踊る大捜査線 歳末特別警戒スペシャル
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『踊る大捜査線 歳末特別警戒スペシャル』(おどるだいそうさせん さいまつとくべつけいかいスペシャル)は、1997年12月30日にフジテレビで放送された踊る大捜査線シリーズのスペシャルドラマ。
ストーリー
1997年12月29日、年末の湾岸署は多忙を極めていた。恩田すみれや真下正義、晴れて湾岸警察署に配属された柏木雪乃たちは、年末で多発する事件や忘年会の準備に追われていた。その頃、警察庁の警備局警備第一課長となっていた室井慎次は、移動中の車内から海外の要人の警護を失敗して叱られる青島俊作を目撃した。青島は3月の不祥事の責任を取り、杉並北警察署へ異動していた。室井は青島が湾岸警察署へ復帰していないことを知り、自身の部下である内田晋三を杉並北署へ向かわせ、青島を湾岸警察署へ復帰させた。青島はひょいと現金輸送車を強襲した犯人を捕まえ、湾岸署へ約半年ぶりに帰った。だが、袴田健吾をはじめ、各課長らは青島を引き取ることを拒んだ。また、3月に定年退職した和久平八郎も、半ば強引に指導員として湾岸署に復帰させられていた。
1997年12月30日、青島は交通課に配属となり、渋々ながら業務を始める。しかし、自分の仕事をそっちのけで小学校で発生した傷害事件に首を突っ込むという勝手な行動を取り、署内でたらい回しにされる羽目になる。そんな中、湾岸警察署管内北見繭の父親が殺害される強盗殺人事件が発生。北見は失語症を発症しており、雪乃に寄り添われていた。その後、湾岸警察署に特別捜査本部が設置され、指揮官として室井の後任である警視庁捜査第一課の新城賢太郎管理官が派遣されてくる。その後も傷害事件を一人で追っていた青島は、杉並北署の篠原浩三の元で制作していた犯人のデータベースを元に犯人を探していた。その末、生活安全課で事情聴取した鏡恭一をその犯人として逮捕する。
1997年12月31日、青島がピーポーくんの着ぐるみを着て警察のイベントに出席していると室井が会いに来る。室井も青島と同様に捜査ができない立場にいた。一方、湾岸署では外国人スリグループの検挙やすみれが身分を偽って交際している藍原誠治、そして魚住二郎の妻で不倫疑惑がある魚住アンジェラが会いに来るなどと大わらわだった。鏡は刑事課に引き渡され、真下が取り調べを行う。しかし、途中真下が席を外した隙に、鏡の姿が見えなくなる。そして次の瞬間、課長席にいた袴田に、別件の証拠品である猟銃を突き付け、「動くな」と恫喝する鏡。なんと鏡は袴田らを人質に取り、刑事課フロアに立てこもってしまった。真下は部屋の扉を閉めるという名目で外へ逃げ、秋山晴海副署長らも外にいた。鏡は人質の中で一番偉い人物を尋ねると、神田総一朗署長は袴田に責任を押付け、袴田は人質に取られ続けた。鏡は薬物と車を要求し、強盗殺人事件の犯人であることも自供した。その後、湾岸署にSATの草壁中らが突入し、鏡を逮捕した。すみれは藍原に別れを告げ、魚住とアンジェラは互いに愛し合っていた。そこに窃盗事件の通報が入り、青島は待機していると、袴田に行くよう言われ、事実上青島は刑事課に復帰することになるのだった。
キャスト
踊る大捜査線シリーズの登場人物一覧も参照のこと。
- 青島俊作(杉並北署刑事課捜査資料室・巡査部長 → 湾岸署・巡査部長)- 織田裕二
- 室井慎次(警察庁警備局警備第一課課長・警視) - 柳葉敏郎
- 恩田すみれ(湾岸署刑事課盗犯係・巡査部長) - 深津絵里
- 柏木雪乃(湾岸署交通課・巡査) - 水野美紀
- 袴田健吾(湾岸署刑事課課長・警部) - 小野武彦
- 魚住二郎(湾岸署刑事課強行犯係係長代理・警部補) - 佐戸井けん太
- 真下正義(湾岸署刑事課強行犯係係長・警部) - ユースケ・サンタマリア
- 島津(警視庁生活安全部部長・警視長) - 浜田晃
- 秋山晴海(湾岸署副署長・警視)- 斉藤暁
- 中西修(湾岸署刑事課盗犯係係長・警部補)- 小林すすむ
- 森下孝治(湾岸署刑事課強行犯係刑事見習い・巡査部長)- 遠山俊也
- 緒方薫(湾岸署地域課・巡査部長)- 甲本雅裕
- 山下圭子(湾岸署交通課・巡査長) - 星野有香
- 神田総一朗(湾岸署署長・警視正) - 北村総一朗
- 湾岸署生活安全課長 - 石井愃一
- 高橋(湾岸署 交通課長) - 田山涼成
- 湾岸署警務課長 - 山崎一
- 藤島仁(湾岸署 地域課長) - 山崎大輔
- 権田原賢一(寿司屋「和之竹」の大将) - 六平直政
- 池神静夫(警察庁 警備局長) - 津嘉山正種
- 町屋忠正(警視庁 警備部長)- 辻萬長
- 警察庁長官 - 児玉謙次
- 警察庁次長 - 戸沢佑介
- 湾岸署会計課長 - 池田武志
- 警察庁刑事局局長代理 - 奈良坂篤
- 渡辺葉子(湾岸署交通課・巡査) - 星川なぎね
- 吉川妙子(湾岸署交通課・巡査) - 児玉多恵子
- 武(湾岸署刑事課盗犯係・巡査) - 竹沢一馬
- 警視庁警務部長 - 村上幹夫
- 幹部 - 篠原大作
- 幹部 - 加地健太郎
- 警視庁警務部人事課長 - 岸本功
- 警察官 - 林和義
- 現金輸送車強奪犯 - 古田新太
- 草壁中(警視庁SAT中隊長) - 高杉亘
- 内田晋三 - 高橋克実
- 中野 - 野仲功
- 益子署長(杉並北署署長・警視)- 浅沼晋平
- 車上狙い - 平賀雅臣
- 権田原美香(寿司屋「和之竹」の娘・港区立海峰小学校の教諭) - 原沙知絵
- 警視庁刑事部長 - 西岡徳馬
- 篠原浩三(杉並北署捜査資料室長) - 谷啓
- 刑事部捜査第一課捜査員 - 加藤満、渥美博、偉藤康次、田中龍
- 細川典文(刑事部捜査第一課捜査員) - 貴山侑哉
- 綾波麗 - 近藤典子
- 杉並北署副署長 - ドン貫太郎
- 藍原誠治 - 伊藤英明
- 北見繭 - 仲間由紀恵
- 寸借詐欺師 - 久保晶
- 和久刑事の馴染みの酔っぱらい常習犯(クニさん) - 田口主将
- 老女(ホームレス) - 北川智繪
- すみれが連行した窃盗犯 - 津久井啓太
- 真下が現行犯逮捕した傷害犯 - 宮崎吐夢
- 三井一郎 - 三上市朗
- 男 - 山崎智弘
- 須川圭一(生意気な小学生) - 森廉
- 少女 - 今関愛美
- 魚住アンジェラ - エレナイヴァノヴァ
- 不良少女 - 広末涼子
- 新城賢太郎(警視庁刑事部捜査第一課強行犯捜査担当管理官・警視) - 筧利夫
- 鏡恭一 - 稲垣吾郎(SMAP)
- 和久平八郎(湾岸署刑事課・指導員) - いかりや長介
- 藤本浩二、堀勉、植村喜八郎、安良岡俊一、三川雄三、田村元治、平川ひとし、宍戸美和公、小柳友貴美、渋谷泰蔵
スタッフ
ソフトウエア
書籍
- シナリオ集
- 踊る大捜査線 湾岸警察署事件簿 (キネマ旬報社キネ旬ムック 1998年10月31日)ISBN 4-87376-505-6
- 歳末特別警戒スペシャルのシナリオを収録
- ノベライズ本
- 踊る大捜査線スペシャル(フジテレビ出版、1998年10月) ISBN 4594025951
- 踊る大捜査線スペシャル(扶桑社文庫 フジテレビ出版、2003年5月30日) ISBN 459403991X
VHS
- 踊る大捜査線 歳末特別警戒スペシャル完全版(ポニーキャニオン、1998年4月17日)
DVD
- 踊る大捜査線 歳末特別警戒スペシャル完全版(ポニーキャニオン、2001年1月17日)
関連項目
外部リンク
- 踊る大捜査線 歳末特別警戒スペシャル - BSフジ
踊る大捜査線 歳末特別警戒スペシャル
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「踊る大捜査線シリーズの登場人物一覧」の記事における「踊る大捜査線 歳末特別警戒スペシャル」の解説
鏡恭一 演 - 稲垣吾郎(SMAP) 湾岸署管内のクラブで喧嘩していて不審人物として湾岸署生活安全課に同行される。港区立海峰小学校の卒業生で、海峰小に侵入して卒業制作の像を壊そうとして止めに入った女性教諭・美香に傷を負わせた。その事件を真摯に応対した青島によって緊急逮捕され、たまたま別件で刑事課に押収されデスクに放置されていた散弾銃を奪い、湾岸署をジャックする。髪型に異常に気を遣っており、セットには3時間かける。実は湾岸署管内で起きた大凪駅前マンション殺人事件の犯人でもある。薬物常習者で、薬物依存症の影響からか感情が高ぶり激高すると駄々をこね暴れだす。最終的にSATに制圧・確保される。1971年生まれ。 『THE MOVIE3』にもヤツら(同作での犯人が解放させることを要求したかつて青島が逮捕した9人の犯罪者たち)の1人として登場する。2010年時点でも服役中であったがキリスト教に入信してすっかり更生しており自身の償いがまだ終わっていないとして解放を拒否した。 不良少女 演 - 広末涼子 氏名は不明。これまでにも家出・万引きなどで数回補導されている。東京ジョイポリスのチケット売り場で、反町隆史のライブチケットを女子高生からカツアゲをしていて捕まった。まだあどけなく今時な性格をしているギャル。鏡恭一と面識があり、青島にさっき調書とったのが鏡だと教えると、青島が彼を追った隙にトンズラした。1980年生まれ。 藍原誠治 演 - 伊藤英明 すみれがスチュワーデスだと偽って参加した合コンで知り合った男性。すみれが刑事だとばれた後もスキーに誘おうと湾岸署にやって来たが、そこで刑事課篭城事件に巻き込まれてしまう。男気のある好青年で、鏡に銃を向けられた時も必死にすみれを守ろうとする。すみれが刑事でもかまわないと言って腕時計をプレゼントとして渡そうとするが、振られて返されてしまう。なお、同人についてはこの事件を切っ掛けに警察官になり湾岸署に配属されるという設定で『秋の犯罪撲滅スペシャル 』での再登場が企画されたが演じた伊藤英明が売れっ子になってしまったためキャスティングは実現しなかったという。 孫娘 演 - 仲間由紀恵 湾岸署管内で発生した大凪駅前マンション殺人事件の被害者・北見幸之助(71歳)の孫娘。氏名は不明(ドラマの中では「被害者である北見幸之助と同居していた息子夫婦の娘」とされており、公式設定資料集「踊る大捜査線 湾岸警察署事件簿」にも「孫娘」とのみある)。事件のショックで失声症になるが、同じ経験を持つ雪乃の話を聞き心を開き言葉を取り戻す。 魚住アンジェラ 演 - エレナ・イヴァノヴァ 魚住二郎湾岸署刑事課強行犯係係長の妻でフィンランド人。夫の魚住が妻の浮気を疑って尾行したり写真を撮ったりしたために夫婦げんかになってしまい、年末の忙しい湾岸署に乗り込んで来て、そのまま篭城事件に巻き込まれる。なお、浮気疑惑自体は翻訳のアルバイトのために会っていた大使館員の親戚を浮気相手だと思ってしまった魚住の誤解から出たものであり、そのことが明らかになったため事件中にけんかは和解している。魚住の発言の中ではテレビシリーズ時から出てくるのだが、実際の出演は『歳末特別警戒スペシャル』のみ。『THE MOVIE2』の時点では別居して本国に帰ってしまった事になっている。演じているのはロシア人で、役者ではなくロシアからの留学生である。これはリアリティーを追求するため工夫であったのだが、その後役を演じた留学生が本国に帰ってしまったために『THE MOVIE2』には出演して貰うことが出来ず、やむを得ず別居という設定になってしまったものである。 現金輸送車強奪犯 演 - 古田新太 ナイフ1本で現金輸送車を襲って興和銀行内に立て篭り、通りがかりの青島と和久に教科書通りの逮捕術で身柄を確保される。1964年生まれ。当時の罪名は、銃砲刀剣類所持等取締法違反容疑。 『THE MOVIE3』にもヤツら(同作での犯人が解放させることを要求したかつて青島が逮捕した9人の犯罪者たち)の1人として写真のみ登場。2010年時点では既に出所している。 益子署長 演 - 浅沼晋平 警視庁杉並北警察署 署長 警視 『歳末特別警戒スペシャル』に登場。青島が異動した杉並北警察署の署長。警視庁が出した青島の湾岸署に辞令の人事通達を2ヶ月以上も放置し、室井に「警察官を書類の中に埋もれさせるな」と叱責される。 警視庁刑事部長 演 - 西岡徳馬 階級は警視監。湾岸署占拠事件により設置された本庁対策本部にて陣頭指揮を執る。 警視庁警務部長 演 - 村上幹夫 警視庁警務部人事課長 演 - 岸本功 青島の人事がどうなっているのかという室井からの問い合わせに当初の約束通り湾岸署に戻す発令がなされていると返答した。
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「踊る大捜査線 歳末特別警戒スペシャル」の例文・使い方・用例・文例
- これは,人気刑事ドラマシリーズ「踊る大捜査線」に基づいた第2作目の映画である。
- 「踊る大捜査線THE MOVIE 2―レインボーブリッジを封鎖せよ!」が特に人気で,実写の日本映画としてこれまでで最高の収益を得た。
- 脚本は「踊る大捜査線」の脚本家,君(きみ)塚(づか)良(りょう)一(いち)さんだ。
- この名称は人気テレビ・映画シリーズ「踊る大捜査線」の中の「湾岸署」に由来する。
- 踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望
- 警察ドラマ「踊る大捜査線」は1997年にテレビシリーズとして始まった。
- それらの映画の1本である2003年に公開された「踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!」は,現在でも日本の実写映画の興行収入歴代1位である。
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