フィクショナル・トルーパーズ
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「ゲームグラフィックス」の記事における「フィクショナル・トルーパーズ」の解説
vol.6号からvol.22号まで掲載(参加はvol.21まで、vol.22は結果発表)。略称は『FT』 架空の1980年代。中東で敵対するメカール共和国とエストビア連邦の傭兵となり、ジェットパイロットとして戦果を競う現代空戦もの。『虚構兵団』とのサブタイトルが付いている。 メカール共和国 革命前のイランがモデルだが、政治形態は共和制である。機体はアメリカを初めとする西側が多く、どちらかと言えば漫画『エリア88』のアスラン王国に似ている。 統一した国籍マークは設定されておらず、トランプの柄(ハート、ダイヤ、スペード、クラブ)が国籍代わりに機体に塗装されている。 エストビア連邦 湾岸戦争前のイラクがモデルだが、王制を維持している。機体はソ連を初めとする東側だが、フランス製も多い。地対空ミサイルや対空砲など防空戦力に限れば、メカールよりも充実している。 メカールと違い、初回から▽(逆三角形)に上から緑、白、橙の斜め三色旗を配した国籍マークがある。 プレイヤーは両陣営の一方に所属し、空戦または爆撃で敵を撃破して生還するのが目的である。『IR』と違う点は毎回ゲームの戦闘場面が「誌上で劇画化される」 ことで、参加したキャラクターが描写されることも多かった。しかし、どちらかと言えばコミックは本作の語られなかった世界背景を説明するツール、すなわち両軍の装備や塗装。基地でパイロット達の日常生活や整備兵たちの描写。軍高官が語る政治的思惑。等、ゲームとしては無くても構わないが、参加者達のイメージを膨らませるのには大いに役立つ媒体として、大変良く機能していた。 機体は用意された複数の種類から選択可能であるが、ランク制限があったり、中には空戦専用や爆撃専用などの指定がある。機体には誰でも乗れるランク1(MiG21やアルファジェットなど)。中堅になれないと乗れないランク2(ミラージュF1やクフィルなど)。エース専用とも言える、最新鋭のランク3(Su-27やF-15など)の区別があり、必要な階級が足りないと上位の機体は選択出来ない。 作戦で敵を撃破したり、生還するとポイントが与えられ、一定ポイントに達するとキャラクターの階級が上昇する。判定はシビアだが、それでも『IR』よりは生還率が高かったのも、本作が人気となった原因の一つであった。 最初のゲームシステムはヘクスマップに飛行コースを記入して作戦参加するもので、航空機データには航続距離の概念があった。もっとも一部の機体には、基地から発進すると航続距離が足りなくて味方基地に戻れなくなる片道特攻状態になるミスも起こったり(編集部側は謝罪の上、臨時飛行場を航続距離内に置くことで救済措置を行った)、ヘクスマップの飛行データをいちいち数えて入力するのが煩雑なためか、このルールシステムは3回のみで終了してしまった。 補給船団攻撃作戦中に国連軍艦隊を誤爆してしまったのをきっかけに、第三勢力(米海軍機動部隊のF/A-18部隊他)の介入を招いて両軍は壊滅的被害を受けたため、メカールとエストビアは一時停戦となり、この間の出来事として特別編「大脱走」が行われた。これは撃墜されて捕虜となった傭兵達が収容所を脱走し、味方の前線まで辿り着くことを競う非空戦ゲームであるが、これも『FT』として扱われている。 「大脱走」を挟み、戦力を整えたメカールとエストビアは再び開戦。ここからシステムが一新され、ヘクスマップ記入方式は廃止された。参加者は機体選択後、作戦と所属飛行隊を記入して提出する簡便な方式へと変わり、選択可能な機体も増えている。また、同時並行で行われていた『IR』ほどの影響力は無いが、ここでも読者の提案からチーム制 が取り入れられてたり、旧式機だがポイントが多めに貰える機体として、ランク0(MiG19やG.91など)の導入が途中で行われている。本作が最も盛り上がったのがこの時期で、参加キャラとして撃墜王が有名人になったり、様々なサイドストーリーが読者コーナーで語られ、自キャラや自機のイラストが盛んに投稿されていた。 最終回。それは先行して最終回を迎えた『IR』に劣らぬ悲惨な背景から始まる。通常、作戦は第1波から第3波の数次に分けて実施される物であるが、このときの両軍の作戦は示し合わせたかのように、全戦力を第1波に集中しての全力出撃であった。次回作戦前の説明でも普段の担当NPCが現れず、見知らぬ将校がブリーフィング(作戦説明)を行うなど、傭兵(参加者)たちはきな臭い雰囲気を感じ取っていたが、それは的中した。最終回の作戦は両国が水面下で交わした合意により、和平にあたって不要な傭兵達を排除する方策だったのだ。傭兵達は戦闘後、味方の筈の正規軍に空と地から追い立てられ、生存者は僅かな人数に過ぎなかった。
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