零 濡鴉ノ巫女
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/29 14:49 UTC 版)
『零 濡鴉ノ巫女』(ゼロ ぬれがらすのみこ)は、零シリーズの第6作目(通算では9作目)である。コンセプトは「Wii Uで体感する濡れる恐怖」。アドヴァタイジングスローガンは「死の山、幽婚、神隠し すべては水でつながっている。」「The Fatal Frame series lives again」など。 日本国外版名はFATAL FRAME Maiden of Black Water、PROJECT ZERO MAIDEN OF BLACK WATERなど。日本版とは異なり一部の限定版を除いてダウンロード販売のみだが、日本版には無いフリートゥプレイ版が配信されている。 約7年後には菊地の「現行機でなるべく多くのファンに遊んで欲しい」という願いからリマスター版として計6機種向けにマルチプラットフォーム化された。 不来方夕莉、雛咲深羽、放生蓮の3名が主人公。舞台は日上山という丸ごと1つの山と、密花と夕莉が営業しているカフェ兼骨董屋。ストーリーは全16+4章。 本作では射影機がGamePadに見立てて開発されており、実際にカメラを使っているような操作が体感出来るようになっている。 シリーズ初登場となった以下の要素も特徴である。 濡れメーター/夜泉濡(よみぬれ) 『刺青ノ聲』における「瘴気と祓いの灯火」に似たシステムで、雨などのマップ演出および水没している地形などのギミックによる影響や戦闘でのダメージなどで増え、屋内への退避や時間経過による乾きなどで減るゲージ要素。 濡れ具合に比例して射影機戦での与ダメージ量が増していくメリットがある反面、怨霊との遭遇確率や被ダメージ量も上がってしまうデメリットがある。 また、今作では「夜泉濡」という黒く変色した状態の怨霊が存在し、特定の攻撃を受けると主人公側も夜泉濡状態となって防御力の低下・体力メーターの減少・視界の悪化などがプラスされてしまうため、消耗アイテムの「清めの火」を使うなどして脱する必要に迫られる。 看取り 怨霊を倒すと発生する演出で、怨霊ではなかった生前の過去を追体験するシステム。 影見(かげみ)/寄香(よすが)/残影(ざんえい) コントローラ操作で可能な行動。日誌や遺髪などの特定のアイテムから持ち主の記憶を読みとり、その軌跡を残像として追うことが出来る。射影機を使って指定場所の写真を撮影して追跡する場合もある。 バトルについては、怨霊を撮影する毎に「霊片」という破片が飛び散るようになり、それらをファインダーに収めた数が多いと与ダメージが増える仕様になったため、フェイタルフレームを狙って特定の行動パターンを始めるまで防戦する「待ち戦法」が定石だった過去作とは異なり、積極的に撮影して手数で押す「攻め戦法」の有効性が増した。 射影機には夕莉、深羽の使う単眼の射影機と、蓮が使う連写機能のある複眼射影機が登場する。また、射影機での撮影時、深羽には彼女の固有能力として一時的に時の流れを緩やかにする「スロー撮影」ができる。射影機のレベルアップ法は『月蝕の仮面』以外のシリーズ通例である撮影ポイント共有制。基本性能は攻撃の射程距離が長くなる「感知」、フィルムチャージ時間が延びる「充填」、与えるダメージが増える「出力」、霊力を吸収する効率が上がる「吸収」の4つで、蓮の使う複眼射影機の場合「吸収」の代わりに、連写撮影時の撮影間隔とが短くなり、スロー効果のある「速写」の性能となっている。単眼の射影機を持つ夕莉、深羽と、複眼射影機の蓮では射影機の強化に使うポイントが共有なので、どの射影機にポイントを振るかも考えどころである。 フィルムは、霊波計(梵字)のチャージ時間がフィルムの種類と難易度によって変化し、装填時間差は六一式が一番遅く九〇式が一番速くなっている。またアイテムCGが『月蝕の仮面』以前の右ななめ向きだったものをベースにリニューアルされた。 強化レンズ・内蔵部品システムについては、後者の「強化装置」は一度装備すると単眼と複眼射影機の両方に反映されるが、強化レンズは単眼の射影機でしか使えない。 また、今作では章の区切りがミッションモードのそれと同義であり、フィルムや消耗アイテムは次章に引き継がれない使い切り制で、セーブも自動で行われる通過ポイントチェック制になった。 クリア後の特典では、『II DIRECTOR'S CUT』以来となるコラボとしてTeam NINJA監修による『DOA5』シリーズ以降のモデリングをベースにしたあやねが登場するミッション「綾」が用意されており、『刺青ノ聲』における天倉螢の固有能力に似たスニークアクションが楽しめるモードとなっている。追加コスチュームやアクセサリーには、エンディング曲に影響する白無垢、ウサギ耳&尻尾、日本版のみのグラビア水着、日本国外版のみの任天堂コラボ系などがある。 ボックスアート(以下BA)は逆さまで向かい合って横たわる夕莉と深羽が描かれ、DL版のアイコンは夕莉の設定画を流用したデザイン。 音楽、書籍AnJu『HIGANBANA』SPACE SHOWER MUSIC、2014年9月24日配信、同年10月8日発売: 夕莉を追加コスチューム「白無垢」以外でクリアした場合や、リマスター版で後述のアイテムを装備しない状態でのエンディング曲。天野月以外でシリーズ初となるタイアップで、デジタル・ダウンロード版(以下DL版)とマキシシングル版の2種でリリース。 天野月『鳥籠-in this cage-』COCOON、DL版シングル/2014年9月24日配信、収録アルバム『ごもくならべ』KURA-0058/同年9月20日限定先行販売&同年10月1日一般発売: 2周目以降に夕莉を追加コスチューム「白無垢」でクリアした場合や、リマスター版でアイテム「鳥籠の指輪」を装備した状態でのエンディング曲。前述の通りCD-DAとしてのシングルがリリースされないのは、『月蝕の仮面』の「NOiSE」、『眞紅の蝶』の「くれなゐ」に続いて3度目となる。 『零〜濡鴉ノ巫女〜 コンプリートガイド』コーエーテクモゲームス、2014年11月29日。ISBN 978-4-7758-0943-3。https://www.gamecity.ne.jp/media/book/game/zero/zero-wiiu_CG.htm。 移植『FATAL FRAME Maiden of Black Water』(フェイタル フレーム メイデン・オブ・ブラック・ウォーター): 北米・豪州版。前述のフリートゥプレイ版や追加コスの有無などが大きな相違点。アイコンのデザインは日本版BAの流用。 『PROJECT ZERO MAIDEN OF BLACK WATER』(プロジェクト・ゼロ メイデン・オブ・ブラック・ウォーター): 欧州版。同上。アイコンは「黒い着物の女」が描かれたデザイン。『PROJECT ZERO MAIDEN OF BLACK WATER Limited Edition』(…リミテッド・エディション)欧州の初回限定パッケージ版。BAは日本版の流用。
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