京成杯とは? わかりやすく解説

京成杯

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/01/20 10:27 UTC 版)

京成杯
Keisei Hai[1]
開催国 日本
主催者 日本中央競馬会
競馬場 中山競馬場
創設 1961年1月15日
2025年の情報
距離 芝2000m
格付け GIII
賞金 1着賞金4100万円
出走条件 サラ系3歳(国際)(特指)
負担重量 馬齢(#競走条件も参照)
出典 [2][3]
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京成杯(けいせいはい)は、日本中央競馬会(JRA)が中山競馬場で施行する中央競馬重賞競走GIII)である。

寄贈賞を受けている京成電鉄は、千葉県市川市(2013年までは東京都墨田区)に本社を置き、中山競馬場の最寄り駅東中山駅を通る京成本線を運営する大手私鉄[4]

正賞は京成電鉄株式会社賞[3]

概要

1961年昭和36年)に創設された、4歳(現3歳)馬限定の重賞競走[5]

創設当初は中山競馬場の芝1600m(外回り)で行われ、その後施行場は幾度かの変遷を経て、1999年に4歳(現3歳)重賞競走の距離体系を見直した際、中山競馬場の芝2000m(内回り)に変更された[5]。これにより、中央競馬クラシック三冠およびGINHKマイルカップへ向けた明け3歳馬の将来性や距離適性を占う重要な競走となった[5]

外国産馬は1984年から、地方競馬所属馬は1996年からそれぞれ出走可能になった[5]ほか、2009年からは外国馬も出走可能な国際競走に指定された[5]

競走条件

以下の内容は、2025年[2][3][6]のもの。

出走資格:サラ系3歳、除未出走馬および未勝利馬

  • JRA所属馬
  • 地方競馬所属馬(認定馬のみ、2頭まで)
  • 外国調教馬(優先出走)
  • 負担重量:馬齢重量(牡馬・騸馬57kg、牝馬55kg)

賞金

2025年の1着賞金は4100万円で、以下2着1600万円、3着1000万円、4着620万円、5着410万円[2][3]

歴史

  • 1961年 - 4歳馬による重賞競走として創設、中山競馬場の芝1600m(外回り)で施行[5]
  • 1972年 - 流行性の馬インフルエンザの影響で3月に順延開催。
  • 1984年
    • 混合競走に指定され、外国産馬が出走可能になる[5]
    • グレード制施行によりGIII[注 1]に格付け。
  • 1996年 - 特別指定交流競走に指定され、地方競馬所属馬が2頭まで出走可能になる[5]
  • 2001年 - 馬齢表示の国際基準への変更に伴い、出走資格を「3歳」に変更。
  • 2007年 - 国際セリ名簿基準委員会(ICSC)の勧告により、格付表記をJpnIIIに変更[5]
  • 2009年
    • 国際競走に指定され、外国調教馬が8頭まで出走可能になる[5]
    • 格付表記をGIII(国際格付)に変更[5]
  • 2015年
    • 出走可能頭数を17頭に拡大。
    • 外国調教馬の出走頭数上限を9頭に変更[7]
  • 2021年 - 新型コロナウイルス感染拡大防止のため「無観客競馬」として実施[8]
  • 2024年 - 負担重量を馬齢重量に変更。
  • 2025年 - 出走可能頭数を18頭に拡大[2]

歴代優勝馬

距離はすべて芝コース。

優勝馬の馬齢は、2000年以前も現行表記に揃えている。

回数 施行日 競馬場 距離 優勝馬 性齢 所属 タイム 優勝騎手 管理調教師 馬主
第1回 1961年1月15日 中山 1600m モンテカルロ 牡3 JRA 1:40.6 佐藤征助 秋山史郎 毛利喜八
第2回 1962年1月15日 中山 1600m オーハヤブサ 牝3 JRA 1:39.8 藤本勝彦 藤本冨良 笠木政彦
第3回 1963年1月15日 中山 1600m カネノヒカル 牡3 JRA 1:37.5 加賀武見 阿部正太郎 金指吉昭
第4回 1964年1月15日 中山 1600m トキノパレード 牡3 JRA 1:40.5 野平好男 田中和夫 井口鈴一
第5回 1965年1月15日 中山 1600m メジロマンゲツ 牝3 JRA 1:38.5 加賀武見 阿部正太郎 北野豊吉
第6回 1966年3月20日 中山 1600m スピードシンボリ 牡3 JRA 1:40.2 津田昭 野平富久 和田共弘
第7回 1967年1月15日 中山 1600m ホウゲツオー 牡3 JRA 1:39.3 加賀武見 山岡寿恵次 嶋津芳三
第8回 1968年1月14日 中山 1600m ライトワールド 牡3 JRA 1:39.6 樋口弘 三井末太郎 大久保源吾
第9回 1969年1月12日 中山 1600m ギャロップ 牡3 JRA 1:39.2 野平祐二 秋山史郎 榎本信子
第10回 1970年1月11日 東京 1600m アローエクスプレス 牡3 JRA 1:37.1 柴田政人 高松三太 伊達秀和
第11回 1971年1月15日 東京 1600m ヤシマライデン 牡3 JRA 1:38.1 伊藤正徳 尾形藤吉 小林庄平
第12回 1972年3月19日 中山 1600m ヒデハヤテ 牡3 JRA 1:35.8 福永洋一 伊藤修司 伊藤英夫
第13回 1973年1月14日 東京 1600m カミノテシオ 牡3 JRA 1:37.2 加賀武見 高橋英夫 保手浜正康
第14回 1974年1月13日 東京 1600m ウエスタンダッシュ 牡3 JRA 1:36.9 伊藤正徳 尾形藤吉 西川商事(株)
第15回 1975年1月12日 東京 1600m テスコガビー 牝3 JRA 1:37.5 菅原泰夫 仲住芳雄 長島忠雄
第16回 1976年1月11日 東京 1600m クライムカイザー 牡3 JRA 1:36.4 加賀武見 佐藤嘉秋 (有)三登
第17回 1977年1月16日 東京 1600m ヒシスピード 牡3 JRA 1:36.7 小島太 高木嘉夫 阿部雅信
第18回 1978年1月15日 東京 1600m タケデン 牡3 JRA 1:37.1 岡部幸雄 元石孝昭 武市伝一
第19回 1979年1月14日 東京 1600m ファーストアモン 牡3 JRA 1:37.3 吉永正人 松山吉三郎 菅浦一
第20回 1980年1月13日 中山 1600m ハーバーシャレード 牡3 JRA 1:42.1 嶋田功 佐々木亜良 (株)ハーバー
第21回 1981年1月11日 中山 1600m テンモン 牝3 JRA 1:36.8 嶋田功 稲葉幸夫 原八衛
第22回 1982年1月10日 中山 1600m アスワン 牡3 JRA 1:36.7 吉永正人 松山吉三郎 吉田善哉
第23回 1983年1月9日 中山 1600m ブルーダーバン 牡3 JRA 1:37.7 杉浦宏昭 二本柳俊夫 福島徳佑
第24回 1984年1月15日 中山 1600m ハツノアモイ 牡3 JRA 1:36.2 菅原泰夫 仲住芳雄 仲川初太郎
第25回 1985年1月13日 中山 1600m サクラサニーオー 牡3 JRA 1:35.6 小島太 境勝太郎 (株)さくらコマース
第26回 1986年1月12日 中山 1600m ダイナフェアリー 牝3 JRA 1:35.1 増沢末夫 鈴木康弘 (有)社台レースホース
第27回 1987年1月11日 中山 1600m スーパーファントム 牡3 JRA 1:35.7 柴田政人 中村貢 平野井昌弘
第28回 1988年1月10日 中山 1600m トウショウマリオ 牡3 JRA 1:35.4 柴田政人 奥平真治 トウショウ産業(株)
第29回 1989年1月15日 中山 1600m スピークリーズン 牡3 JRA 1:36.3 安田富男 尾形充弘 竹﨑満
第30回 1990年1月14日 中山 1600m ノーモアスピーディ 牡3 JRA 1:35.2 安田富男 松山康久 吉田照哉
第31回 1991年1月13日 中山 1600m ダイナマイトダディ 牡3 JRA 1:34.8 増沢末夫 鈴木康弘 池谷誠一
第32回 1992年1月19日 中山 1600m エーピージェット 牡3 JRA 1:35.2 的場均 元石孝昭 (株)デルマークラブ
第33回 1993年1月17日 中山 1600m オースミポイント 牡3 JRA 1:35.8 橋本広喜 白井寿昭 山路秀則
第34回 1994年1月9日 中山 1600m ビコーペガサス 牡3 JRA 1:33.9 的場均 柳田次男 (有)レジェンド
第35回 1995年1月8日 中山 1600m マイティーフォース 牡3 JRA 1:35.1 松永幹夫 加藤敬二 (株)日本ダイナースクラブ
第36回 1996年1月7日 東京 1600m サクラスピードオー 牡3 JRA 1:34.6 小島太 境勝太郎 (株)さくらコマース
第37回 1997年1月7日 中山 1600m スピードワールド 牡3 JRA 1:36.3 的場均 小西一男 市川不動産(株)
第38回 1998年1月11日 中山 1600m マンダリンスター 牡3 JRA 1:36.8 柴田善臣 高市圭二 大川栄一郎
第39回 1999年1月17日 中山 2000m オースミブライト 牡3 JRA 2:01.5 蛯名正義 中尾正 山路秀則
第40回 2000年1月16日 中山 2000m マイネルビンテージ 牡3 JRA 2:04.0 柴田善臣 佐々木晶三 (株)サラブレッドクラブ・ラフィアン
第41回 2001年1月14日 中山 2000m ボーンキング 牡3 JRA 2:03.2 D.ハリソン 松田国英 金子真人
第42回 2002年1月13日 東京 2000m ヤマニンセラフィム 牡3 JRA 2:00.4
(同着)
蛯名正義 浅見秀一 土井肇
ローマンエンパイア 牡3 JRA 武幸四郎 古川平 (有)ターフ・スポート
第43回 2003年1月19日 中山 2000m スズカドリーム 牡3 JRA 2:01.7 蛯名正義 橋田満 永井啓弍
第44回 2004年1月18日 中山 2000m フォーカルポイント 牡3 JRA 1:59.2 横山典弘 河野通文 (有)社台レースホース
第45回 2005年1月16日 中山 2000m アドマイヤジャパン 牡3 JRA 2:07.4 横山典弘 松田博資 近藤利一
第46回 2006年1月15日 中山 2000m ジャリスコライト 牡3 JRA 2:03.2 北村宏司 藤沢和雄 吉田和美
第47回 2007年1月14日 中山 2000m サンツェッペリン 牡3 JRA 2:01.6 松岡正海 斎藤誠 加藤信之
第48回 2008年1月20日 中山 2000m マイネルチャールズ 牡3 JRA 2:02.9 松岡正海 稲葉隆一 (株)サラブレッドクラブ・ラフィアン
第49回 2009年1月18日 中山 2000m アーリーロブスト 牡3 JRA 2:02.7 福永祐一 本田優 (有)三嶋牧場
第50回 2010年1月17日 中山 2000m エイシンフラッシュ 牡3 JRA 2:03.6 横山典弘 藤原英昭 平井豊光
第51回 2011年1月16日 中山 2000m フェイトフルウォー 牡3 JRA 2:00.9 田中勝春 伊藤伸一 (有)社台レースホース
第52回 2012年1月15日 中山 2000m ベストディール 牡3 JRA 2:00.6 蛯名正義 国枝栄 (有)社台レースホース
第53回 2013年1月21日 中山 2000m フェイムゲーム 牡3 JRA 2:02.3 F.ベリー 宗像義忠 (有)サンデーレーシング
第54回 2014年1月19日 中山 2000m プレイアンドリアル 牡3 川崎 2:01.1 柴田大知 河津裕昭 岡田繁幸
第55回 2015年1月18日 中山 2000m ベルーフ 牡3 JRA 2:02.3 川田将雅 池江泰寿 (有)サンデーレーシング
第56回 2016年1月17日 中山 2000m プロフェット 牡3 JRA 2:01.4 S.フォーリー 池江泰寿 (有)キャロットファーム
第57回 2017年1月15日 中山 2000m コマノインパルス 牡3 JRA 2:02.5 田辺裕信 菊川正達 長谷川芳信
第58回 2018年1月14日 中山 2000m ジェネラーレウーノ 牡3 JRA 2:01.2 田辺裕信 矢野英一 (株)Gリビエール・レーシング
第59回 2019年1月14日 中山 2000m ラストドラフト 牡3 JRA 2:01.2 C.ルメール 戸田博文 (有)社台レースホース
第60回 2020年1月19日 中山 2000m クリスタルブラック 牡3 JRA 2:02.1 吉田豊 高橋文雅 岡田勇
第61回 2021年1月17日 中山 2000m グラティアス 牡3 JRA 2:03.1 C.ルメール 加藤征弘 (株)スリーエイチレーシング
第62回 2022年1月16日 中山 2000m オニャンコポン 牡3 JRA 2:01.3 菅原明良 小島茂之 田原邦男
第63回 2023年1月15日 中山 2000m ソールオリエンス 牡3 JRA 2:02.2 横山武史 手塚貴久 (有)社台レースホース
第64回 2024年1月14日 中山 2000m ダノンデサイル 牡3 JRA 2:00.5 横山典弘 安田翔伍 (株)ダノックス
第65回 2025年1月19日 中山 2000m ニシノエージェント 牡3 JRA 1:59.9 津村明秀 千葉直人 西山茂行

脚注

注釈

  1. ^ 当時の格付表記は、JRAの独自グレード。

出典

  1. ^ 2023 International Cataloguing Standards Book - Part I Japan”. 国際セリ名簿基準委員会. 2023年9月10日閲覧。
  2. ^ a b c d 重賞競走一覧(レース別・関東)” (PDF). 日本中央競馬会. p. 2. 2025年1月7日閲覧。
  3. ^ a b c d 2025年第1回中山競馬番組” (PDF). 日本中央競馬会. 2025年1月7日閲覧。
  4. ^ 2025年度第1回中山競馬特別レース名解説(第5日)” (PDF). 日本中央競馬会. p. 3. 2025年1月7日閲覧。
  5. ^ a b c d e f g h i j k 歴史・コース:京成杯 今週の注目レース”. 日本中央競馬会. 2025年1月13日閲覧。
  6. ^ 中央競馬指定交流競走に出走する地方競馬所属馬の決定方法(2025年度春季競馬)” (PDF). 日本中央競馬会. 2025年1月7日閲覧。
  7. ^ 重賞競走一覧(レース別・関東)(2015年)” (PDF). 日本中央競馬会. p. 2. 2016年5月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年1月12日閲覧。
  8. ^ 1月16日(土曜)からの首都圏の競馬場とウインズ等の営業”. 日本中央競馬会 (2021年1月9日). 2021年1月9日閲覧。

各回競走結果の出典

外部リンク


京成杯

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/12 22:54 UTC 版)

タカイホーマ」の記事における「京成杯」の解説

2月末に関東地区でようやく競馬再開こぎつけると、本来は1月行われる京成杯(1600メートル)が3月19日中山競馬場行われた。この競走には、前年関西3歳チャンピオンで5連勝中のヒデハヤテ遠征してきたため、関東牡馬一流馬は軒並み出走回避してしまった 。出走馬はわずか7頭、ヒデハヤテ単勝支持率74%の圧倒的な人気集めた。7頭の中に牝馬は2頭、タカイホーマキョウエイグリーンがいた。 5番人気タカイホーマ序盤こそ2番につけたものの、まもなく最後方に下がった3番人気キョウエイグリーンは、逃げヒデハヤテ競り合う形で先頭を争う格好になり、1ハロン11秒台から12秒フラットとなるハイペース作り出した。 第4コーナーまわって最後直線入りヒデハヤテスパートすると簡単に後続離し追いかけていたキョウエイグリーン失速した。ヒデハヤテゴール前で手綱抑える余裕があった。それでも関東の有力馬よりも早いタイム優勝したキョウエイグリーン最下位となったタカイホーマ最後直線だけで追い込んで4着に入ったタカイホーマ走破タイムは1分36秒7で、牝馬としてはかなり好タイムだった。

※この「京成杯」の解説は、「タカイホーマ」の解説の一部です。
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