検知器とは? わかりやすく解説

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センサ

(検知器 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/28 06:06 UTC 版)

IoTで利用されるスマートセンサ(人や動物の動きを検出する)

センサまたはセンサー: sensor)は、自然現象や人工物の機械的電磁気的熱的音響的化学的性質あるいはそれらで示される空間情報・時間情報を、何らかの科学的原理を応用して、人間や機械が扱い易い別媒体の信号に置き換える装置のことをいい、センサを利用した計測・判別を行うことを「センシング」という。検知器: detector)とも呼ばれる。

定義

センサはトランスデューサーの一種と言えるが、明確な定義はされていない。センサという言葉は、トランスデューサーのみを指す場合もあれば、トランスデューサーに増幅・演算・制御・出力等の機能を合わせた装置を指す場合もある。

構成

センサによる測定は、出力信号の処理によって以下の方式に分けられる。

  1. センサが変換した物理量を人間が直接判読するケース(Direct Indicator)
    人間が認識可能な媒体(など)に置き換える必要がある。
    • 水銀温度計は、周囲温度を、水銀熱膨張を用いて、視覚情報に置き換える。
    • ケトルの笛吹は、お湯の温度を、蒸気圧の性質を用いて、聴覚情報に置き換える。
  2. センサが一旦変換した物理量を、人間が判読可能なように更に変換し直すケース
    センサからの情報を、電子回路が処理できるように、一旦電気信号に置き換える。電子回路が取得した信号は、AD変換器を使用したり、コンピュータおよびディスプレイを通して測定結果を読むなど人間が読めるように変換する必要がある。
  3. センサが変換した物理量を人間が判読しないケース
    センサからの情報を電気信号に置き換えて、処理・蓄積し、システムをコントロールするために使う。人間の関知しないシステム内部で、システムの性能・安定性・安全性を向上する。

多くのセンサは、電気的・電子的な機能、構造になっており、測定器、電子・電気機器、制御機器等に組み込まれることで機能が発揮される。MEMS技術の進歩により、多くのセンサが従来よりもはるかに高い感度に達している。

具体例

  • 電気メーターは、電気の使用量を、電磁回転板などのトランスデューサを用いて、デジタル表示に置き換える。

センサと似たもの

  • 太陽電池は、光を電気に置き換えるトランスデューサではあるが、物理情報ではなくエネルギー取得を目的とする場合はセンサと呼ばない。昔、セレン光電池を露出計AEカメラ(当時はEEと称した)でセンサとして使っていた例や、昼間太陽電池で充電し夜になると光り出すような装置で発電力の低下を検出しトリガーにしている、など例外もある。

応用分野

センサは現代社会のあらゆる分野で活用されている。自動車鉄道船舶航空宇宙などの交通システム、機械化学農業土木エネルギーなどの産業ビジネス、医療防災住宅防犯などの生活環境、宇宙ロボットなどのハイテク領域において、普及が進んでいる。

分類

原理による分類

機械量

光・放射線

電気

磁気

化学

時空間による分類

用途による分類

    • 漏液センサ(リークセンサ) (読み:ろうえき)
    • 液検知センサ(レベルセンサ)
  • 硬度
  • 湿度
  • 流量
  • 傾斜
  • 地震センサ

選定

目的とする物理情報・検出原理・センサの形態によって、多種多様なセンサが存在する。

目的とする物理情報が同一であっても、検出原理として様々な手段がありうる。条件に適った最適なセンサを選び出すには、測定対象とセンサの性質をよく考慮する必要がある。

また、センサはその目的上、厳しい物理的環境下に晒されながら使用されるケースもある。実用の際は、ノイズによる誤検出や故障が起きないように、検出方法を吟味し、適切な使用環境・防護形態の下で使用する。

先進的センサ

スマートセンサ

スマートセンサ(smart sensor)、あるいはインテリジェントセンサ(intelligent sensor)は解析、情報処理の能力が付加されたセンサである。スマートセンサには測定対象に複数のセンサでもって測定を行う。一度に複数のデータを取得し、異常な値や例外値を取り除き、データを処理しそれを蓄積する。これにより、自動校正機能、自動補償機能が備わっているといえる。また、その他の種類のセンサとセンサネットワーク通信機能で組み合わせて統合されたデータの測定も可能である。

センサフュージョン

センサフュージョン(: sensor fusion)、あるいはセンサ融合は、視覚聴覚触覚嗅覚味覚などの多くの種類の感覚情報から融合した知覚を用いてセンシングすることである。

センサフュージョンは、複合、統合、融合、連合の4つに分類することができる。

複合(: multisensor
複数のセンサから得られた情報を並列的・相補的に組み合わせた出力を得ることを複合的処理という。
統合(: integration
それぞれのセンサから得られた情報に演算処理を行い、まとまった情報を得ることを統合的処理という。
融合(: fusion
ある現象に対して、それを測定する複数のセンサの出力から、データ同士の処理を行い、1つの知覚を得ることを融合的処理という。
連合(: association
センサから得た情報間の関係を調べ、出力を得ることを連合的処理という。

関連項目

脚注



検知器

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/29 09:42 UTC 版)

光波ホーミング誘導」の記事における「検知器」の解説

レティクル追尾方式場合シーカー視野対応した面積単一検知素子用いられる。ここで用いられる赤外線センサには、大別して熱型検知器量子型検知器2種類がある。 熱型検知器 もっとも初期IRH誘導システムは、硫化鉛PbSフォトレジスタによる赤外線センサ採用していた。検知波長おおむね1〜3マイクロメートルµm)の近・短波赤外(N/SWIR)帯域であり、これは、ジェット排気口赤外線放射帯域おおむね相当するこのため、このシステム主として対空ミサイル用いられたが、追尾点の明瞭な視界得て効果的に追尾するには、ミサイル航空機後方から接近する必要があった。 このシステムは必ずしも冷却する要はなかったが、PbS検知器を導入した最初期ミサイルにあたるアメリカサイドワインダー場合熱雑音低減し感度向上させるため、AIM-9D型以降ではセンサー冷却する措置導入されるようになった量子型検知器 上記のように、実用化の面では熱型検知器先行したものの、応答速度遅く検出能力が低いという問題があったことから、量子型検知器実用化とともに、ミサイルシーカーの大部分はこちらに移行した受光素子としてはアンチモン化インジウムInSb)やセレン化鉛フォトダイオードなどが用いられる。この赤外線センサは、PbSよるものより波長長い中波赤外(MWIR)帯域検知することができた。 これによって、排気口そのものではなくここから排出されプルーム探知が可能となったプルームへの探知アスペクト依存性大きとはいえ機体のほぼ全周渡って捕捉でき、全方位交戦能力実現できた。また、フレアへの耐性優れていた。 また続いて実用化されたテルル化カドミウム水銀HgCdTe)を用いた赤外線センサであれば中波赤外線加えて長波赤外線にも対応できた。この2波長センサ空気力学的に加熱され航空機外板常温目標追尾できたほか、赤外線妨害技術への抗堪性向上(IRCCM能力増強効果もあった。

※この「検知器」の解説は、「光波ホーミング誘導」の解説の一部です。
「検知器」を含む「光波ホーミング誘導」の記事については、「光波ホーミング誘導」の概要を参照ください。

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