栄誉と顕彰
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「アレクサンダー・グラハム・ベル」の記事における「栄誉と顕彰」の解説
電話の普及とともにベルの名声は高まり、さまざまな栄誉と賛辞が贈られた。多数の大学から名誉学位を贈られた。存命中にもさまざまな賞を受賞し、賛辞を受けている。1880年、アカデミー・フランセーズからボルタ賞(英語版)と副賞5,000フランを授与された。審査員にはユーゴーやデュマといった有名人もいた。ボルタ賞はナポレオン・ボナパルトが1801年に創設した賞で、アレッサンドロ・ボルタを記念した賞である。ベルは歴代3位の賞を授与されている。ベルはこの賞金を使って基金(ボルタ基金)を創設。その基金によりワシントンD.C.に聴覚障害の研究機関が創設されている。トーマス・エジソンが蓄音機に使った蝋管はその研究所で発明された。フォトフォンの研究もその研究所で行った。その研究所はのちに Alexander Graham Bell Association for the Deaf and Hard of Hearing に組み込まれた。フランス政府はレジオンドヌール勲章を授与。英国ロイヤル・ソサエティ・オブ・アーツは1902年、アルバート賞を授与。1912年、フランクリン協会(英語版)からエリオット・クレッソン・メダルを授与された。 1882年、ガーディナー・グリーン・ハバードと共同でアメリカ科学振興協会の発行するサイエンス誌創刊を支援した。1884年、IEEEの前身であるアメリカ電気学会 (American Institute of Electrical Engineers) (AIEE)の創設にも関わり、1891年から1892年まで会長を務めた。1888年、ナショナルジオグラフィック協会の創設に関わり、第2代会長 (1897年 - 1904年)を務め、スミソニアン博物館理事 (1898年 - 1922年)も務めた。1914年、AIEEからエジソンメダルを授与された。 銅像や記念碑も立てられており、例えば1917年、ブラントフォードの Alexander Graham Bell Gardens に Bell Telephone Memorial が立てられた。 ベルに関しては手紙やノートの類がほかの19世紀および20世紀の著名な発明家と比較しても圧倒的に多く、また、彼を顕彰する法人が丁寧に整理している。これはベルが学者で教育者であった点と、もう1つは特許に関して自分の発明が先行した点を証明する必要があった点が挙げられる。ベルの書いた書簡、ノート、論文、その他の文書はアメリカ議会図書館 (Alexander Graham Bell Family Papers) とノバスコシア州のケープ・ブレトン大学にあるアレクサンダー・グラハム・ベル研究所に集められており、大部分はオンラインで閲覧可能となっている。それらの記録を細かく整理したうえで作成された伝記が『孤独の克服 - グラハム・ベルの生涯』(ロバート・V・ブルース著)である。 アメリカとカナダの最初の電話会社を含めて北米とヨーロッパにあるベルに関連するおもな史跡としては、以下のものがある。 アレクサンダー・グラハム・ベル歴史史跡(英語版)は(ベルの地所ベイン・バリーに程近い)ノバスコシア州バデックにあり、パークス・カナダが運営している。ベル博物館などがある。ベル博物館の展示品はベルの娘が寄贈した。 The Bell Homestead National Historic Site はベル一家が北米に移住してきた際の最初の屋敷である。カナダの最初の電話会社の建物 "Henderson Home" は、1969年に Bell Homestead のそばに移築された。ブラントフォードの Bell Homestead Society が運営している。 ブラントフォードの北にある Alexander Graham Bell Memorial Park には、1917年に立てられた新古典主義の複数の記念碑がある。 ベル (B)とデシベル (dB)は音圧レベルなどの物理単位であり、ベル研究所が考案し、ベルにちなんで名付けた 。1976年から、IEEEは電気通信分野の優れた業績を表彰するアレクサンダー・グラハム・ベル・メダルを毎年授与している。 1940年、アメリカ合衆国郵便公社はベルの記念切手を発行した。同年10月28日にボストンで発行を記念した式典が開催された。ベルの切手は大変な人気となり、すぐさま売り切れた。コレクターの間では、有名人が描かれた切手としてはもっとも価値が高いとされている。 ベル生誕150周年の1997年、ロイヤルバンク・オブ・スコットランドが記念の1ポンド紙幣を発行した。紙幣の裏面には、ベルの横顔、署名、電話を利用する人々、音声信号の波形、電話機、手話、航空工学への興味を与えたガチョウ、遺伝学を理解するために研究した羊などが描かれている。同じく1997年、カナダ政府は100カナダドルの記念金貨を発行した。また、2009年にはカナダでの(ベルの指導で設計されたシルバーダートの)初飛行100周年を記念した銀貨を発行した。ほかにも世界各国でベルの肖像や発明品が硬貨や紙幣のデザインに採用されてきた。 ベルの名は世界各地の教育機関・企業・通り (avenue)・地名などの名前に使われている。BBCが2002年に行った100名の最も偉大な英国人の投票でベルが57位となった。また、2004年の Top Ten Greatest Canadians でも、2005年の the 100 Greatest Americans でもランクインしている。2006年、スコットランド史上もっとも偉大な10人の科学者に選ばれ、スコットランド国立図書館(英語版)の 'Scottish Science Hall of Fame' に挙げられた。 LIFE誌が1999年に選んだ「この1000年でもっとも重要な功績を残した世界の人物100人」にも選ばれている。
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