河内仙介とは? わかりやすく解説

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かわち‐せんすけ〔かはち‐〕【河内仙介】

読み方:かわちせんすけ

[1898〜1954]小説家大阪生まれ本名塩野次郎長谷川伸師事し同時代社会現象取材した大衆小説執筆。「軍事郵便」で直木賞受賞。他に「わが姉の記」「遺書」など。


河内仙介

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/21 18:48 UTC 版)

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河内 仙介(かわち せんすけ、1898年10月21日 -1954年2月21日)は日本の小説家である[1]

大阪市生まれ[1]。本名は塩野房次郎[1]大阪市立甲種商業学校[1]。1921年(大正10年)頃に北条秀司らのグループに参加し『随筆評論』の同人となる[2]。1925年(大正14年)頃に上京し、新潮社に勤務しながら里見弴に師事し作家を目指す[2]。1930年(昭和5年)に大阪に戻るが、1939年(昭和14年)に再び上京、北条の紹介により長谷川伸の門下となり、『大衆文藝』誌の発行元である新小説社に勤務する[2]1940年、初めての商業誌掲載作「軍事郵便」(『大衆文藝』1940年3月号掲載)で直木三十五賞を受賞[2][3]

太平洋戦争中は片瀬軍需工場の宿舎の舎監をし[4]、戦後は里見弴が久米正雄に世話を頼んだが、純文学志向が強く、それ以降はあまり作品を発表できなかった[5]

その他

  • 河内仙介は里見弴の小説「文学」のモデルとされる[3]
  • 仙介の息子の塩野周策は、大学を中退して六興出版に入社、中間小説誌『小説公園』の編集者となった[6]。その後、報知新聞社に入社して定年まで勤務した[7]

受賞歴

著書

  • 『軍事郵便』 新潮社、1940年
    • 収録作品:「軍事郵便」「遺書」「あいす・きゃんでい」「山で果てる」「縮絨帽子」
  • 『遺書』 筑紫書房、1941年
    • 収録作品:「遺書」「簑笠の由來」「朝」「破れ靴」「刺繍師彌吉」「行間さん」「伸吉君の日記」「あいす・きやんでい」
  • 『ヴヰクトリヤ号』 日進社、1942年
    • 収録作品:「ヴヰクトリア號」「稚き芽」「刺繍師彌吉」「混血兒ロベール」「轟氏と猫」「首途」「鍵」「わが姉の記」「燃える睡蓮」
  • 『わが姉の記』 泰光堂、1942年
    • 収録作品:「わが姉の記」「樂しい追想」「螢合戰」「世紀の朝」「鬼女」「行間さん」「朝」「芽生え」
  • 『風冴ゆる』 暁書房、1947年

編書

  • 『マライのお月様 : 矢野追悼童話集』 泰光堂、1943年

映画原作

脚注

  1. ^ a b c d e 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊). “河内 仙介”. コトバンク. 株式会社DIGITALIO. 2022年6月21日閲覧。
  2. ^ a b c d 河内仙介(かわち せんすけ)-直木賞受賞作家”. 直木賞のすべて. 2022年6月21日閲覧。
  3. ^ a b 川口 2016, p. 99.
  4. ^ 川口 2016, p. 100.
  5. ^ 河内仙介(第11回 昭和15年/1940年上半期受賞) 「直木賞をとったのに消えていった作家」第一号。……でもそれって、直木賞のせいなの? - ウェイバックマシン(2012年2月26日アーカイブ分)
  6. ^ 川口 2016, p. 102.
  7. ^ 川口 2016, p. 104.
  8. ^ 山高帽子”. 日活. 2022年6月21日閲覧。
  9. ^ 小学館「デジタル大辞泉プラス」. “母は死なず”. コトバンク. 株式会社DIGITALIO. 2022年6月21日閲覧。

参考文献

  • 川口則弘 『ワタクシ、直木賞のオタクです。』バジリコ、2016年2月18日。ISBN 978-4862382276 

外部リンク

河内仙介(第11回 昭和15年/1940年上半期受賞) 「直木賞をとったのに消えていった作家」第一号。……でもそれって、直木賞のせいなの? - ウェイバックマシン(2012年2月26日アーカイブ分)



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