文理別・学部別収入に関する調査とは? わかりやすく解説

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文理別・学部別収入に関する調査

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/09 06:06 UTC 版)

文系と理系」の記事における「文理別・学部別収入に関する調査」の解説

収入に関する統計には、文理別・学部別・偏差値別・男女別の様々な統計出されている。 天野郁夫著『旧制専門学校』(大正6年)には、高学歴社員処遇として、日本郵船初任給掲載されている(日本郵船当時就職したい企業1位であった)。それによると、東京帝国大学工学部初任給45円。東京帝国大学法学部40円。東京高等商業学校3540円。慶応義塾早稲田30円。という具合である。当時大学学部によって賃金が変わることが一般的であった前田一著『サラリマン物語』(昭和3年)には、出版前年の昭和2年実績と見られる有名企業初任給一覧が出ている。たとえば、三菱合資では、帝大90円、帝大80円、商大80円、商大専門部早慶神戸高商75円、地方高等商業中央法政明治6570円、私大専門部5060円、中学程度35円である。この時代は、大卒就職率30%という不況時代でもあり、『大学は出たけれど』などの映画作られたほどの就職難であったまた、当時昭和5年)の東京帝国大学就職率は、医学部94.7%、工学部82.3%、農学部79.4%、理学部70.2%、経済学部39.2%、文学部37.3%、法学部32.1%である。 松繁寿和らは1998年に、ある国立大理系学部文系学部一つずつ選んで調査用紙郵送しその時点での年収などをたずねた。この統計調査をもとに毎日新聞記者計算したところによると、生涯賃金はおよそ5000万円ほど文系学部卒業生高くなった。 2009年キャリコネ調査によると、理系大学出身者は、平均年収が638.9万円。これに対して文系は、551万円だった。学部別の年収だと、工学部661.1万円理学部616.1万円法学部615.3万円経済学部608.3万円商学部経営学部604.3万円薬学部551.4万円農学部526.3万円社会学部464.9万円文学部4095万円である。また、東京大学出身者学部平均年収は、理学部1381.3万円法学部1158.7、工学部1057.6万円経済学部923.8万円農学部7005万であった2010年慶応大学調査では、男性平均年収文系559万円だったのに対し理系601万円で、42万円高かった女性文系203万円対し理系260万円57万円高かった年代別比較では、理系男子は、国立大出身なら35歳文系男子よりも100万円弱ほど高く60歳では150万円上高かった。国立大以外の理系35歳までは文系より低いが、40歳ではほぼ同じ、45歳では追い抜いていた。 また、役職員に就いている正社員割合文系は20.3%に対し理系は35.0%。会社経営者割合文系1.3%に対して理系2.1%とわずかに高かった2010年京都大学同志社大学調査では、文系平均年収約583万円対し理系は約682万円だった。格差年齢と共に広がり25歳では理系文系より約60万円多く60歳では約168万円拡大していた。このほか、サンプルをもとに40歳時のモデル年収推計したところ、理系男性が約717万円文系男性が約680万円だった一方理系女性が約498万円文系女性が約402万円男性の方が約220280万円高く男女間の賃金格差浮き彫りとなったまた、出身学部ベネッセコーポレーションによる大学難易度別にA(偏差値60以上)、B(5059)、C(50未満)に分けたところ、同じ難易度はいずれ理系高く、最も高いのはAの理系。Bの理系はAの文系平均下回ったものの、Aの文系でも受験数学選択しなかった人の平均よりは高かった2011年の浦坂純子西村和雄調査では、慶応義塾大学パネル調査共同研究拠点の「日本家計パネル調査(JHPS)」のデータ分析して文理別に国立・非国立大卒の年収調べている。それによると、所得順位は、国立理系男子、非国立理系男子国立文系男子、非国立文系男子の順となっている。また、偏差値別の分析では、高偏差値理系男子、高偏差値文系男子、中偏差値理系男子、中偏差値文系男子の順となっている。しかし、50以降になると高偏差値文系男子は、中偏差値理系男子所得追い越されてしまう。これは、文系賃金カーブピーク50歳であり、以降賃金下がっていくのに比べ理系賃金カーブ50以降上昇するためと考えられる2011年の経済産業研究所調査では、理系学部出身者平均所得文系学部出身者より約130万円高くそのうち高校時代物理得意だった人が最も高所得である。平均所得全体552万円だったのに対し理系学部出身者637万円文系学部出身者510万円であった理系学部出身者平均所得は、高校時代得意だった理科科目別では物理681万円地学647万円化学620万円生物549万円の順だった。また、同調査では、同志社大経学部八木匡らによって、得意科目別と年収調査について調べられている。それによると、文系理系合わせた大卒就業者1万人(平均年齢43歳)の得意科目平均所得年収)の関係を調べると、数学得意な人の所得が約620万円と最も高く2番目は理科得意な人の約608万円だった。数学得意な人と国語得意な人とでは、約183万円の差があった。 2011年に「週刊東洋経済」が「DODA」の協力得て転職サービス登録者調査を基に推計したところ、生涯年収理系で2.25億円に対し文系2.10億円足らず1500万円上の差がついた。その理由として、DODA編集長美濃啓貴は「モノ作りのできる技術者営業職就けるが、文系出身営業マン専門的な知識経験がないので技術者はなれない」と、職業選択の幅の違い指摘している。 2011年株式会社アイ・キューが行った調査によると、営業職学歴文理平均年収は、国公立大院卒/理系 682.00万円国公立大学/理系 676.30万円私立大学/理系 617.91万円私立大院卒/理系 617.39万円国公立大学/文系 584.53万円海外大学院 583.33万円私立大学/文系 543.61万円専門短大高専各種学校 503.86万円国公立大院卒/文系 502.83万円私立大院卒/文系 490.00万円高校 486.71万円海外大学 482.76万円の順であった2018年寺田好秀の論文では「慶應義塾家計パネル調査」のデータ利用して男性文系・理系間の所得格差推移について分析している。その結果2003年から2012年10年間、一貫して理系の方が文系よりも平均所得高く、さらに所得格差拡大しており、またその原因景気変動にあると結論付けている。また、このことから高い所得安定をもとめるのであれば理系の方が好ましいと考えている。

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