小西一男とは? わかりやすく解説

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小西一男

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/11/01 12:07 UTC 版)

小西一男
基本情報
国籍 日本
出身地 千葉県
生年月日 (1955-09-30) 1955年9月30日(70歳)
騎手情報
所属団体 日本中央競馬会(JRA)
所属厩舎 中山白井美浦・柴田欣也(1974 - 1980)
美浦・小西登(1980 - 1983)
美浦・フリー(1983 - 引退)
初免許年 1974年
免許区分 平地
騎手引退日 1989年12月31日
通算勝利 1362戦92勝
調教師情報
初免許年 1990年1991年開業)
経歴
所属 美浦T.C.
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小西 一男(こにし かずお、1955年9月30日 - )は、千葉県出身の元騎手・現調教師

父は元騎手・元調教師の小西登。

娘は自厩舎に所属していた騎手であった田辺裕信のバレットを務めている小西由紀。

来歴

父・登は中山・岩佐宗五郎厩舎の騎手で、一女一男の長男として生まれる[1]。物心がつく前の2、3歳の頃から馬の背に登に乗せてもらっていたため、馬の世界で生きる以外は空想すらしなかった[1]

父・登は太平洋戦争末期の1944年に騎手デビューするも、兵役で中途で放棄させられ、終戦後の10年間は実家の手伝いなどを余儀なくされたため実働僅か1年余り、通算66戦0勝という成績に終わっていた[2]。現役未勝利であった自分の代わりに一男がレースで躍動することを望み、息子の騎手願望に対し反対は全くしなかった[2]

市川市立若宮小学校、市川市立第四中学校を終了して入所した[2]馬事公苑長期騎手候補生22期生の同期には池添兼雄加藤和宏佐々木晶三佐野清広西園正都根本康広らがおり、全12人が一部屋に皆で雑魚寝し、朝の起床から夜の就寝まで、びっしりと団体行動であった[3]

佐々木と共に騎手試験には一回で合格し[4]、1974年に中山白井・柴田欣也厩舎からデビュー[5]

1年目の1974年には3月2日の中山第1競走4歳以上100万下・ヒシリキス(7頭中6着)で初騎乗を果たし、2戦目となる同10日の中山第1競走4歳以上100万下・ヒシリキスで初勝利を挙げる[6]

ヒシリキスは元々気性の激しい馬であったが、調教で乗っている時と背中の動きが違ったため、小西にとってデビュー日は「生半可な気分では絶対この世界やっていけないな」と目覚めた日になった[4]

ヒシリキスの体の使いこなしのダイナミックさに驚いたが、初勝利は同じ中山ダート1700mの連闘となった[5]

デビュー1週間後に初勝利をあげ、父・登が手にできなかった勝ち鞍を手にした一男であるが、重賞勝利などの特筆すべき実績を挙げるには至らず、騎手として大成できなかったのは「環境面でうんぬん言う以前の適性だった」と後に述べている[5]

初年度は6勝、2年目の1975年には5勝、3年目の1976年には11月20日21日福島で初の2日連続勝利[7]を記録するなど初の2桁勝利となる13勝をマーク[8]

1977年福島記念ではスカイダイバーでディアマンテの2着[9]に入り、登が一男の騎手デビューに発奮して調教師免許を取得し、厩舎を開業。

1980年には登の要望により父の厩舎に移籍し[5]1月7日の中山で初の1日2勝[10]を挙げるなど、4年ぶりの2桁勝利となる10勝[8]をマーク。

1982年には茨城東京大学農学部付属牧場[11]生産馬のベルワイド産駒タケデンフドーでクラシックに挑戦し、抽選で出走枠に入った[12]皐月賞は21頭中14番人気ながら4着に健闘すると、初出走で「東大に入るより難しい」と讃えられた[13]東京優駿ではゲートの中で「こんな凄いレースは、絶対他にない」と思ったが[5]、レースで良いところはなく[5]、20着と大敗[14]

フリーとなった[5]1983年にはキタノカチドキ産駒マサノカチドキでダイヤモンドステークス3着[15]に入り、シンボリルドルフがデビューした7月23日新潟では初の1日3勝[16]を挙げるなど3年ぶりの2桁で自己最多の13勝[8]をマークするが、結局この年が最後の2桁勝利[8]となった。

ローカル開催では増沢末夫と一緒になり、食事に連れて行ってもらうなど常に接する時間があったほか、岡部幸雄と何度も話をすることができた[17]

1987年にはジャパンカップデーの11月29日東京第7競走白樺湖特別をファーストコール[18]1989年にはダービーデーの5月28日に東京第2競走4歳未勝利をサファイヤダンサーで勝利[19]

1989年11月18日の東京第4競走4歳以上400万下をサンエイソロン産駒ヨツヤシャルダン[20]で勝ったのが最後の勝利となり、12月23日の中山第3競走3歳新馬・ホッカイジョイナー(16頭中16着)を最後に現役を引退[21]

4度目の挑戦で調教師免許に合格した一男は1991年3月、定年退職した鈴木勝太郎厩舎を継ぐ形で美浦に開業。3月2日に初出走、同年6月23日に初勝利を挙げる。

1994年には管理馬から重賞ホルダー、GI出走馬を輩出。この他1990年代には中央・地方双方で活躍馬を擁し、1993年から2010年にかけ毎年2桁勝利を維持し続けている。

騎手成績

日付 競走名 競馬場 馬名 頭数 人気 着順
初騎乗 1974年3月2日 アラブ4歳未勝利 中山 ヒシリキス 7 - 6着
初勝利 1974年3月10日 アラブ4歳未勝利 中山 ヒシリキス - - 1着
重賞初騎乗 1974年6月16日 セイユウ記念 中山 ヒシリキス 15頭 6 3着
GI級初騎乗 1982年4月18日 皐月賞 中山 タケデンフドー 20頭 14 4着
  • 通算1362戦92勝

調教師成績

日付 競馬場・開催 競走名 馬名 頭数 人気 着順
初出走 1991年3月2日 2回中山3日2R 4歳未勝利 ミニヨン 16頭 11 11着
初勝利 1991年6月23日 1回福島4日3R 4歳未勝利 サロマブルー 10頭 2 1着
重賞初出走 1994年2月19日 1回東京7日11R フェブラリーS トモエボンバー 16頭 9 7着
重賞初勝利 1994年11月12日 5回東京3日11R 京成杯3歳S ゴーゴーナカヤマ 11頭 2 1着
GI初出走 1994年5月22日 3回東京2日10R 優駿牝馬 マイネマジック 18頭 12 5着

主な管理馬

※括弧内は当該馬の優勝重賞競走、太字はGI級競走。

参考文献

脚注

  1. ^ a b 木村幸治『調教師物語』(洋泉社、1997年)ISBN 978-4896912920、p205。
  2. ^ a b c 『調教師物語』、p206。
  3. ^ 【2】同期12人で朝から夜まで共同生活 息抜きは…”. 東スポ競馬 (2022年4月13日). 2025年10月31日閲覧。
  4. ^ a b 『調教師物語』、p207。
  5. ^ a b c d e f g 『調教師物語』、p208。
  6. ^ 小西一男の騎手成績|競馬データベース - netkeiba.com”. netkeiba.com. 2025年10月31日閲覧。
  7. ^ 小西一男の騎手成績|競馬データベース - netkeiba.com”. netkeiba.com. 2025年10月31日閲覧。
  8. ^ a b c d 小西一男”. netkeiba.com. 2025年10月31日閲覧。
  9. ^ スカイダイバー”. netkeiba.com. 2025年10月31日閲覧。
  10. ^ 小西一男の騎手成績|競馬データベース - netkeiba.com”. netkeiba.com. 2025年10月31日閲覧。
  11. ^ ホーム | 東京大学大学院農学生命科学研究科附属牧場”. www.bokujo.a.u-tokyo.ac.jp. 2025年10月31日閲覧。
  12. ^ 茨城県で交差する 最高学府と競馬の意外な縁 - 日本経済新聞”. www.nikkei.com. 2025年10月31日閲覧。
  13. ^ 東京大学”. x.com. 2025年10月31日閲覧。
  14. ^ タケデンフドー (Takeden Fudo)”. netkeiba.com. 2025年10月31日閲覧。
  15. ^ マサノカチドキ (Masano Kachidoki)”. netkeiba.com. 2025年10月31日閲覧。
  16. ^ 1983年07月23日のレース情報”. netkeiba.com. 2025年10月31日閲覧。
  17. ^ 『調教師物語』、p209。
  18. ^ 1987年11月29日のレース情報”. netkeiba.com. 2025年10月31日閲覧。
  19. ^ 1989年05月28日のレース情報”. netkeiba.com. 2025年10月31日閲覧。
  20. ^ ヨツヤシャルダン (Yotsuya Chardon)”. netkeiba.com. 2025年10月31日閲覧。
  21. ^ 小西一男の騎手成績|競馬データベース - netkeiba.com”. netkeiba.com. 2025年10月31日閲覧。
  22. ^ ペイシャエス”. www.jbis.or.jp. 2022年12月8日閲覧。

関連項目




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