栄誉と評価とは? わかりやすく解説

栄誉と評価

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/12 07:37 UTC 版)

カミーユ・サン=サーンス」の記事における「栄誉と評価」の解説

サン=サーンス1867年レジオンドヌール勲章のシェヴァリエに叙され1884年オフィシエ昇級1913年グラン・クロワ昇級果たした海外栄典には1902年のイギリスロイヤル・ヴィクトリア勲章CVO)、ケンブリッジ大学名誉博士号1893年)、オックスフォード大学名誉博士号1907年)がある。さらに1901年にはドイツヴィルヘルム2世からプール・ル・メリット勲章授与された。 『タイムズ』紙は、死亡伝え記事次のように記している。 サン=サーンス氏の死は、フランスから国の最大級作曲家奪っただけではない。彼の死によって、19世紀典型的な偉大な音楽運動の最後代表者世界から失われたことになる。彼は活発な精力保ち当代活動に非常に近い距離を保ち続けたが故、習慣的に彼をフランス作曲界の「長老」と語るようになっていたとはいえ、彼が音楽史中に実際に占めていた位置忘れられがちであった。彼はブラームスよりもわずか2歳年少、そしてチャイコフスキーよりも5歳年長ドヴォルザークより6歳年長、そしてサリヴァンよりも7歳年長のである。彼が自国音楽の中で得ていた立ち位置部分部分は、自身領域にいたそれらの巨匠たちそれぞれと、ちょうど比べることが出来るだろう。 1890年に『Mea culpa』と題した短詩発表したサン=サーンスは、その中で堕落知らぬ己を責め若さによる過剰な熱意賛意述べつつも、それを自分が持たなかったことを嘆いている。あるイギリスコメンテーター1910年にこの詩を引用しつつ、「彼の心は先へ押し進まんと望む若者と共にある、なぜなら彼が当時進歩的理想肩入れしていた若き日自分忘れていないからだ」と述べている。サン=サーンス革新伝統的形式の間のバランス求めていた。評論家のヘンリー・コールズは彼の死から数日後にこう書いている。 彼の「完全な平衡」を維持するという希望中に一般音楽好きに対すサン=サーンス訴求限界見出されるサン=サーンスは、仮にあったとしても、滅多にリスク取らない。彼は、さしあたってスラングを使うならば、「自制心を失う」(goes off the deep end) ということがない。同時代大巨匠は皆していることなのに。ブラームスチャイコフスキー、そしてフランクですらも、達成したい目的のためであれば全て犠牲にする用意があり、必要とあらばそこへ至るための試みに嵌りこんでいく。サン=サーンスは自らの平衡保ち、それによって聴衆平衡を保つことを可能とするのだ。 『グローヴ音楽事典』のサン=サーンスの項は次のような言葉締められている。彼の作品際立った一貫性見せ一方で「彼が特色ある音楽スタイル発展させたとは言えない。むしろ、彼はワグネリアン影響飲み込まれる危機瀕していたフランス伝統守り後進育成する環境整えたのである。」 本人死後サン=サーンス音楽同情的な物書きらは、彼がごく僅か楽曲、『動物の謝肉祭』、ピアノ協奏曲第2番ヴァイオリン協奏曲第3番交響曲第3番オルガン付き』、『サムソンとデリラ』、『死の舞踏』、『序奏とロンド・カプリチオーソ』といった作品でしか、音楽好きの人々知られていない現状遺憾表明している。ニコラス彼の大規模作品の中から、レクイエムクリスマス・オラトリオバレエ『ジャヴォット』、ピアノ四重奏曲七重奏曲ヴァイオリンソナタ第1番忘れられ傑作として選び出している。2004年スティーヴン・イッサーリス次のように述べた。「サン=サーンスはまさに彼の音楽祭を開く必要があるような種類作曲家である(中略ミサ曲もあって、それらは全て興味深いものだ。彼のチェロ音楽全て演奏しているが、ひとつたりとも悪い曲はない。彼の作品あらゆる意味でやり甲斐がある。そして彼は尽きることのない魅力備えた人物だ。」 「彼の偉大な名声も、またそれに続く軽視も、共に誇張されすぎてきた」と評されるように、サン=サーンス音楽はしばし不公平な評価受けてきたが、1980年代ごろからふたたび彼への関心高まり再認識進んでいる。

※この「栄誉と評価」の解説は、「カミーユ・サン=サーンス」の解説の一部です。
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