道路・線路とは? わかりやすく解説

道路・線路

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/17 17:27 UTC 版)

クロソイド曲線」の記事における「道路・線路」の解説

例えば、自動車の運転において、運転者一定の走行速度で、ハンドル一定の角速度回していった場合自動車走行した軌跡クロソイド曲線を描く。もし、直線道路円弧状のそれが直接接続されると、その地点曲率半径変化不連続生じて自動車ならば急なハンドル操作を、自動二輪車ならば車体急な倒し込みを、それぞれ行わなければ円周上を辿れない。すなわち、躍度急増で、乗員積み荷危険に曝される。そのために、直線円弧とを繋ぐ中間クロソイド曲線等の緩和曲線挿入される。この緩和曲線沿って運転者に取って好ましい、ハンドル滑らかに等速回転する運転操作行えば自動車走行路線長の最短通り2次微分連続( C 2 {\displaystyle C^{2}} 連続)で変曲点のない一定の曲率の線上を、回転揺れなく走行できる。つまり、クロソイド曲線とは、慣性航法理想軌道上走行する消費エネルギー最小にする経路である。既述通りクロソイド曲線容易なハンドル操作のために道路等に利用されているが、クロソイド曲線区間が短過ぎると、これも運転者に無理なそれを強いることになってしまう。安全なハンドル操作のためには、クロソイド曲線区間走行時間が3秒以上とならなければならないクロソイド曲線は、ドイツ第一次世界大戦後復興象徴となるアウトバーン建設で、総監督を務めたフリッツ·トートによって道路線形として世界で最初に採用された。日本においては、同曲線1952年国道17号三国峠付近区間改良する際に初め導入された。 この峠の群馬県側には記念碑クロソイド曲線碑』が建てられている。 クロソイド曲線日本の道路本格的に採用され始めたのは、フリッツ·トート監督したアウトバーン建設従事していた経歴持ち世界銀行提案発端となって名神高速道路建設技術顧問として来日滞在したフランツ・クサーヴァー・ドルシュによる平面線形の主要線形要素における採用契機である。その後は、同曲線は、道路のみならず曲率半径小さ地下鉄等に用いられている。なお、在来線には3次放物線が、新幹線には半波長正弦逓減曲線が、それぞれ用いられている。 クロソイド曲線は、設計シミュレーション段階から電子計算活用して多用されている。 スプライン系の曲線比較するデータ点数変数大幅に少ないので、電子媒体使用容量増加防いでコンピューターネットワーク負荷大きく減少させる利点もあって、ADAS(先進運転システム)の高度化車両の超短期開発最前線で、各種アクティブ制御高度化基本関数となっている。同時に道路アップダウン情報縦断勾配(設計値は放物線軌道数式を採る)や横断勾配(カント)の摺り付け拡幅量の摺り付け路面凹凸三次元座標凍結路面状況風速等の気象環境渋滞状況報知予測データ使用した C O 2 {\displaystyle {\rm {{CO}_{2}}}} 排出量の削減転覆防止等の安全運転支援・車制御前照灯傾き制御使われている。 カーナビゲーションシステム使用されている折線3次元データから車載コンピューターリアルタイム曲率計算してこれらの用途利用する動向在る。しかし、現実道路中心線形は建設時に5cmから1mほどの製造誤差があり、しかも、直線円弧クロソイド曲線放物線複雑な組み合わせから構成されているために、車載コンピューター逆問題精度良く高速に解く自動計算による線形復元において安全運転支援の目的走行時の安定的な計算値を保証することが大変困難である。リアルタイム処理ではない事前前処理超高速データベース線形データ格納するためのオーサリング欠かせないかつてはクロソイド曲線平面図に描く際には X {\displaystyle X} 軸の一定間隔毎に Y {\displaystyle Y} 軸の数値収録したクロソイド表を参照してプロットしたいくつかの点を雲形定規専用クロソイド定規用いて繋ぐ等し仕上げていたが、現在はCADをはじめとした種々のソフトウェア普及してからは容易に描けようになったADAS用途デジタル地図としては、HERE Electronic HorizonSANEI Virtual Orbit (仮想軌道)が良く知られている。クロソイド曲線デジタル地図走行路データとして活用している自動車開発検査用途CAEソフトウェアとしては、CarSim・veDYNA・Simulink・VT2000・AdamsAVL InMotion等のように数多在る。このデジタル地図各種通信ネットワークから受信しデジタル地図走行路を前読みしてリアルタイム制御する試み活発になりつつあることや、高速走行になるほどに変曲点および運転時のハンドル回転揺れがないなどの有利な実用的軌道特性を持つことから、将来的には自動運転基盤地図要素としての利用期待される

※この「道路・線路」の解説は、「クロソイド曲線」の解説の一部です。
「道路・線路」を含む「クロソイド曲線」の記事については、「クロソイド曲線」の概要を参照ください。

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