ミレニアムシリーズのメカゴジラ(3式機龍)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/27 09:57 UTC 版)
「メカゴジラ」の記事における「ミレニアムシリーズのメカゴジラ(3式機龍)」の解説
『ゴジラ×メカゴジラ』、『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』『ゲームウォーズ』の原作小説に登場。 特生自衛隊が2003年に完成させたという設定のため、「3式」の名を持つ。正式名称は「3式多目的戦闘システム」 (MFS-3 : Multi-purpose Fighting System - 3)。単に「機龍(きりゅう)」とも呼ばれる。「メカゴジラ」の名称は劇中で開発者の一員である湯原徳光と彼の娘である沙羅が用いるのみであり、『東京SOS』では「メカゴジラ」の名称は一度も出ない。 日本政府により、極秘裏に東京湾の千葉県館山沖の海底から1999年に引き揚げられた初代ゴジラの骨格をメインフレームとして製作された。操縦は、支援航空機「AC-3 しらさぎ」からの遠隔操作によって行われる。首と腰部にある3か所のメンテナンスハッチ(それぞれMB1・MB2・MB3と呼ばれる)から本体に乗り込み、メンテナンスブースからの直接操縦もできるが、戦闘時に生じる加速や衝撃は殺人的なレベルであり、直接操縦による任務遂行は事実上不可能である。 最大稼働時間は2時間程度で、それを越える場合やエネルギーが尽きた場合、もっとも近い自衛隊基地からエネルギーをマイクロウェーブ方式で「しらさぎ」を経由して供給される。現場での応急修理が必要となった時のために前述のメンテナンスハッチとメンテナンスブースが備わっており、出入り口には搭乗者のための放射能除去装置が取り付けられている。この放射能除去装置は2003年時には備え付けのボタンで起動させる手動仕様だが、2004年時には新たに取り付けられた赤外線に触れることで起動する自動仕様に改修されている。 伝達システムには、DNAコンピュータが利用されている。このDNAコンピュータは当初、骨に残留していたゴジラの骨髄間質細胞を使用していたため、初陣ではゴジラの咆哮に共鳴したことで暴走し、しらさぎ3号機を墜落させてアブソリュート・ゼロ以外の全武装を使った結果、八景島周辺をエネルギーが尽きるまで破壊し尽くす大被害をもたらす。この反省から、のちにDNAコンピュータの塩基を修飾塩基に変えてゴジラと違うものにすることにより、暴走を回避する。改修前は目の表面はフラットであったが、改修後はラインが細かく入れられている。 DNAコンピュータを用いた処理速度の向上により、従来の作品に登場する「相手から距離を置いて遠距離戦闘を行うメカゴジラ」とは違い、バックユニットを取り外すことで機動性が向上して身軽になり、ゴジラの放射熱線を紙一重でかわす、殴る、尾をつかんで投げ飛ばすなど、過去作のメカゴジラでは見られなかったほどの精緻かつ素早い動作を実現し、ゴジラと互角以上の肉弾戦を繰り広げる。しかし、それほど損傷を受けていないにもかかわらず、ゴジラの攻撃で吹き飛ばされたり、放射熱線を浴びてダウンしたりするなど、それまでのメカゴジラにはあまり見られなかった脆弱さも見せる。 ゴジラとの初戦ではDNAコンピュータが暴走するトラブルが発生するが、品川での決戦では右腕とアブソリュート・ゼロを失いながらも、痛み分けに持ち込む(『ゴジラ×メカゴジラ』)。また、その翌年には1年かけて改修が行われ、同時に大破したアブソリュート・ゼロから3連装ハイパーメーサー砲への換装、発射可能なように改良された新型バックユニットの装備、そして右手にスパイラル・クロウを内蔵するなどの大幅な武装の見直しも図られて高機動性能が向上した3式機龍〈改〉となる。モスラを交えた戦いでの終盤、自我に目覚めてコントロールを離れ、幼虫モスラの糸で動けなくなったゴジラを抱えたまま飛行し、修理を行った整備員の中條義人に対し、メンテナンスブースのモニターを介して「SAYONARA YOSHITO」という最後のメッセージを送り、そのままゴジラと共に日本海溝深くに沈む(『東京SOS』)。 バックユニットを装備した状態は「重武装タイプ」、切り離した状態は「高機動タイプ」と設定されているが、劇中でこれらの呼称が用いられることはない。 現実でのロボット工学技術や、バイオテクノロジーなどの向上を反映した設定となっている。また、特生自衛隊の所有兵器であるという設定から、機体コードだけでなく兵装の名称にも自衛隊の装備品を意識した設定が用いられている。 スーツアクターは『ゴジラ×メカゴジラ』では石垣広文、『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』では中川素州。石垣は、大野剣友会に所属経験のある造形の若狭新一からの誘いで参加した。石垣は依頼を受けた時点でアクション監督へ転向する意志を固めており、本役がスーツアクターとして最後の出演作となった。 『×メカゴジラ』のクライマックスでは、高機動型がゴジラへ空中回転攻撃を放つシーンが撮影されたが、イメージに合わずカットされた。 予告編などでは「超攻撃型メカゴジラ」と表現された。 『東京SOS』のラストシーンでは、特生自衛隊特殊生物研究本部のDNA貯蔵庫に多数の怪獣のDNAが保管されている様子が描写されており、書籍『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS超全集』ではメカゴジラ以外にも生体ロボットが開発可能であると記述している。 『×メカゴジラ』でのオペレーターである家城茜役を演じた釈由美子にとっては最も思い入れのあるメカゴジラであり、その旨の発言は後年にもたびたび報じられている。
※この「ミレニアムシリーズのメカゴジラ(3式機龍)」の解説は、「メカゴジラ」の解説の一部です。
「ミレニアムシリーズのメカゴジラ(3式機龍)」を含む「メカゴジラ」の記事については、「メカゴジラ」の概要を参照ください。
- ミレニアムシリーズのメカゴジラのページへのリンク