多摩市にまたがる区域
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/09 09:08 UTC 版)
「多摩ニュータウン」の記事における「多摩市にまたがる区域」の解説
多摩市にまたがる区域には、1971年(昭和46年)に多摩ニュータウンの第1次入居地区となった諏訪・永山地区や、多摩ニュータウンの中心として計画された多摩センター地区などが含まれる。なお、尾根幹線道路沿いの地域の一部は、開発当初は町田市に属しており(後述)、1973年(昭和48年)12月に多摩市へ編入している。 新住宅市街地開発事業区域では4~12住区と17,18住区が該当し、土地区画整理事業区域は多摩土地区画整理事業区域、小野路第1~3土地区画整理事業区域が該当する。 街路は道路ごとにテーマをもって統一した並木が植栽されているのが特徴で、住区同士をネットワークする歩行者専用道路にも愛称名がつけられ、地区・近隣センターと住居地、公園や学校等を結んでいる。また、住民間の交流を活性化するため公設の「コミュニティーセンター」を地区ごとに設置している。 公園(地区公園・近隣公園・街区公園・保全緑地等)は市域全体で大小を含めて約200箇所設けられ、多摩市全体の面積当たりの公園面積は東京都で1位、人口当たりで2位となっている。 聖ヶ丘(ひじりがおか) 1984年(昭和59年)入居開始の第4住区を構成し、一戸建てを中心とした地区として開発された。聖ヶ丘という地名は公募で、近くに聖蹟記念館があることに由来している。聖ヶ丘病院や多摩大学多摩キャンパス、陸上競技場と武道館を開設している多摩東公園がある。開発前は西武鉄道が砂利採取をしていて、「アパッチ砦」と呼ばれる送電塔の周囲だけを残して切り崩されたままの危険な状態だった。 連光寺(れんこうじ) 第4住区の東端を構成。連光寺は大字連光寺に由来している。大部分が都立桜ヶ丘公園と大谷戸公園になっている。 関戸(せきど) 土地区画整理区域の東端を構成。関戸6丁目1~9番地が該当する。 馬引沢(まひきざわ) 土地区画整理区域の谷戸部筋に沿った地区である。当地区の南部は元々多摩ニュータウン事業区域外であったが、地主の強い要望があり「多摩ニュータウン多摩土地区画整理事業」の第二工区として開発された。馬引沢という地名は連光寺の小字、馬引沢に由来している。 諏訪(すわ) 1971年(昭和46年)に第1次入居が行われた第4住区を構成する。開発当時の東京の住宅不足という時代背景を反映し、マンモス団地が建ち並ぶ。多摩ニュータウン開発前からある「馬引沢団地」と一体的に整備された。諏訪という地名は諏訪神社と連光寺の小字、諏訪越、諏訪坂に由来している。 永山(ながやま) 1971年(昭和46年)に第一次入居が行われた第5住区および多摩土地区画整理事業区域、小野路第三土地区画整理事業区域である。永山という地名は乞田の小字永山に由来している。開発当時の東京の住宅不足という時代背景を反映し、マンモス団地が建ち並ぶ。永山駅の周辺は「地区センター」として整備され、「グリナード永山」や「ヒューマックスパビリオン」といった商業施設や、総合病院の「日本医科大学多摩永山病院」があるほか、金融企業等の研修センターが多く立地している。また、6丁目の「サービスインダストリーエリア」には、日本一大きいブックオフとされる「ブックオフスーパーバザー多摩永山店」があり、他にも自動車販売店や中小企業の工場が集まっている。7丁目には「国士舘大学多摩キャンパス」がある。 乞田(こった) 乞田という地名は昔、干ばつで住民が領主に「田を乞うた」ことに由来している。幹線道路の多摩ニュータウン通りと桜並木の名所となる乞田川に沿った土地区画整理事業区域で地名は旧乞田の名残りである。 貝取(かいどり) 地区南端で第二次入居が行われ、1976年(昭和51年)に入居開始した。第7住区を構成する。閑静な緑の多い落ちついた住宅環境が特色で、北側の丘陵地には里山を保全した貝取山緑地がある。貝取という地名は大字貝取から由来している。 豊ヶ丘(とよがおか) 地区南端で第二次入居が行われ、1976年(昭和51年)に入居開始した。第8住区を構成する。豊ヶ丘という地名は落合の小字豊ヶ岡に由来している。憩いの場として里山を再生した豊ヶ丘北公園と大池や非常用の水槽を具備した豊ヶ丘南公園などがある。住宅・都市整備公団(当時)施工の集合住宅が圧倒的に多い住区であるが、1989年(平成元年)の入居で従来から原則として排除されていた、新住区域への民間マンション進出に先鞭をつけた「コスモフォーラム多摩」がある。 落合(おちあい) 落合地区は青木葉通りに沿う多摩土地区画整理事業区域と、それを境界にして東西にある第9・10住区、尾根幹線道路付近の小野路第三土地区画整理事業区域で構成される。落合という地名は大字落合に由来している。第9住区は東京都住宅供給公社が単独で造成し、1976年(昭和51年)に入居が開始された。続いて1982年(昭和57年)に入居開始された第10住区では、第11住区(鶴牧)と一体の骨太のオープンスペースが特徴の独特な街づくりが行われた。公園や緑地が数多く配置され、高層階から見ると住宅街が緑に埋もれているように見える。なお、第10住区の北端は「多摩センター地区」で、鶴牧・落合地区を網羅する遊歩道(歩行者専用道路)が多摩センター駅前の歩行者デッキに接続している。 鶴牧(つるまき) 1983年(昭和58年)に入居開始した第11住区の東部を構成する。鶴牧という地名は落合の小字鶴牧に由来している。北部は「多摩センター地区」におけるビジネスパークとして位置付けられ、企業の本社ビルや多摩中央警察署、集配局の多摩郵便局などが集積している。当住区から10住区(落合)にかけてのオープンスペース計画は特徴的で、多摩ニュータウン内でよく見られるように、公園と公園を「線」として遊歩道をつなげるだけではなく、鶴牧地区から落合地区(第10住区)にわたって大きな公園のそのものが連続してリング状に配置されている。加えてそこから延びる遊歩道(歩行者専用道路)は住宅街を網羅し、多摩センター駅前の歩行者デッキに接続している。公園どうしの接続や、遊歩道は車道と立体交差になっているので、住宅地から駅前、学校などへは車道を一切横断することなく行き来することができる。これらの「軸」となる富士見通り周辺は、特に桜の季節は市外からも大勢の人が集まるほどの名所にもなり、その景観のすばらしさから日本都市計画学会による日本都市計画学会賞「計画設計賞」を受賞している。 唐木田(からきだ) 1991年(平成3年)入居開始。第11住区および第12住区および土地区画整理事業区域である。唐木田という地名は落合の小字唐木田に由来している。広大なゴルフカントリーが隣接する戸建て住宅地(無電柱化したガーデンロード他)となっている。唐木田駅から延びる唐木田通りには小規模商店が立ち並び賑わいを見せている。他にも大妻女子大学多摩キャンパスや、企業の研修センター、小田急線の唐木田車庫、多摩清掃工場や総合福祉センターがあり、ちょうど八王子市と町田市に挟まれた細長い区域は「唐木田・長池業務地区」となっていてデータセンターが多く立地する。南西部は町田市から多摩市に編入された区域があり、ぐりーんうぉーく多摩の敷地の約半分は多摩市から八王子市に編入された。 愛宕(あたご) 1972年(昭和47年)入居開始した第17住区を構成し、西隣に位置する八王子市鹿島とは同一住区をなしている。愛宕という地名は現存の愛宕神社に由来している。区域にはテニスコートなどのある愛宕東公園や里山を保全した愛宕山緑地があり、尾根筋の高台に沿って見晴らしを良好にしたマンモス団地が立ち並ぶ。 東寺方(ひがしてらがた) 第17住区の北東端のわずか2haの部分を構成。寺方という地名は付近に寺が多いことに由来し、八王子市恩方地区に同じく寺方があることから東がついた。区域にはわずか団地6棟が立っている。東寺方団地と呼ばれている。 和田(わだ) 第17住区の市道愛宕北通り以北を構成。区域には和田郵便局がある。和田団地と呼ばれている。 山王下(さんのうした) 第18住区を構成し、北隣に位置する八王子市松が谷と同一住区をなす。山王下の由来は大字落合の小字山王下から来ているが、当初は多摩・八王子市境にあった「三本松」になる予定で、落合字山王下の既存住民が山王下を要望したため現在の地名になった。都立南多摩看護専門学校があるほか、企業の研修施設やデータセンターが集積している。かつては東京都の多摩ニュータウン開発事業を統括していた「多摩ニュータウン開発本部」があった。 中沢(なかざわ) 1993年(平成5年)入居開始。第11住区の北西部を構成する。中沢の由来は大字落合の小字中沢から来ている。当初は唐木田になる予定であったが、落合字中沢の既存住民が中沢を要望したため、中沢になった。地域には南多摩地域全体の医療を担う「多摩南部地域病院」や「新天本病院」などの大型医療機関が集積している。一戸建てと民間のマンションが多く、西端の谷戸部には花菖蒲の景勝地中沢池公園がある。加えて、多摩ニュータウン区域外に隣接して府中カントリークラブとクラブハウスがある。 南野(みなみの) 新住宅市街地開発事業区域7~11住区と小野路第1~2土地区画整理事業区域の、尾根幹線道路以南で構成される。南野は大部分が旧町田市小野路町で多摩市の南であることが名付けられた。恵泉女学園大学多摩キャンパスや、ナイター照明のある市営野球場とテニスコート、移築された古民家と池などを備えた一本杉公園がある。南野が位置するニュータウンと町田市との境界線となる尾根筋には連続して「よこやまの道」という遊歩緑道が整備されている。
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