パソコン通信クライアント用ソフトウェア
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/19 09:43 UTC 版)
「パソコン通信」の記事における「パソコン通信クライアント用ソフトウェア」の解説
下記は主にパソコン用のパソコン通信向け機能を持った端末ソフト(いわゆる通信ソフト。ダム端末エミュレータと呼ばれる事もある)である。この他にもワープロソフト中に通信機能を持ったものやワープロ専用機に通信機能(OASYSのAutoComなど)を持った物もあった。 まいと〜く - インターコム社製の有料ソフトウェア。1986年11月発売。「MS-DOSも知らんと言う人でも、手軽にパソコン通信を楽しめる」というコンセプトのソフトウェア。初心者でも簡単に使えるよう設定が簡略化され、操作性についても配慮がなされていた。通信ログを遡れる機能、日本語ワープロ機能などの機能を本体に取込み、これ1本である程度の情報処理ができる。最初のバージョンではB5判で450ページとA4判42ページ、次のバージョンではA5判で「準備編」、「速習編」、「実習編」、「資料編」の4冊と、初心者にも懇切丁寧を心がけた結果膨大なマニュアルが添付されており、日本語入力システムや、各社のモデムのディップスイッチ設定についてまでも解説がなされていた。インターコムは1985年からモデム(my looper)を通信販売していたが、その販促用として、パソコン通信で知り合ったプログラマーの協力で、半ば遊び半分で開発されたもの。1988年の雑誌『THE COMPUTER』では、「人気ナンバーワン」と称されていた。その後発売された『まいと〜く for Windows』(Microsoft Windows 3.x用、価格28000円)では主要ネットワーク200件のアクセス設定情報が既にプリセットされており、またアクセスポイントへの接続について、NTTのみならず第二電電等各社の中から最も通信料金の安い回線を探索するLCR機能などが搭載された。ちなみに姉妹品として『まいと〜くFAX』というファックスソフトもあり、for Windows(Windows3.x用、19000円)ではやはり、送信時にLCR機能で安価な回線を検索できる KmTermX - フリーソフト。通称「KTX」。PC-9800シリーズとPC/AT互換機向け。WTERMと双璧を成した。軽快な動作と独自マルチタスクエンジンによる並行動作が売りで、マクロもコンパイルを要するなど高度だがそのためとっつきにくさなどもあり、中級者以上に支持されたソフト。後にWindows用も開発された。Win32版の開発終了直前にソースコード一式が、作者のHPで公開されていた。 WTERM - フリーソフト。H.INOUE、TOMTOM制作。初心者からでも使え、MS-DOSが動作する様々な機種に移植された。ダイヤル時に回線がbusyであった時に単純にその電話番号にかけなおすのではなく、関連づけられた別の電話番号にダイヤルしなおす機能やオートパイロット、バックスクロールや、入力した文字列を再表示させられるヒストリー機能など、多くの機能が盛り込まれていた。また、添付されたマニュアルはA4用紙換算で約100枚というボリュームで、WTERMのインストール時に「フロッピーをフォーマットするところから説明を始めている」懇切丁寧なものであった。 CCT - 技術評論社製の有料ソフトウェア。強力なマクロ機能を特徴とする。CCT-98IIでは「コンカレント機能」と言うマルチタスク的な機能があり、ダウンロードを行いながら内蔵テキストエディタで文章を作る事などが可能となっている。CCT-98III(価格20000円)は親切なセットアップ環境が用意され、また文献によればマクロ機能は非常に強力であったとのことである。その後『CCT-Win』(Microsoft Windows 3.x用、価格20000円)も発売されている。 EasyTERM - フリーソフト。マルチタスク環境で通信中に内蔵エディタが使えた。Cソースが公開されていたため,派生版もある。 EmTerm - シェアウェア。後発ながら高機能で支持を集めた。EmTermの一部機能はEmEditorに利用された。Windows 95等。 ESterm2 - アスキー社製。処理速度が比較的速く、バイナリ転送プロトコルが充実していた。 hwterm - ハイパーウェア製の有料ソフトウェア。Unix等の端末としてパソコンを使うための端末ソフトとしての性格も強いのが特徴である。 JETターミナル - キャリーラボが1986年に発売した有料ソフトで9800円。PC-8801、PC-9801専用であったが、同社のワープロソフトのJETの技術を取り入れ、ターミナル機能だけではなく、かな漢字変換(述語変換)も可能になっていた。まいとーく、CCTより安価であり、このソフトウェアにより当時PC-8801のユーザーが相当数を占めていたため、半角カナ英数のみの通信であったパソコン通信が漢字での通信が容易になり、飛躍的に漢字化が進んだ。 秀Term - シェアウェア。ver.4からは「秀Term Evolution」と改称。Windows 95等。 MopTerm - フリーソフト。FM TOWNS(Towns-OS)用、Windows 3.1、Windows 95等。「猫の手スクロール」機能を持つ。 NinjaTerm - フリーソフト。Mac OS用の通信ソフトでは草分け的存在。System6時代にはほとんどの人が使っていた。 STERM - フリーソフト。OS/2 PMアプリ。Telnet端末としても有用だった。 Tera Term - Windows 3.1、Windows 95等。現在[いつ?]はオープンソース。 CommunicationPRO68K - X68000上で動作した。シャープ テレビ事業部から発売された。 以下は、各ホストプログラムの出力やコマンドに対応した、専用ソフト(オフラインログリーダーなどと呼ばれた)である。 NIFTY-Serve(現・@nifty)専用の巡回通信ソフト群ComNifty - フリーソフト。Mac OS用。フォーラムを指定すると自動的に巡回してログを保存してくれる。ログ切り出しソフトの「まな板」とNIFTY専用ブラウザ「茄子R」と組み合わせて使う。 NifTerm - 年間制のシェアウェア。Windows 95等。統合型通信ソフト。NIFTY-Serveが積極的に配布サービスを行っていたことにより、使用している会員は多かった。後にNIFTY-Serveの衰退にともなう利用者減少により、料金は年間制から永久制に変更になった。 AirCraft - もともとはMS-DOS用で通信環境などのベースシステムとなる「Air」に、別の作者によるマクロプログラム「Craft」を組み合わせたものでフリーソフトであったが、Windows用は一体化してシェアウェアとなった。オートパイロット、ログブラウザ、エディタ、アドレス帳、データベース、チャットアダプタなどを備えた統合型通信ソフト。 CockNews(CN) - X68000上で動作するソフトウェア。NET-COCK用の優秀なオフラインログリーダーとしてその人気を支えた。派生といえるものに、PC-98用のCockMate(CM)、PC/AT互換機用のCockLife for DOS/V(CLV)などがある。
※この「パソコン通信クライアント用ソフトウェア」の解説は、「パソコン通信」の解説の一部です。
「パソコン通信クライアント用ソフトウェア」を含む「パソコン通信」の記事については、「パソコン通信」の概要を参照ください。
- パソコン通信クライアント用ソフトウェアのページへのリンク