セントウルステークスとは? わかりやすく解説

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セントウルステークス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/26 07:58 UTC 版)

セントウルステークス
Centaur Stakes
第37回セントウルステークス(2023年9月10日)
優勝馬:テイエムスパーダ 鞍上:富田暁
開催国 日本
主催者 日本中央競馬会
競馬場 阪神競馬場
創設 1987年9月13日
2025年の情報
距離 芝1200m
格付け GII
賞金 1着賞金5900万円
出走条件 サラ系3歳以上(国際)(指定)
負担重量 別定
出典 [1][2][3][4]
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セントウルステークスは、日本中央競馬会(JRA)が阪神競馬場で施行する中央競馬重賞競走GII)である。競馬番組表での名称は「産経賞セントウルステークス」と表記される[1]

競走名の「セントウル」は、ギリシャ神話に登場するケンタウロスのこと。阪神競馬場のセントウルガーデン内にセントウルの像があり、同競馬場のシンボルともなっている[5]

寄贈賞を提供している産業経済新聞社は、東京と大阪に本社を置く新聞社。

正賞は産経新聞社賞[1]

概要

1987年に創設された、4歳(現3歳)以上の競走馬による重賞競走[6]。創設当初の施行距離は芝1400mだったが、2000年より芝1200mに短縮され、スプリンターズステークスの重要な前哨戦に位置づけられた[6]。1989年より外国産馬が、1995年より地方競馬所属馬がそれぞれ出走可能になったほか、2005年より外国馬も出走可能になった[6]。格付けは創設当初GIII[注 1]だったが、2006年よりGII[注 1]に格上げ[6]。2007年より日本のパートI国昇格に伴い、国際格付けとなっている。

2006年より創設されたサマースプリントシリーズの最終戦に指定された[6]。本競走の優勝馬からはシーイズトウショウ(2006年)、サンアディユ(2007年)、カノヤザクラ(2008年)、エーシンヴァーゴウ(2011年)、ハクサンムーン(2013年)、リトルゲルダ(2014年[7])、タワーオブロンドン(2019年)がシリーズのチャンピオンとなった[6]。また、2005年から2010年まではグローバル・スプリント・チャレンジにも組み込まれていた[6]

2014年から、本競走の優勝馬にスプリンターズステークスの優先出走権が与えられるようになった[6]

競走条件

以下の内容は、2023年現在[1][2][8]のもの。

出走資格:サラ系3歳以上

  • JRA所属馬(未出走馬および未勝利馬を除く)
  • 地方競馬所属馬(後述)
  • 外国調教馬(優先出走)

負担重量:別定

  • 3歳55kg、4歳以上57kg、牝馬2kg減
    • 2022年9月10日以降のGI競走(牝馬限定競走を除く)1着馬2kg増、牝馬限定GI競走またはGII競走(牝馬限定競走を除く)1着馬1kg増
    • 2022年9月9日以前のGI競走(牝馬限定競走を除く)1着馬1kg増(ただし2歳時の成績を除く)

スプリンターズステークスのステップ競走に指定されており、地方競馬所属馬はスプリンターズステークスの出走候補馬(3頭まで)に優先出走が認められている。また、本競走で2着以内の成績を収めた地方競馬所属馬はスプリンターズステークスの優先出走権が与えられる[9][10]

賞金

2023年の1着賞金は5900万円で、以下2着2400万円、3着1500万円、4着890万円、5着590万円[2][1]

歴史

  • 1987年 - 4歳(現3歳)以上の競走馬による重賞競走(GIII[注 1])として創設、阪神競馬場の芝1400mで施行。
  • 1989年 - 混合競走に指定。
  • 1995年 - 指定交流競走に指定され、地方所属馬は3頭まで出走可能となる[11]
  • 2000年 - 施行距離を芝内回り1200mに変更。
  • 2001年 - 馬齢表示の国際基準への変更に伴い、出走条件を「4歳以上」から「3歳以上」に変更。
  • 2002年 - 負担重量を変更。
  • 2005年
    • 混合競走から国際競走に変更され、外国調教馬は4頭まで出走可能となる[11]
    • グローバル・スプリント・チャレンジに参加、第5戦に組み込まれる(2010年まで)[11]
  • 2006年
    • GII[注 1]に格上げ。
    • サマースプリントシリーズの最終戦に組み込まれる[6]
  • 2007年
    • 日本のパートI国昇格に伴い、外国調教馬の出走枠が8頭に拡大[12]
    • 馬インフルエンザの影響により、中央競馬所属馬のみで施行。
  • 2014年 - この年から本競走の1着馬にスプリンターズステークスへの優先出走権を付与[6]
  • 2017年 - 大阪杯のGI昇格に伴い、それまで大阪杯に出されていた産経新聞社の寄贈賞が振り替えられ、名称を「産経賞セントウルステークス」に変更[13]
  • 2020年
  • 2024年 ー 阪神競馬場リフレッシュ工事に伴う開催日割の変更のため中京競馬場で施行[16]。このため、出走可能頭数が18頭に変更される。

歴代優勝馬

優勝馬の馬齢は、2000年以前も現行表記に揃えている。

コース種別を表記していない距離は、芝コースを表す。

回数 施行日 競馬場 距離 優勝馬 性齢 タイム 優勝騎手 管理調教師 馬主
第1回 1987年9月13日 阪神 1400m ミスターボーイ 牡5 1:22.5 河内洋 中尾正 小原巖
第2回 1988年9月11日 阪神 1400m サンキンハヤテ 牡4 1:21.7 河内洋 橋口弘次郎 河原サキノ
第3回 1989年9月10日 阪神 1400m ホウエイソブリン 牡5 1:20.9 村本善之 目野哲也 北川末次
第4回 1990年9月9日 中京 1200m エーコーシーザー 牡5 1:08.5 田島信行 安田伊佐夫 池内賢市
第5回 1991年9月8日 中京 1200m ニフティニース 牝4 1:07.9 竹原啓二 松山康久 吉田善哉
第6回 1992年9月13日 阪神 1400m マイスーパーマン 牡6 1:22.8 南井克巳 鹿戸幸治 菅原吾一
第7回 1993年9月12日 阪神 1400m エリザベスローズ 牝4 1:22.1 河内洋 渡辺栄 吉田勝己
第8回 1994年10月2日 中京 1200m エイシンワシントン 牡3 1:08.7 熊沢重文 内藤繁春 平井豊光
第9回 1995年10月1日 京都 1400m ビコーペガサス 牡4 1:21.2 武豊 柳田次男 (有)レジェンド
第10回 1996年9月29日 阪神 1400m フジノマッケンオー 牡5 1:21.0 武豊 中村好夫 中村寛俊
第11回 1997年9月28日 阪神 1400m オースミタイクーン 牡6 1:21.0 武幸四郎 武邦彦 山路秀則
第12回 1998年10月4日 阪神 1400m マイネルラヴ 牡3 1:21.3 武豊 稲葉隆一 (株)サラブレッドクラブ・ラフィアン
第13回 1999年10月3日 阪神 1400m エイシンガイモン 牡6 1:20.7 芹沢純一 加用正 平井豊光
第14回 2000年9月10日 阪神 1200m ビハインドザマスク 牝4 1:07.6 福永祐一 北橋修二 (有)サンデーレーシング
第15回 2001年9月9日 阪神 1200m テネシーガール 牝4 1:08.1 山田和広 坪正直 平井豊光
第16回 2002年9月8日 阪神 1200m ビリーヴ 牝4 1:07.1 岩田康誠 松元茂樹 前田幸治
第17回 2003年9月14日 阪神 1200m テンシノキセキ 牝5 1:07.8 横山典弘 橋口弘次郎 杉谷枡夫
第18回 2004年9月12日 阪神 1200m ゴールデンキャスト 牡4 1:08.2 武豊 橋口弘次郎 前田幸治
第19回 2005年9月11日 阪神 1200m ゴールデンキャスト 牡5 1:08.3 小牧太 橋口弘次郎 前田幸治
第20回 2006年9月10日 中京 1200m シーイズトウショウ 牝6 1:08.6 池添謙一 鶴留明雄 トウショウ産業(株)
第21回 2007年9月9日 阪神 1200m サンアディユ 牝5 1:07.1 川田将雅 音無秀孝 松岡隆雄
第22回 2008年9月14日 阪神 1200m カノヤザクラ 牝4 1:07.3 小牧太 橋口弘次郎 神田薫
第23回 2009年9月13日 阪神 1200m アルティマトゥーレ 牝5 1:07.8 松岡正海 奥平雅士 (有)社台レースホース
第24回 2010年9月12日 阪神 1200m ダッシャーゴーゴー 牡3 1:08.0 川田将雅 安田隆行 芦田信
第25回 2011年9月11日 阪神 1200m エーシンヴァーゴウ 牝4 1:08.5 田辺裕信 小崎憲 (株)栄進堂
第26回 2012年9月9日 阪神 1200m エピセアローム 牝3 1:07.3 武豊 石坂正 吉田勝己
第27回 2013年9月8日 阪神 1200m ハクサンムーン 牡4 1:07.5 酒井学 西園正都 河崎五市
第28回 2014年9月14日 阪神 1200m リトルゲルダ 牝5 1:07.4 丸田恭介 鮫島一歩 栗山良子
第29回 2015年9月13日 阪神 1200m アクティブミノル 牡3 1:07.8 藤岡康太 北出成人 吉岡實
第30回 2016年9月11日 阪神 1200m ビッグアーサー 牡5 1:07.6 福永祐一 藤岡健一 中辻明
第31回 2017年9月10日 阪神 1200m ファインニードル 牡4 1:07.5 M.デムーロ 高橋義忠 H.H.シェイク・モハメド
第32回 2018年9月9日 阪神 1200m ファインニードル 牡5 1:08.8 川田将雅 高橋義忠 ゴドルフィン
第33回 2019年9月8日 阪神 1200m タワーオブロンドン 牡4 1:06.7 C.ルメール 藤沢和雄 ゴドルフィン
第34回 2020年9月13日 中京 1200m ダノンスマッシュ 牡5 1:07.9 三浦皇成 安田隆行 (株)ダノックス
第35回 2021年9月12日 中京 1200m レシステンシア 牝4 1:07.2 C.ルメール 松下武士 (有)キャロットファーム
第36回 2022年9月11日 中京 1200m メイケイエール 牝4 1:06.2 池添謙一 武英智 (株)名古屋競馬
第37回 2023年9月10日 阪神 1200m テイエムスパーダ 牝4 1:07.2 富田暁 木原一良 竹園正繼
第38回 2024年9月8日 中京 1200m トウシンマカオ 牡5 1:07.7 菅原明良 高柳瑞樹 (株)サトー

1986年までのセントウルステークス

現在の重賞競走が創設される以前、1986年まで同名の特別競走が行われていた。ただし、JRAではこれらの競走を前身としていない。

  • 1960年 - 4歳(現3歳)以上の競走馬による条件特別競走として、阪神競馬場の芝2000mで施行。
  • 1970年 - オープン特別競走に昇格。
  • 1976年 - 条件特別競走に降格。
  • 1978年 - オープン特別競走に再び昇格。
  • 1979年 - 条件特別競走に再び降格。
  • 1984年 - オープン特別競走に再び昇格。

1986年までの優勝馬

施行距離
  • 1960年・1962年 - 1963年・1966年 - 1968年:芝2000m、1961年・1964年:芝1800m、1970年:芝1900m、1971年 - 1980年:芝1600m、1981年 - 1983年:芝2000m、1965年・1984年 - 1986年:芝2200m
施行日 優勝馬 性齢 タイム 優勝騎手 管理調教師
1960年10月23日 タイカン 牝3 2:06.7 伊藤修司 伊藤勝吉
1961年12月3日 ブゼンコウシユン 牡4 1:52.4 高尾武士 田中好雄
1962年12月9日 シンハツヒカリ 牡3 2:10.4 清水久雄 増本勇
1963年12月15日 トキカゼ 牡4 2:07.3 浅見国一 松田由太郎
1964年12月27日 ガルカチドリ 牡3 2:04.6 栗田勝 鈴木和雄
1965年12月26日 シシオー 牡3 2:17.7 清水久雄 増本勇
1966年12月11日 キリハク 牝3 2:04.6 瀬戸口勉 上田三千夫
1967年12月3日 ハヤシロ 牡3 2:04.3 福永甲 田之上勲
1968年12月8日 ハードオンワード 牡3 2:04.8 武田博 武田文吾
1969年 小倉大賞典を参照
1970年12月12日 ケイタカシ 牡5 1:56.0 池江泰郎 浅見国一
1971年12月11日 シバクサ 牡3 1:35.8 高崎詠三郎 橋本正晴
1972年12月9日 ファストバンブー 牡5 1:36.1 福永洋一 伊藤修司
1973年12月8日 ホウシュウエイト 牡3 1:35.5 武邦彦 日迫清
1974年12月1日 ランドグレース 牡3 1:34.9 福永洋一 松井麻之助
1975年11月30日 ケイリュウシンゲキ 牝5 1:36.2 伊藤清章 伊藤修司
1976年12月5日 ホクトボーイ 牡3 1:36.1 久保敏文 久保道雄
1977年12月4日 キングラナーク 牡4 1:35.3 岩元市三 布施正
1978年12月3日 ヤマニンミノル 牡3 1:36.4 田原成貴 浅見国一
1979年12月1日 バンブトンフィリー 牝3 1:35.3 吉永良人 伊藤修司
1980年10月11日 マツノリード 牝3 1:36.7 本田優 星川薫
1981年11月29日 クニノカチドキ 牡3 2:01.4 田原成貴 安藤正敏
1982年12月12日 ハンキイナリ 牡6 2:03.9 加用正 大沢真
1983年12月11日 キタヤマツバキ 牡3 2:01.3 小島貞博 戸山為夫
1984年12月16日 パワーホーラー 牡3 2:13.4 西浦勝一 荻野光男
1985年12月21日 シンブラウン 牡5 2:15.2 岩元市三 布施正
1986年12月20日 スピードヒーロー 牡4 2:15.6 河内洋 崎山博樹

外国調教馬の成績

脚注・出典

参考文献

  • 「セントウルステークス(GII)」『中央競馬全重賞競走成績集 【古馬関西編】』日本中央競馬会、2006年、1171-1202頁。 

注釈

  1. ^ a b c d 当時の格付表記は、JRAの独自グレード。

出典

  1. ^ a b c d e 重賞競走一覧(レース別・関西)” (PDF). 日本中央競馬会. p. 24. 2023年9月4日閲覧。
  2. ^ a b c 令和5年第4回阪神競馬番組” (PDF). 日本中央競馬会. 2023年9月4日閲覧。
  3. ^ International Cataloguing Standards Book 2022 (Japan)” (PDF). 国際競馬統括機関連盟. 2023年9月4日閲覧。
  4. ^ Sankei Sho Centaur S.”. 国際競馬統括機関連盟. 2023年9月4日閲覧。
  5. ^ 2023年度第4回阪神競馬特別レース名解説” (PDF). 日本中央競馬会. p. 2. 2023年9月4日閲覧。
  6. ^ a b c d e f g h i j 歴史・コース:産経賞セントウルステークス 今週の注目レース”. 日本中央競馬会. 2023年9月4日閲覧。
  7. ^ 2014年サマーシリーズポイントランキング”. 日本中央競馬会. 2014年9月15日閲覧。
  8. ^ 中央競馬指定交流競走に出走する地方競馬所属馬の決定方法(令和4年秋季競馬)” (PDF). 日本中央競馬会. 2023年9月4日閲覧。
  9. ^ 「地」が出走できるGI競走とそのステップ競走について【令和4年度】” (PDF). 日本中央競馬会. 2023年9月4日閲覧。
  10. ^ 競馬番組一般事項” (PDF). 日本中央競馬会 (2022年). 2023年9月4日閲覧。
  11. ^ a b c 中央競馬全重賞成績集【古馬関西編】
  12. ^ 第4回 阪神競馬成績集計表” (PDF). 日本中央競馬会. pp. 2867-2869 (2007年). 2016年9月12日閲覧。(索引番号:27023)
  13. ^ 平成29年度の重賞競走の主な変更点について” (PDF). 日本中央競馬会. 2020年9月6日閲覧。
  14. ^ 令和2年度の重賞競走の主な変更点について” (PDF). 日本中央競馬会. 2020年9月6日閲覧。
  15. ^ 9月12日(土曜)から10月4日(日曜)までの中央競馬の開催等”. 日本中央競馬会 (2020年8月27日). 2020年9月6日閲覧。
  16. ^ 2024年度開催日割および重賞競走日本中央競馬会、2023年10月16日配信・閲覧

各回競走結果の出典

関連項目

外部リンク





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