スカジ (北欧神話)
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スカジ(古ノルド語: Skaði [ˈskɑðe]、英語: Skathi、Skade、Skadi、スカディとも)は、北欧神話に登場する女の巨人である[注釈 1]。
注釈
- ^ バーバラ・ウォーカーによればスカアハは北欧神話の女神スカジと同一の神格である(高平 et al. 1998, p. 92)。ただ、この説の初出はバーバラ・ウォーカー著『神話・伝承事典』である。前提として、彼女はアイルランド伝承あるいは北欧神話の研究者ではなく、作家・フェミニストであるため、神話上の裏付けがないものも多分に含まれていることを留意すべきだろう。
- ^ 『エッダ 古代北欧歌謡集』67頁での説明による。ただし、『エッダ/グレティルのサガ』(松谷健二訳、筑摩書房、)32頁の説明では、ニョルズの妻ではあるがフレイの母ではないとされている。
- ^ レジス・ボワイエ『ヴァイキングの暮らしと文化』227頁。および同個所の注39(321頁)。高平鳴海他『女神』(新紀元社、1998年)90-91頁。 ただし、北欧の百科事典の説明するところでは、大プリニウスが1世紀に『博物誌』に記したラテン語の「スカディナヴィア」の由来である、スカンディナヴィア半島南端の地名「スコーネ」(Skaane)が、「スカンディア」(Scandia)となったという(百瀬宏・熊野聰・村井誠人『北欧史』山川出版社、1998年、3-4頁)。学術的にはこちらが主流。
- ^ この経緯が、ドナルド・A・マッケンジー『北欧のロマン ゲルマン神話』(東浦義雄、竹村恵都子訳、大修館書店、1997年)105-106頁では前後している。アースガルズに乗り込んだスカジは神々からの和睦の申し出を蹴り、まず「私を笑わせてみよ」と言う。そこでロキが自分の陰嚢と牝山羊の髭とを紐で繋いだ綱引きをし、スカジは笑って怒りを解いた。次にオーディンがスィアチの眼球で星を作り、それからアース神族との結婚をもちかけている。
- ^ 『デンマーク人の事績』の「第一の書」は次のようなエピソードを語っている。王女レグニルダが巨人と婚約したことを嫌ったハディングス(ハディング)は、この巨人と戦って斃したものの負傷した。レグニルダは恩人の彼を看病した際、彼の脚の傷口に指輪を隠した。後にレグニルダは、父王が宴会に呼んだ若者達の中から夫を選ぶことになった。レグニルダは彼らの脚に触れていき、指輪を目印にハディングスを探し当てて彼を夫に選んだという。[11]
出典
- ^ 『エッダ 古代北欧歌謡集』58頁。
- ^ 『生と死の北欧神話』176頁。
- ^ 『生と死の北欧神話』146頁。
- ^ 『生と死の北欧神話』158頁。
- ^ 『生と死の北欧神話』145-146頁。
- ^ 『エッダ 古代北欧歌謡集』245頁。
- ^ 『エッダ 古代北欧歌謡集』53頁。
- ^ a b 『「詩語法」訳注』3頁、『エッダ 古代北欧歌謡集』58頁。
- ^ 『北欧神話』(デイヴィッドソン)171頁。
- ^ 『デュメジル・コレクション 4』48頁。
- ^ 『デンマーク人の事績』(サクソ・グラマティクス著、谷口幸男訳、東海大学出版会、1993年、ISBN 978-4-486-01224-5)40-41頁(第一の書)。
- ^ 『エッダ 古代北欧歌謡集』85頁。
- ^ 『エッダ 古代北欧歌謡集』87頁、274頁。
- ^ 松村武雄編著 『世界神話伝説大系 30 北欧の神話伝説(II)』 名著普及会、1980年改訂版、8-12頁。ただし原典の説明はなし。
- ^ a b 『ヘイムスクリングラ(一)』48頁。
- ^ a b c d e f 『オージンのいる風景』227-228頁。
- ^ a b c 『ヘイムスクリングラ(一)』49頁。
- ^ 『オージンのいる風景』177頁。
- ^ 『オージンのいる風景』187頁。
- 1 スカジ (北欧神話)とは
- 2 スカジ (北欧神話)の概要
- 3 関連項目
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