PJ
「PJ」とは・「PJ」の意味
「PJ」とはビジネス用語であり、地域に密着している金融機関と取引を重ねてきた不動産会社が取り扱っている、建築物や土地に対して使われる言葉だ。「PJ」は「プロジェクト(project)」の略である。金融機関がPJ物件に融資するのは、その後の住宅ローンやアパートローンへとつなげられるからだ。逆に、不動産会社からすれば、ローンありきなら金融機関に融資を頼みやすい。PJ物件を購入した買主も、ローンの審査が通りやすいので、不動産投資においては注目度が高い。プライベートから仕事、副業の投資にいたるまで、PJ物件を押さえておくことは不動産業界において、重要だとされてきた。
一方で若者の中で使われている「PJ」とは、「パパ活女子」の略である。パパ活とは、女性が金銭目的で年上の男性と密接な関係を持つことだ。パパ活はアプリやツイッターから簡単に相手を募れるようになっている。表立って金銭のやりとりがあることを公表しにくいので、「パパ」という言い方で曖昧にしているのが特徴だ。パパ活を斡旋している人間もいるものの、多くの場合は、男女の間で独自にルールが形成される。たった一度だけ試しに会ってみて、そのまま離れてしまう男女も多い。
パパ活は「援助交際」や「愛人」と似ている概念だ。ただ、援助交際と決定的に違うのは、男女の関係性にある。援助交際は、女子高生や女子中学生が小遣い欲しさに、年長者の相手をする行為だった。年長者は「援助」という名目で金銭を渡す。その対価として、女子はデートをしたり、食事に付き添ったりする。肉体関係をともなう援助交際も少なくなかった。それに対し、パパ活では、男女の関係が対等であることも多い。男性側は女子に教養や外見の良さを求める。逆に、女性も男性に、良識や品格を求める。お互いが「誰でもいい」という関係ではなく、慎重に相手を見極めてから、パパ活の契約が行われる仕組みだ。
「愛人」もまた、パパ活とは微妙に定義が異なる。男性にとっての愛人は、性的な関係をともなうケースが少なくない。さらに、愛人は「配偶者がいる男性が、家庭の外で作るパートナー」という意味である。一方で、パパ活は必ずしも肉体関係を必要としない。双方の了解があれば、デートや食事だけの関係も保たれる。また、パパ活を受け入れる男性は既婚者であると限らない。独身男性が孤独を解消しようとして、PJの受け皿になっている可能性もある。
PJには「パジャマ」の意味もある。パジャマは英語で「pajama」と書くので、略して「PJ」と呼ばれてきた。
「PJ」の熟語・言い回し
PJ女子とは
「PJ女子」とは、「パパ活女子」の略である。本来なら「PJ」が「パパ活女子」という意味なので、「PJ女子」は「パパ活女子女子」となり、正しい表記ではない。ただ、意味を伝えやすくするためにあえて「PJ女子」と書くことがある。PJ女子の目的はさまざまだ。ほとんどの女性は金銭が欲しくて、年長者の男性に接近する。さらに、裕福な男性の生活に触れたくて、PJ女子になる人も少なくない。一方で、刺激や人生経験を求めている女子もいる。彼女たちは金銭的に困っているわけではない。ただ、日常では味わえない景色を見ようと、パパ活を始めるのである。
PJ女子が自称するかどうかも、本人の判断によって変わる。SNSやアプリで「PJ女子です」と宣言すれば、男性側からの検索にも引っ掛かりやすい。ただ、あまりにもあからさまに宣言することで、男性たちからの余計なコンタクトが増える可能性もあるだろう。アカウントの中身がバレてしまったときのリスクも高い。そこで、あえてPJ女子であることを明かさず、男性に接近する方法もある。彼女たちはSNSや行きつけのバーなどで男性と知り合い、まずは親しくなるように努める。そして、相手の人間性や経済力を確認できてから、パパ活の提案を持ち出すのだ。
かつて、パパ活には批判的な言説が飛び交っており、抵抗を覚える女子も多かった。こうした風潮が変わり、PJ女子が増えたのは新型コロナウイルスの感染拡大が原因だとされている。コロナを予防するための外出自粛で、多くの若い女性の収入は少なくなった。キャバクラやラウンジなどの夜の店でアルバイトをしていた女子たちも、仕事を抑えるしかなくなった。そこで、新たな副業のひとつとしてパパ活が急浮上したのだ。
新築 PJとは
「新築PJ」とは、新築のPJ物件である。新築PJは、投資家の中でも人気が高い。なぜなら、不動産物件は原則的に、築年数が新しいほど高価だからである。しかも、PJ物件には銀行からのバックアップがつきやすく、購入するハードルは低い。買い手にも売り手にもメリットのある物件が新築PJである。なお、「新築」の定義は明確でないものの、築2~3年ほどまでがそう呼ばれる傾向にある。
新築PJが歓迎されるのは、ローンを組みやすい点だ。長期の住宅ローンを組んだとしても、新築物件は安心して住み続けられる。古い物件と比べて、リフォームや修理で近い将来に、想定外のコストがかかる可能性は低い。金融機関からすると、巨額のローンの契約者を呼び込みやすいのが、新築PJのメリットである。
ネットPJとは
インターネットを使って、パパ活をすることが「ネットPJ」だ。ネットPJでは多くの場合、SNSやアプリ、匿名掲示板などが用いられる。会員制のサイトもあるものの、入会の条件が厳しく、手軽に登録できるわけではない。ネットPJのメリットは、出会いのチャンスの多さである。ほとんどの成人男性は何らかの形でインターネットを利用しているので、PJ女子も目に留まりやすい。経済力のある男性と巡り合えるチャンスも転がっている。さらに、バーやクラブといった現場で男性を探すのが怖い女性からしても、ネットPJは活動を始めやすい方法だ。
もちろん、ネットPJにはデメリットもある。言い寄ってくる男性のリアルでの姿を確認しにくいのは、不安要素のひとつだ。相手が「企業経営者」を名乗っていたとしても、安易に信じるのは危険である。そこで、さまざまなやりとりを通し、相手を見極めるまでの時間は発生する。また、どれだけ慎重にネットで対話しても、結局は実際に会わなければ、まともな相手かは判別できない。「今すぐパパに出会いたい」という女子の中には、リアルでの接近を好む人もいる。
学生PJとは
「学生PJ」とは、女子学生が行うパパ活のことだ。なお、女子高生のパパ活は、その細かい内容を問わず援助交際に分類される傾向が顕著だ。一般的に学生PJといえば、女子大生の活動を指す。大学生になれば女性たちは社会常識や礼儀作法を身につけ始めるので、社会的地位の高い男性とも会話できるようになってくる。「将来のために、人脈を築いておきたい」という野心を抱いている女子大生も少なくない。承認欲求と野心の両方を満たせる方法として、パパ活は女子大生に選ばれてきた。
経済的な困窮から学生PJに走るパターンもある。その大きな原因になっているのが奨学金制度だ。日本の奨学金制度は原則的に高い金利が発生し、短期返済が難しいシステムである。経済状況によっては、中年以降になっても奨学金を完済できない人もいる。新型コロナウイルスの感染拡大でアルバイトを積極的にできなくなってからは、返済手段を失う学生が続出した。このように、奨学金に関する問題を抱えた女子大生の多くがPJへと流れていった。
学生PJは男性側にとっても、「女子大生と疑似恋愛関係を結べる」という魅力がある。ただし、学生PJという名称を隠れ蓑にした売春行為になっている関係もある。
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