企画と脚本とは? わかりやすく解説

企画と脚本

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/13 15:18 UTC 版)

ダイ・ハード」の記事における「企画と脚本」の解説

『ダイ・ハード』の製作は、脚本家ジェブ・スチュアート経済的に困窮していた1987年始まったコロンビア映画購入した彼の脚本放棄されウォルト・ディズニーとの契約では十分な収入得られなかった。スチュアート契約期間が6週間しかなかったため、代理人のジェレミー・ジマー(英語版)が20世紀フォックス製作部門であるゴードン・カンパニーの開発責任者ロイド・レヴィン連絡取ったレヴィンスチュアートに、元警察官ロデリック・ソープ1978年書いた小説Nothing Lasts Forever』(日本版タイトル『ダイ・ハード』)の映画化依頼したスコープは、1974年公開されディザスター映画タワーリング・インフェルノ』を見た後、ビルの中を武装した男たち追われる男夢を見て小説着想得たという。フォックスは、1966年出版されたこの本の前作『The Detective』を1968年フランク・シナトラニューヨーク市警刑事ジョー・リーランドを演じて映画化しており(『刑事』)、『Nothing Lasts Forever自体も、その執筆前に既に続編権利購入していた。 レヴィンは、彼が映画的面白いと思ったロサンゼルスクリスマスという設定さえ維持すれば他はスチュアートの自由で良いとした。本作成功した映画シリーズである『ランボー』にちなんで「オフィスビルの中のランボー」として売り出された。プロデューサーローレンス・ゴードンジョエル・シルバーは、1987年公開されアクション映画『プレデター』一緒に仕事をしたジョン・マクティアナン監督起用した。マクティアナン他のテロスト映画でよくみられるような単に「卑劣不快な行為」だけではなく、「何らかの喜び(some joy)」を盛り込むであれば、という条件引き受けたスチュアートは、バーバンクにあるウォルト・ディズニー・スタジオオフィス18時間労働するようになり、疲労感から「イライラ」していた。妻との喧嘩の後、ドライブ出掛けた先で自分車線上に箱があり、結果として空箱ではあったが、避けられずに轢いてしまった。彼によれば、その後フリーウェイの脇に車を止め、「心臓ドキドキした」という。ここからスチュアートは、「大惨事前に妻に謝るべきだった男」という物語の中テーマ構想した。そして妻と仲直りするために帰宅しその夜35ページ書き上げたスチュアートは、マクレーン夫妻の関係を形作るために、離婚配偶者旧姓に戻るなど、同僚たち結婚生活問題参考にした。 当初主人公ジョン・マクレーンの名前はジョン・フォードであったが、これは同名物故監督ジョン・フォードに失礼だと20世紀フォックス考えたスチュアート彼の出自であるケルト人由来の「善く力強い(good strongスコットランドの名前」としてマクレーン選んだ。彼はこのキャラクターを、最悪状況から教訓得て別人というほどではないが良き人間成長する欠陥のあるヒーロー表現したアクション映画書いた経験がなかったスチュアートは、スリラー映画書いた経験生かしてマクレーンホリー、そして彼らの和解観客に気にかけてもらうことに注力した。スチュアート幹部物語説明をしていると、ゴードンがそれを遮り、まずはドラフト版を完成させるように言って会議から退出したスチュアートは6週間かけて脚本初稿完成させた。 スチュアートは『Nothing Lasts Forever』を理解するのに、レヴィン助け借りた語っている。彼はC-4爆弾エレベーターシャフト投げ込まれシーンや、主人公のジョー・リーランドが屋上から飛び降りるシーンなど、多く場面忠実に再現した。しかし、小説はすべてリーランド視点から語られる形式であり、彼がいなかった場面で起こった出来事については詳しく書かれていなかった。また、小説トーンはよりシニカル虚無的であった悪役アントン・グルーバーはクラクソンが独裁政権支援しているという理由で、世間知らず男女ゲリラ兵使ってクラクソン・ビルを襲撃しまた、リーランド麻薬中毒の娘と会うためにビル訪ねることになったが、最後には娘はグルーバーと共にビルから落ちて死んでしまう。そのため、(リーランド視点では)敵たちの動機はっきりせずリーランドは彼ら(特に女性)を殺すことに葛藤していた。またリーランドは、高給取りセキュリティ・コンサルタントで、経験豊富年配の男性として書かれていた。スチュアートは、この小説トーンを「悲しすぎる」と否定し、また60歳超えた高齢のアクションヒーローというのも説得力がないと考えた。彼はマクレーン登場しない場面において登場人物たちを増やしたり、設定膨らませた。パウエルには妻子与えマクレーンとの関係をより親密にした。また、原作では序盤姿を消すアーガイル中盤以降もしばしば劇中に登場し、最後にマクレーンサポートするオリジナルキャラクターとしては悪徳ジャーナリストリチャード・ソーンバーグ登場する西部劇名優ジョン・ウェインファンだったスチュアートは、カウボーイ言葉含めて脚本全体西部劇要素盛り込んだまた、彼はロサンゼルス建設中だったフォックス・プラザ工事責任者親しくなり、建物中に入って登場人物シーン配置アイデアを得ることができた。そして、1987年6月完成した脚本提出したフォックス1988年の夏の大作映画ブロックバスター)を必要としていたこともあり、この作品翌日には許可された。

※この「企画と脚本」の解説は、「ダイ・ハード」の解説の一部です。
「企画と脚本」を含む「ダイ・ハード」の記事については、「ダイ・ハード」の概要を参照ください。

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