水原抄
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『水原抄』(すいげんしょう)は、鎌倉時代に河内方によって著されたとされる『源氏物語』の注釈書である。『原中最秘抄』の奥書のように「水原鈔」(「抄」の手偏が金偏になっている)と表記しているものもある。「水原」とは『源氏物語』の「源」の一文字を「偏(サンズイ)=水」と「旁=原」に分割したものであるとされる[1]。
- ^ 「水原抄」伊井春樹編『源氏物語 注釈書・享受史事典』東京堂出版、2001年(平成13年)9月15日、pp. 412-413。 ISBN 4-490-10591-6
- ^ 池田亀鑑「水原抄は果たして佚書か」『文学』第1巻第7号、1933年(昭和8年)10月、のち池田亀鑑選集『物語文学Ⅱ』至文堂、1969年(昭和44年)、pp.. 105-143。
- ^ 重松信弘『源氏物語研究史』刀江書院、1937年(昭和12年)5月。
- ^ 重松信弘『新攷源氏物語研究史』風間書房、1961年(昭和36年)3月。
- ^ 池田亀鑑「河内本の性格 - 河内学派の本文研究と水原抄」『源氏物語大成 研究編』中央公論社、1985年(昭和60年)、pp.. 151-169。
- ^ 松田武夫「源氏物語古注解題」紫式部学会編『源氏物語研究と資料 古代文学論叢第1輯』武蔵野書院、1969年(昭和44年)6月。
- ^ 「研究史通観-概観」阿部秋生・岡一男・山岸徳平編『増補 国語国文学研究資料大成3 源氏物語』上、三省堂、初版1960年(昭和35年)、増補版1977年(昭和52年),、PP.. 5-14 特にP. 7。
- ^ この「吉田本」について、源氏物語大成には「弘文莊蔵」とあり、『源氏物語研究と資料 古代文学論叢第1輯』には「遠藤武旧蔵、吉田幸一所蔵」とある。この両者は同じ現在吉田本と呼ばれているものを指していると見られるが、遠藤武から弘文莊を経て吉田幸一の所蔵になったのか、それとも弘文莊から遠藤武に渡り、その後吉田幸一の所蔵になったのかは不明である。
- ^ 寺本直彦「「水原抄」と「原中最秘抄」との関係--源氏物語古註葵巻の考察の前提として」『国語と国文学』第62巻6号、1985年(昭和60年)6月。 のち『源氏物語論考 古注釈・受容』風間書房、1989年(平成元年)12月、pp.. 73-92。
- ^ 寺本直彦「七海本 吉田本 源氏物語古註葵巻は『水原抄』の零簡か」『國語と國文學』第63巻1号、1986年(昭和61年)1月。 のち『源氏物語論考 古注釈・受容』風間書房、1989年(平成元年)12月、pp.. 93-116。
- ^ 田坂憲二「河内本の注釈」伊井春樹監修『講座源氏物語研究 第3巻 源氏物語の注釈史』おうふう2007年(平成19年)2月。 ISBN 978-4-273-03453-5
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