走行路
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/12 07:07 UTC 版)
コントロールライン 周回の基準となる線。このラインを通過してから次に通過するまでのタイムをラップタイムと呼ぶ。周回の終わりのことをフィニッシュラインと呼ぶが、ほぼ同義。後述するスターティンググリッドは、4輪と2輪で位置が違う場合もある。 グリッド 静止した状態からスタートするレースのために、スタート位置を定義する枠(マーク)。それぞれの列は「ロウ」(row) と呼ばれ、特に先頭部分の枠は「フロントロー(フロントロウ)」と呼ばれる。スタンディングスタートで開始されるレースではフォーメーションラップを行うことが慣例とされているが、フォーメーションラップ開始前にはダミーグリッド、終了後をスターティンググリッドと呼ぶ。ローリングスタートで開始されるレースでは、単にスターティンググリッドと呼ぶ。 ストレート ほとんどの場合、コントロールラインがある位置は長い直線路になっている。この直線路をメインストレートあるいはホームストレートという。また、メインストレート以外で最も長いストレートを指して、バックストレートと呼ぶこともあり、コースレイアウトによってはメインストレートよりも長い場合もある。それぞれ「メインストレッチ」、「バックストレッチ」といった呼び方もある(ストレッチ=「伸びた(直線)」)。ただし、中には鈴鹿サーキットの西ストレートやサルト・サーキットのユノディエールのように途中にわずかな曲線を持つものや、ホッケンハイムリンクのパラボリカのように全体的に緩やかにカーブしているものもある。この場合でも、直線路と同じようにスロットルを全開に出来るためストレートと呼ばれる。 コーナー 「角」という意味で、いわゆるカーブのことである。ターン (turn) あるいはベンド (bend) とも呼ばれる。サーキットによりコーナー毎に名前がついていたり、あるいは単に番号で呼ばれたりする。大きさは30R、200Rなどと曲率 (R) でされ、Rが小さいほどタイトな低速コーナーとなる。いくつかの異なるRで構成されるコーナーを「複合コーナー」という。また、形状を「ヘアピン」「スプーン」「S字」などと表現することもある。シケイン スピードの抑制(減速)を促すことが目的の、間隔の狭い複数の曲率半径を持つ小さな複合コーナー。その多くはストレートあるいはコーナー途中にクランク状で設置される。常設と選択式とがあり、選択式は本来のコースから分岐して再度合流するよう設置されていて、主催者がレースに応じてどちらを通るか(シケインを利用するかしないか)を決定する。 バンク スピードを落とさずに曲がることが出来るようにするため、コーナーの外側をすり鉢状に迫り上げた傾斜のこと、及びそのようなコーナーのこと。オーバルトラックでは全コーナーがこれで形成されている。ときにはバンク角が45度を超えるバンクも存在する。斜面を舗装する技術が確立される以前は木製板張りのもの(ボードトラック)もあった。また、オーバルコースそのものをバンクと呼ぶこともある(競輪などでこの傾向がある)。通常のコーナーでも緩くバンクが付けられていることも多い(水はけ等の理由もある)。なお、「逆バンク」は鈴鹿のそれが有名だが、これはほぼ水平であることから逆にバンクが付いているように感じられる、という意味でそう呼ばれるようになったもので、必ずしも一般的な名称ではない。 縁石 コースとランオフエリアの境界を示す踏み板で、おもに車両が切れ込むコーナーの内側と、車両が立ち上がっていくコーナーの外側に設置される。サーキット用のものは視認性を高めるよう2色に塗り分けられている。表面に凸凹が刻まれていたり、ソーセージ型に膨らんでいる場合もあって、縁石を踏んでしまうことでスピンや車体の破損を招くことがある。 インフィールドセクション 本来のコースの内側に延伸された地帯のこと。多くの場合は、本来単純な形状であったサーキットの内側に、複雑な形状のコースを延伸して作られる。そのため外周にあたるコースに比べてスロットル全開区間が短く、ドライバーの技量が問われるとされている。オーバルコースのインディアナポリスや、飛行場が前身のシルバーストンのように、単純な形状のものに増設されて設置されることが多いが、インテルラゴスのように、逆にインフィールドセクションが大幅に短く改修されたこともある。
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