零 -刺青ノ聲-
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/29 14:49 UTC 版)
『零 -刺青ノ聲-』(ゼロ しせいのこえ)は、零シリーズの第3作目(通算では5作目)である。アドヴァタイジングスローガンは「侵蝕する恐怖」「THE FEAR THAT SPREADS.../EL MIEDO SE EXTIENDE...」など。 直訳の韓国版を除いた日本国外版名はFATAL FRAME III THE TORMENTED、project zero 3 THE TORMENTEDなどで、北米版ではPlayStation 3向けダウンロード版も配信されている。 黒澤怜、雛咲深紅、天倉螢の3名が主人公。舞台は眠りの家と呼ばれる悪夢の中の広大な廃屋敷と、怜たちが暮らしている現実世界の近代住宅。ストーリーは全14章。 3人をそれぞれで独立している章ごとに操作し、悪夢と現実を行き来しながら進めていくが、次第に境界が曖昧になり現実世界にも霊が侵食してくる恐怖が特徴で、目覚めるたびに濃く広がっていく謎の刺青の呪いからの解放を目指す。 各主人公には「固有能力」が用意されており、怜は一時的な無敵回避技の「フラッシュ」、深紅はスロー効果をもたらす「御神石のお守り」と固有のタメ攻撃「重(チャージショット)」、螢はマップ内の要所に回避する手段「隠れる」などを駆使できる。加えて深紅は最も小柄な身体という設定から床下などの狭い空間を『II DIRECTOR'S CUT』の「FPSモード」のように侵入したり、螢は体力に勝るという設定から障害物をどかしたり建物間を飛び移れる場面がある。 今作では終盤になると悪夢の世界が瘴気に包まれ画面がモノクローム化し、限定的な登場だった絶対霊の「刺青の巫女」が高確率のエンカウンター制に変わって先々に出現するようになるため、各地に点在している「祓いの灯火」という消耗アイテムを探して炎の勢いを補充しモノクロ化を回避する必要に迫られるというタイムリミット・サスペンス的な展開も追加される。また、前作『zeroおよび紅い蝶シリーズ』の事件にかかわった人物・舞台・血縁者などが悪夢の中に様々な役割で再登場してもいるため、前作の主人公などが「もう終わったはずなのに」のように体験している不安や既視感覚を、前作を遊んだことがあるプレイヤー自身も同様に感じるという要素も含まれている。 射影機については、フィルムの装填時間差が廃止され、どのフィルムでも平時からの連写が可能となり、霊力ゲージの充填速度も「零式」(最も遅い)を除いて一律化された。 レベルアップの方法についても「念珠」を廃止したポイント制のみに単純化され、基本性能は霊力ゲージ(梵字)が増える「最大値」、霊波計の直径が広がる「範囲」、霊力ゲージの充填速度の上昇&射程距離が伸びる「感度」の3つとなっている。 ただし、射影機は3人の主人公それぞれで個別に所持しているが、獲得した撮影ポイントは共有制で、フィルムは逆に「六一式」以上の物は取得者に固定化されるため、どの主人公の射影機から優先してレベルアップさせるのか、または強いフィルムを回収させるのかなど、キャラ毎の相性や必要性を踏まえつつ各章の中ボス戦や最終ボスに向けた戦略が重要となっている。 劇中歌の「鎮メ唄」は担当者・齋藤による楽曲。 細かい点では、浮遊霊の撮影ポイントが再び固定制に戻り、ゲーム内の霊リストにナンバリング「1 - 217」が振られ、前作では灯篭だった場所(役割)に相当するセーブポイントが「行灯」になった。 複数セーブを心がけていないとやり直しがきかなくなる深刻なエラーについては#注意点、バグ、不具合を参照のこと。 ボックスアート(以下BA)は右肩を掴まれている怜が描かれたデザイン。 限定、特典「History of "Project Zero" 〜黒澤レポート〜」: リリース当時の予約特典で配布された映像ディスク&設定資料集のセット。 移植、廉価版、配信『零 -刺青ノ聲- PlayStation 2 the Best』(ゼロ しせいのこえ プレイステーション・ツー ザ・ベスト): 日本の廉価版で、新旧2種類が存在する。 『FATAL FRAME III THE TORMENTED』(フェイタル フレーム スリー ザ・トーメンテッド): 北米版でパッケージとDLの2種が存在。BAおよびアイコンは公式配布壁紙「まどろみ」と「涯(はて)の岸」を合成したようなデザインで、水面に伏せる怜と「刺青の巫女(久世零華)」が描かれている。 『project zero 3 THE TORMENTED』(プロジェクト・ゼロ・スリー ザ・トーメンテッド): 欧州・豪州版。BAは北米版とほぼ同一だが、背表紙の左下部に販売国それぞれの国旗が印刷されている。全ての欧州版のDVD-ROMレーベル面上ではUSKとBBFCのレイティングが印刷(表記)されている。イギリス版などのPS2公式サイト上ではPEGI 18/2010年版が使われている。 『零 -문신의 목소리-』(チェロ ムンシン イ モクッソリ): 韓国版。BAは日本版とほぼ同一で副題飾り線内に直訳を差し替えて印刷している。内容は韓国語に翻訳されている。 音楽、書籍天野月子(現天野月)『聲』ポニーキャニオン、2005年7月27日発売、PCCA-70119: マキシシングル。テーマソング兼エンディングテーマ。原曲としては同レーベルのアルバム『A MOON CHILD IN THE SKY』や、音倉レコード『デラックスカタログ』『カタログ』などにも収録されている。 『零 -刺青ノ聲- 公式完全攻略本 導魂之書(どうこんのしょ)』エンターブレイン、2005年10月19日。ISBN 4-7577-2498-5。https://www.enterbrain.co.jp/product/strategy_guide_book/kou_ps2/05189401。
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