トランスデューサー
トランスデューサ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/14 04:59 UTC 版)
「有限オートマトン」の記事における「トランスデューサ」の解説
トランスデューサ(変換機、transducer)は、与えられた入力と動作を伴う状態(両方または一方)に基づいて出力を生成する。このタイプの有限オートマトンは計算言語学の分野や制御などに使われる。また、トランスデューサは二種類に分類される。 ムーア・マシン この有限オートマトンは開始動作のみを使用する。すなわち、出力は状態にのみ依存する。ムーア・モデルの利点はふるまいを単純化できることである。図6の例はエレベーターの扉についてのムーア・マシンを示している。この有限オートマトンは「開放命令」と「閉鎖命令」というふたつの命令を理解し、それによって状態が変化する。「開放途中」状態にある開始動作(E:)は扉の開くところを監視し始めることを示し、「閉鎖途中」状態にある開始動作(E:)は扉の閉じるところを監視し始めることを意味する。「開放」と「閉鎖」状態は動作を伴わないが、これらは外界(つまり他のオートマトン)に扉が開いているとか閉まっているといった状況を知らせる意味を持つ。 ミーリ・マシン この有限オートマトンは入力動作のみを使用する。すなわち、出力は入力と状態に依存する。ミーリ・モデルは状態の数を減らす作用がある。図7の例はムーア・マシンの例と同じものをミーリ・マシンで実装したものを示している(実装された有限オートマトンのふるまいは実行モデルに依存する。例えば仮想有限状態機械(英語版)では動作するが、イベント駆動有限状態機械(英語版)では動作しない)。これは二つの入力動作を持つ。「閉鎖命令が来たら扉を閉めるためにモーターを起動する」という入力動作と「開放命令が来たら扉を開けるためにモーターを起動する」という入力動作である。 実際には、これらを混合したモデルがよく使用される。 ムーア・モデルとミーリ・モデルの違いの詳細は、実施例も含めて外部サイトの"Moore or Mealy model?"にある(ただし英語)。
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