批評家レビューとは? わかりやすく解説

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批評家レビュー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 15:31 UTC 版)

動乱 (映画)」の記事における「批評家レビュー」の解説

東映本作公開と同じ1980年の夏、『二百三高地』を公開し1982年『大日本帝国』と『FUTURE WAR 198X年』を公開戦争映画右傾化大きな問題になった山田和夫は、右傾化戦争映画始まりとして『動乱』を挙げ、「戦争映画いえないかも知れませんが『動乱』は高倉健吉永小百合という人気スター主役にして、戦争に向かう日本の歴史というものを大きく歪めた映画として登場してきました。つまり、日本全体侵略戦争突っ走らせようとした軍国主義者ファシスト行動美化し愛国者あるかのごとく描いたわけです。それはその年屈指の大作として作られ、愛のドラマとして大宣されました。そのため、従来その手軍隊ものとか戦争映画には寄り付かなかった若い女性層も集めることに成功しました。『動乱』は若い世代の人たちが現代史についての知識乏しく学校でもほとんど教えられていない現状に付け込み誤った歴史見方持ち込んできたのです。作り方宣伝仕方歴史知らないい年齢層をターゲットにしていることなど、色々な意味で『動乱』はその後の流れ典型的に打ち出した最初作品いえます」などと論じている。 藤原彰は、「『動乱』は映画の中で戦争美化し歴史偽造しようとすることが本格的にすすめられるようになった最初映画だと思います。しかもそのやり方は、かつての新東宝のような剥き出し軍国調ではなく、もっと巧妙です。一見したところ、戦争疑問投げかける言辞出てきたり、悲惨な面にも目を向けたしながら戦争知らない若い人たちの情感働きかけるという手の込んだやり方をやっています。動乱』は基本的な問題大きな歴史偽造をしています。何よりも反動的なクーデターであった二・二六事件美化されています。映画では社会の不正を憤った青年将校たちが、貧し農民救済のために起き上がったという描き方をしていますが、しかし事件参加した多くは、将軍息子たちで、その他の人も軍内のエリートです。農民とは誰も関係がありません。実際戦争準備不十分さ苛立った軍人立場から、より積極的に侵略戦争進めてこうとする焦り現れ右翼クーデターです。そういう事件を、まるで純情な青年将校正義決起のように描くのは基本的に間違ってます。澤地久枝さんの『妻たちの二・二六事件』にも書かれていますが、青年将校たちは蜂起する一週間前に結婚した人や、事件直前結婚した人が多いんです。そういう一人女性運命狂わせることに人間的な考慮払わない女性に対して優越感蔑視感を持つ大変思い上がった人間を悲しい愛の物語仕立て上げ国家軍備拡張に熱心でないと批判する青年将校たちの行動美化して見せ映画です」などと論じている。 増当竜也は「森谷演出熟練スタッフたちの手助けもあって、技術的に申し分ないが、ポイント定まらない脚本全て決定した」などと評している。 山根貞男は、「錯誤極まりないクライマックス二・二六事件描写がまるでなっていない二・二六事件具体推移など、さっぱり分からない。いや、これは二・二六事件映画ではなく男と女の愛を描く映画だと作者はいうかもしれない。だが、そのときメロドラマたることが隠れ蓑になってはしないか。ちゃんとしたメロドラマ映画であるためには、それの背景たる激動の時代二・二六事件などの推移描き出すべきではなかったか。実際、この映画メロドラマとしても面白くない」などと評している。 白井佳夫は、「『冬の華』『幸福の黄色いハンカチ』といった映画高倉健は、シナリオ彼の寡黙な個性上手く引き出すように書かれ監督彼の一種無骨な役者として個性魅力的に生かすような工夫凝らしていたので、とてもユニークな人間味スクリーンから発散させた。しかし、この人しどころのない役で、スクリーン中に登場させてしまうと、小細工芝居似合わぬ人なので、そのおおらか素朴な個性が、まったく生きてなくなってしまうことになる。二・二六事件という時代背景を描くドラマ構成が、何とも時代遅れ古めかしいパターン一貫されていて、辟易させられてしまう上に、男と女の愛が、これまた現代の目で見ると絵空事にしか見えない大時代ロマンチシズム空転ししまっているので、健さん魅力というものは、いっこうにスクリーンクローズアップされてこないのである工夫細工もないシナリオ演出にのって高倉健吉永小百合呼吸合わせて芝居一生懸命になればなるほど、ただでさえ一本調子作品テンポが、さらにスローにペースダウンしてしまう。テレビドラマ外国映画速いテンポリズムになれた日本観客たちは、このスローテンポには、イライラしてしまうのではないだろうか。スリルサスペンス出てこない、いささか困った超大作で、正直に書くと、'80年日本映画ワースト10にでも入りそうな映画である。大衆娯楽作りにおいて日本の映画会社の中で一頭地抜いていた東映は、いまやどうなっているのだろう?という思いがしてくるのは、私だけではないはずである。ご同業映画評論家諸氏中には危機にある東映映画同情心からか、『動乱』を絶賛なさった方もおられるが、そんな同情東映のためにならない」などと評している。

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批評家レビュー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/15 04:55 UTC 版)

誘拐報道」の記事における「批評家レビュー」の解説

作品的に高く評価された。竹入栄二郎は「元歌手の萩原健一、現歌手小柳ルミ子根っこからの俳優喰った日本アカデミー賞でも武田鉄矢いしだあゆみ泉谷しげるミュージシャンが目立つ演技をして優秀賞もらっている。こうだから、映画会社俳優くりはますます退化していく。小柳最近ヒット曲が出なかったから、突如映画演技賞をモノにするから驚く。小柳起用したプロデューサーの目も確かだったが、それに応えた小柳も本業がイマイチだったから余計に目立つ」などと評した鬼頭麟平は「誘拐犯夫婦愛憎屈折した感情動揺する心など、原作には書かれていないフィクショナル部分脚色上手く掘り下げよくある"事件もの"以上の人ドラマ仕上げた伊藤監督は『スクリーン一つの"魔"を跳梁させてこそ映画だ』とどこかで語っていたと記憶するが、『誘拐報道』は確かに人間の"魔"を感じさせる作品だった」などと評した

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