韓国政権中枢部による組織的な指示があった疑いが報じられている。韓国の全国言論労働組合は、この起訴について「青瓦台（大統領府）の指示で捜査が進められた疑いが濃い」と発表している。
※この「韓国地検による産経新聞支局長名誉毀損起訴事件」の解説は、「若宮啓文」の解説の一部です。
「韓国地検による産経新聞支局長名誉毀損起訴事件」を含む「若宮啓文」の記事については、「若宮啓文」の概要を参照ください。
- 韓国地検による産経新聞支局長名誉毀損起訴事件のページへのリンク
