毎日杯とは? わかりやすく解説

毎日杯

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/16 17:19 UTC 版)

毎日杯
第69回毎日杯(2022年3月26日)
優勝馬:ピースオブエイト(画像左)
開催国 日本
主催者 日本中央競馬会
競馬場 阪神競馬場
創設 1954年6月27日
2025年の情報
距離 芝1800m
格付け GIII
賞金 1着賞金4100万円
出走条件 サラ系3歳(国際)(特指)
負担重量 馬齢
出典 [1][2]
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毎日杯(まいにちはい)は、日本中央競馬会(JRA)が阪神競馬場で施行する中央競馬重賞競走GIII)である。

寄贈賞を提供する毎日新聞社は、東京名古屋大阪北九州に本社を置く新聞社[3]

正賞は毎日新聞社賞[1][2]

概要

1954年に創設された、4歳(現3歳)馬限定の重賞競走[3][4]。優先出走権が得られるトライアル競走ではないが、春の大レースを目指す3歳馬にとって重要な前哨戦とされている[4]

創設から1970年までは6月の東京優駿(日本ダービー)直後に行われていたが、1971年より3月(1972年は4月)に繰り上げられた[3][4]。施行距離は創設以来芝2000mで定着(1971年は1900m)していたが、2007年より阪神競馬場に新設された芝外回りコースの1800mに変更された[3][4]。創設時の負担重量はハンデキャップだったが、翌年から別定に変更された[4]。2024年からは負担重量が馬齢重量に変更される。

外国産馬は1992年から、地方競馬所属馬は1996年からそれぞれ出走可能になり[5]、2009年からは外国馬も出走可能な国際競走となった[6]

競走条件

以下の内容は、2025年現在[1][2]のもの。

出走資格:サラ系3歳

  • JRA所属馬
  • 地方競馬所属馬(2頭まで)
  • 外国調教馬(優先出走)
  • 負担重量:馬齢(牡・せん57kg、牝馬55kg)

賞金

2025年の1着賞金は4100万円で、以下2着1600万円、3着1000万円、4着620万円、5着410万円[1][2]

歴史

  • 1954年 - 4歳馬による重賞競走として創設[4]
  • 1984年 - グレード制施行によりGIII[注 1]に格付け[4]
  • 1992年 - 混合競走に指定、外国産馬が出走可能になる[4]
  • 1996年 - 特別指定交流競走に指定され、地方競馬所属馬が2頭まで出走可能になる[4]
  • 2001年 - 馬齢表示の国際基準への変更に伴い、出走条件を「3歳」に変更。
  • 2007年 - 日本のパートI国昇格に伴い、格付表記をJpnIIIに変更[7]
  • 2009年
    • 国際競走に変更され、外国調教馬が9頭まで出走可能になる[6]
    • 格付表記をGIII(国際格付)に変更[6]
  • 2011年 - 「被災地支援競走」の副称をつけて施行[8][9]
    • 本年の競走は、中京競馬場の改修工事により阪神競馬場での代替開催となった高松宮記念と同日の最終12レースで施行され、「JRAプレミアムレース」として払戻金の5%上乗せを実施される予定であった。東日本大震災の社会的影響を踏まえて「JRAプレミアムレース」を取りやめ、売上金の5%相当額等を被災地支援に拠出した。
  • 2020年 - COVID-19の流行により客を入れずに「無観客競馬」として開催。
  • 2024年 - 負担重量を馬齢重量に変更。

歴代優勝馬

コース種別の記載がない距離は、芝コースを表す。

優勝馬の馬齢は、2000年以前も現行表記に揃えている。

回数 施行日 競馬場 距離 優勝馬 性齢 タイム 優勝騎手 管理調教師 馬主
第1回 1954年6月27日 阪神 2000m ミネマサ 牡3 2:10 4/5 上田三千夫 伊藤正四郎 峯岸正
第2回 1955年5月15日 阪神 2000m ヤサカ 牡3 2:06 0/5 佐藤勇 武田文吾 熊谷忠夫
第3回 1956年7月1日 阪神 2000m キヤツスル 牝3 2:10 1/5 栗田勝 武田文吾 坂上忠兵衞
第4回 1957年6月16日 阪神 2000m シンセカイイチ 牡3 2:05 0/5 近藤武夫 伊藤勝吉 伊藤由五郎
第5回 1958年6月15日 阪神 2000m タカハル 牡3 2:02 3/5 近藤武夫 伊藤勝吉 コーホー
第6回 1959年6月21日 京都 2000m ハツライ 牡3 2:04 3/5 清田十一 伊藤勝吉 大久保常吉
第7回 1960年6月12日 阪神 2000m タイゴンオー 牡3 2:02.7 諏訪真 諏訪佐市 佐藤庄平
第8回 1961年6月18日 阪神 2000m ヤマサカエ 牡3 2:06.2 諏訪真 諏訪佐市 土井宏二
第9回 1962年6月17日 阪神 2000m ゴールデンスター 牡3 2:04.9 諏訪真 諏訪佐市 山田泰吉
第10回 1963年6月16日 阪神 2000m パスポート 牝3 2:05.8 松永高徳 清水茂次 吉田善一
第11回 1964年6月21日 阪神 2000m オンワードセカンド 牡3 2:05.8 松本善登 武田文吾 樫山(株)
第12回 1965年6月13日 阪神 2000m タニノライジング 牡3 2:04.1 池江泰郎 久保道雄 谷水信夫
第13回 1966年6月12日 京都 2000m アポオンワード 牡3 2:03.6 栗田勝 武田文吾 樫山(株)
第14回 1967年6月18日 阪神 2000m サトヒカル 牡3 2:04.3 栗田勝 大久保亀治 鴨常一
第15回 1968年6月2日 阪神 2000m ダテホーライ 牡3 2:04.4 宇田明彦 星川泉士 伊達牧場
第16回 1969年6月22日 京都 2000m マサファイター 牡3 2:10.7 武邦彦 夏村辰男 壺山政夫
第17回 1970年6月14日 阪神 2000m ダテテンリュウ 牡3 2:07.1 宇田明彦 星川泉士 伊達牧場
第18回 1971年3月14日 阪神 1900m ニホンピロムーテー 牡3 1:57.8 簗田善則 服部正利 小林百太郎
第19回 1972年4月9日 阪神 2000m ユーモンド 牡3 2:10.6 福永洋一 武田文吾 新子政勇貴
第20回 1973年3月4日 阪神 2000m ホウシュウエイト 牡3 2:04.4 中野勝也 日迫清 上田清次郎
第21回 1974年3月3日 阪神 2000m エリモマーチス 牡3 2:04.2 大久保光康 大久保正陽 山本慎一
第22回 1975年3月2日 阪神 2000m フサトロキノー 牡3 2:03.6 目野哲也 土門健司 吉川不可止
第23回 1976年2月29日 阪神 2000m エリモファーザー 牡3 2:08.2 大久保哲男 大久保石松 山本慎一
第24回 1977年3月6日 阪神 2000m ハードバージ 牡3 2:04.1 内田国夫 伊藤雄二 吉嶺一徳
第25回 1978年3月5日 阪神 2000m アグネスホープ 牡3 2:06.2 久保敏文 二分久男 渡辺孝男
第26回 1979年3月4日 阪神 2000m ハシハーミット 牡3 2:02.3 河内洋 内藤繁春 (株)シンザンクラブ
第27回 1980年3月2日 阪神 2000m レッドジャガー 牡3 2:03.6 村本善之 坂田正行 (株)千屋レッド
第28回 1981年3月1日 阪神 2000m ヒロノワカコマ 牡3 2:05.3 伊藤清章 伊藤修司 伊藤裕子
第29回 1982年3月7日 阪神 2000m エリモローラ 牡3 2:02.8 高橋隆 大久保石松 山本慎一
第30回 1983年3月6日 阪神 2000m タケノヒエン 牡3 2:04.9 本田優 星川泉士 武岡嘉一
第31回 1984年3月4日 阪神 2000m マルブツサーペン 牡3 2:04.5 加用正 瀬戸口勉 大澤毅
第32回 1985年3月3日 阪神 2000m ニューファンファン 牡3 2:05.4 岩元市三 布施正 靏本貢
第33回 1986年3月2日 阪神 2000m フレッシュボイス 牡3 2:02.9 田原成貴 境直行 円城和男
第34回 1987年3月29日 阪神 2000m ダイゴアルファ 牡3 2:02.6 加用正 北橋修二 竹村万里子
第35回 1988年3月27日 阪神 2000m オグリキャップ 牡3 2:04.8 河内洋 瀬戸口勉 佐橋五十雄
第36回 1989年3月26日 阪神 2000m スターサンシャイン 牡3 2:03.8 岡冨俊一 中村覚之助 (有)大成牧場
第37回 1990年3月25日 阪神 2000m キーミノブ 牡3 2:03.6 村本善之 日迫良一 北前正美
第38回 1991年3月24日 京都 2000m イイデサターン 牡3 2:02.3 河内洋 大久保正陽 (株)アールエスエーカントリ
第39回 1992年3月29日 阪神 2000m ヒシマサル 牡3 2:06.6 田島信行 佐山優 阿部雅一郎
第40回 1993年3月28日 阪神 2000m シクレノンシェリフ 牡3 2:06.4 松永幹夫 小林稔 藤立啓一
第41回 1994年3月27日 阪神 2000m メルシーステージ 牡3 2:01.0 河北通 小野幸治 永井康郎
第42回 1995年3月26日 京都 2000m ダイタクテイオー 牡3 2:01.7 藤田伸二 橋口弘次郎 中村和子
第43回 1996年3月24日 阪神 2000m タイキフォーチュン 牡3 2:01.1 柴田善臣 高橋祥泰 (有)大樹ファーム
第44回 1997年3月23日 阪神 2000m テイエムトップダン 牡3 2:03.3 和田竜二 岩元市三 竹園正繼
第45回 1998年3月29日 阪神 2000m ミラクルタイム 牡3 2:01.1 蛯名正義 前田禎 堀越毅一
第46回 1999年3月28日 阪神 2000m テイエムオペラオー 牡3 2:04.1 和田竜二 岩元市三 竹園正繼
第47回 2000年3月25日 阪神 2000m シルヴァコクピット 牡3 2:03.6 武豊 安田隆行 金子真人
第48回 2001年3月24日 阪神 2000m クロフネ 牡3 1:58.6 四位洋文 松田国英 金子真人
第49回 2002年3月23日 阪神 2000m チアズシュタルク 牡3 2:02.2 藤田伸二 山内研二 北村キヨ子
第50回 2003年3月29日 阪神 2000m タカラシャーディー 牡3 1:59.9 佐藤哲三 佐々木晶三 伊藤昭次
第51回 2004年3月27日 阪神 2000m キングカメハメハ 牡3 2:01.2 福永祐一 松田国英 金子真人
第52回 2005年3月26日 阪神 2000m ローゼンクロイツ 牡3 2:02.2 安藤勝己 橋口弘次郎 (有)サンデーレーシング
第53回 2006年3月25日 阪神 2000m アドマイヤメイン 牡3 2:00.5 福永祐一 橋田満 近藤利一
第54回 2007年3月24日 阪神 1800m ナムラマース 牡3 1:48.0 藤岡佑介 福島信晴 奈村信重
第55回 2008年3月29日 阪神 1800m ディープスカイ 牡3 1:46.0 四位洋文 昆貢 深見敏男
第56回 2009年3月28日 阪神 1800m アイアンルック 牡3 1:48.0 小牧太 橋口弘次郎 池上一馬
第57回 2010年3月27日 阪神 1800m ダノンシャンティ 牡3 1:49.3 安藤勝己 松田国英 (株)ダノックス
第58回 2011年3月27日 阪神 1800m レッドデイヴィス セン3 1:47.1 浜中俊 音無秀孝 (株)東京ホースレーシング
第59回 2012年3月24日 阪神 1800m ヒストリカル 牡3 1:49.6 安藤勝己 音無秀孝 近藤英子
第60回 2013年3月23日 阪神 1800m キズナ 牡3 1:46.2 武豊 佐々木晶三 前田晋二
第61回 2014年3月29日 阪神 1800m マイネルフロスト 牡3 1:46.7 柴田大知 高木登 (株)サラブレッドクラブ・ラフィアン
第62回 2015年3月28日 阪神 1800m ミュゼエイリアン 牡3 1:47.2 川田将雅 黒岩陽一 高橋仁
第63回 2016年3月26日 阪神 1800m スマートオーディン 牡3 1:47.3 戸崎圭太 松田国英 大川徹
第64回 2017年3月25日 阪神 1800m アルアイン 牡3 1:46.5 松山弘平 池江泰寿 (有)サンデーレーシング
第65回 2018年3月24日 阪神 1800m ブラストワンピース 牡3 1:46.5 池添謙一 大竹正博 (有)シルクレーシング
第66回 2019年3月23日 阪神 1800m ランスオブプラーナ 牡3 1:47.2 松山弘平 本田優 五影慶則
第67回 2020年3月28日 阪神 1800m サトノインプレッサ 牡3 1:47.9 武豊 矢作芳人 (株)サトミホースカンパニー
第68回 2021年3月27日 阪神 1800m シャフリヤール 牡3 1:43.9 川田将雅 藤原英昭 (有)サンデーレーシング
第69回 2022年3月26日 阪神 1800m ピースオブエイト 牡3 1:47.5 藤岡佑介 奥村豊 (有)シルクレーシング
第70回 2023年3月25日 阪神 1800m シーズンリッチ 牡3 1:46.6 角田大河 久保田貴士 宇田豊
第71回 2024年3月23日 阪神 1800m メイショウタバル 牡3 1:46.0 坂井瑠星 石橋守 松本好雄
第72回 2025年3月29日 阪神 1800m ファンダム 牡3 1:45.9 北村宏司 辻哲英 (株)キャロットファーム

脚注・出典

参考文献

  • 「毎日杯(GIII)」『中央競馬全重賞競走成績集 【2歳・3歳編】』日本中央競馬会、1269-1335頁。 

注釈

  1. ^ 当時の格付表記は、JRAの独自グレード。

出典

  1. ^ a b c d 重賞競走一覧(レース別・関西)” (PDF). 日本中央競馬会. p. 8 (2025年). 2025年5月5日閲覧。
  2. ^ a b c d 2025年第2回阪神競馬番組” (PDF). 日本中央競馬会. 2025年5月5日閲覧。
  3. ^ a b c d 2025年度第2回阪神競馬特別レース名解説” (PDF). 日本中央競馬会. p. 1. 2025年5月5日閲覧。
  4. ^ a b c d e f g h i 歴史・コース:毎日杯 今週の注目レース”. 日本中央競馬会. 2025年5月5日閲覧。
  5. ^ 中央競馬全重賞競走成績集【2歳・3歳編】
  6. ^ a b c 第2回 阪神競馬成績集計表” (PDF). 日本中央競馬会. pp. 1068-1069 (2009年). 2016年3月24日閲覧。(索引番号:09011)
  7. ^ 第2回 阪神競馬成績集計表” (PDF). 日本中央競馬会. pp. 983-984 (2007年). 2016年3月24日閲覧。(索引番号:09011)
  8. ^ 2011年の成績表参照。
  9. ^ 3月27日(日)の毎日杯(GIII)は「被災地支援競走」として行います - JRA公式サイト 2011年3月22日、同年3月25日取得のウェイバックマシンによるウェブアーカイブ、2025年1月16日閲覧

各回競走結果の出典

外部リンク


毎日杯

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/09 10:21 UTC 版)

マリージョーイ」の記事における「毎日杯」の解説

3月4日若干湿った良馬場阪神競馬場開催された毎日杯に、福永乗るマリージョーイは6番人気で出走した。同競走には、その年の菊花賞制するハシハーミットなどが出走していた。 マリージョーイスタート直後は中団、その後最後方に位置取っていた。最後直線追い上げようとするマリージョーイ前方でハクヨーカツヒデが先行して脚色鈍ってきたインタームサシと接触してバランス崩し、ハクヨーカツヒデ鞍上斉藤博美外側投げ出された。福永はこれを避けようと、馬体咄嗟に外に持ち出したが、マリージョーイ斉藤接触して転倒福永馬上から大きく放り出され頭部強打脳挫傷起こして再起不能となった。 この事故は、現在でも落馬事故の例として挙げられることがあり、マリージョーイはその競走成績よりも「福永洋一事故遭ったときの馬」として語られやすい。

※この「毎日杯」の解説は、「マリージョーイ」の解説の一部です。
「毎日杯」を含む「マリージョーイ」の記事については、「マリージョーイ」の概要を参照ください。

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