サニー
サニーとは、太陽がいっぱい、明るく快活で若々しいという意味をもつ。初代は1966年4月に誕生したが、このネーミングは公募のかたちをとり、848万3105通という膨大な数の中から選んだ名前だった。エンジンは1Lでコラム式3速MTだけ。ボディタイプは2ドアセダンで、グレードはデラックスとスタンダードというシンプルな商品展開。しかし、625kgという軽い車重と相まって、最高速度135km/h、0→400m20.6秒を実現した。価格はデラックスが46万円、スタンダードが41万円だった。
67年4月、4ドア車を追加。同時に4速MTフロアのスポーツと3速ATを設定、ラインアップを整えた。68年3月、ヤングマーケットをターゲットにしたクーペ発売。1Lの直4・OHVエンジンは56psから60psにアップ、最高速度も140km/hに伸びた。69年8月、豪華仕様のGLを追加。70年1月、直4・OHVの1.2Lエンジンを採用、1Lエンジンは消滅した。ボディタイプは4ドアセダンと2ドアクーペ。型式がB10からB110に変わり、2代目へと進化した。4月にはGXモデルを設定した。SUツインキャブレーターを装着、83psを発揮する高性能車で、国内レースでの活躍が目立ったモデルだった。
71年4月、豪華さと個性的なスタイルをテーマとした、1.4Lエンジンのエクセレントをバリエーションアップ。72年3月、1200GXとエクセレントGXにATを設定。8月、サーボシンクロ5速ミッションを装備する軽量車、1200GX-5を発売。セダンとクーペに設定があった。
73年5月、フルモデルチェンジ、3世代目(B210型)に入った。エンジンはOHV・1.2Lと、SOHC・1.4L(エクセレント系)の2本立てで、ミッションは4速、5速MTと3速AT。ボディタイプは2ドアと4ドアのセダン、2ドアファーストバック・クーペがそろった。75年の10月と12月に排ガス対策のための改良があり、ツインキャブ仕様は中止した。76年2月5日に1200系をマイナーチェンジ、25日にエクセレント系のエンジンを1.6Lに拡大。したがって1.2L、1.4L、1.6Lがそろうことになった。6月には、4ドアとクーペに1400GX-T追加。Tはツインキャブレーターを示し、走りを楽しみたい層の要望にこたえ、復活。
77年2月、1400・Lシリーズ新設。11月、フルモデルチェンジした4代目、310型発売。2ドアと4ドアのセダン、2ドアのクーペというバリエーションで、エンジンは4気筒OHVの1.2L(1171→1237ccにアップ)と1.4L。クーペはファーストバックでリヤハッチを備えていた。エクセレントは消滅。78年2月には1.4Lエンジンを電子制御燃料噴射とした1400Eを追加。キャブレーター仕様の80psから一挙に92psにパワーアップした。3ジョイントプロペラシャフトを新採用。5月には1200の実用モデルを追加。79年1月、4ドア+ハッチバックのワゴン車、カリフォルニア(明るく楽しいカリフォルニアのイメージから命名)新登場。長く親しまれたこのモデルの第1号である。エンジンは1.4L.全長がセダンより165mm長かった。
79年10月、マイナーチェンジ。フロントグリルをスラントノーズに改め。ヘッドランプが丸型から角型になった。新車種の追加もあった。80年11月のマイナーチェンジでは、従来の1.2L型が1.3Lエンジンに、1.4L型が1.5Lエンジンに変わった。1.5Lエンジンは燃料噴射型で、パワーアップ、ドライバビリティ向上と燃費改善をはかった。一部にガラス製脱着式のサンルーフ仕様を設定した。
5代目は81年10月に生まれた。大きな違いは、FFとなったことである。エンジンはSOHCの1.3Lと1.5Lで、ボディ・バリエーションは4ドアセダン、2ドアクーペ(ハッチバック)、カリフォルニアく5ドアワゴン)の3種類だった。
82年9月、1.5Lターボエンジンのルプリ(フランス語で、高い走行性能をイメージして命名)をセダンとクーペに設定。パワーアップ対策として、強化サスペンションやスタビライザーの設置、4輪ディスクブレーキの採用などを実施。10月には、初のディーゼルエンジン(1.7LNA)をセダンとカリフォルニアに設定した。
83年10月のマイナーチェンジでクーペを廃止。代わってセダンベースの3ドアハッチバック車を新設定。エンジンは1.5Lと電子制御ターボ1.5Lの2種を積み、フルフラットシートやリヤのラウンジシートが特徴でもあった。84年10月のマイナーチェンジでもセダンの1.3L車にGLエクストラを追加。
85年9月、6代目発売。4ドアセダンと3ドアハッチバック、そしてカリフォルニアの3本立てのボディに、エンジンはガソリンの1.3Lと1.5L、同ターボ、ディーゼルの1.7Lをそろえた。1.5Lセダンにパートタイム方式の4WD車設定。86年2月、RZ-1(RunaboutのR、ZenithのZとNo.1の1を組み合わせ、俊足な走りをイメージして命名)と呼ぶクーペを新たに追加。ツインカム1.5Lのターボとノンターボの2タイプがあった。7月、セダンの1500DX、8月には1.6L・DOHCエンジンを導入、セダン、ハッチバック、RZ-1に搭載モデルを設定した。9月、フルオート・フルタイム4WDと名付けた、ビスカスカップリング方式の4WDシステムを、セダンとカリフォルニアに採用。セダンの豪華モデル、1500スーパーサルーンEもリリースした。
87年5月、セダンの1.5L車にエレガントサルーン追加。9月のマイナーチェンジで1.5LエンジンがE系からGA系に変わった。キャブレーターとインジェクションの2種の仕様があった。1.6L・DOHCと1.7Lディーゼルは残った。88年1月、4ドアセダンにラリー用ベース車設定。エンジンは1.6L・DOHCを搭載。カセットやパワーウインドウを外し、約40kgの軽量化をはかったモデルだった。2月、セダンのスーパーサルーン系にツインエアロルーフ車追加。5月、ブロンズガラスやエアコン標準装備モデル設定。6月には、パルサーと同じトリプルビスカス車を加え、新しくTRADシリーズもラインアップした。10月、積雪地向けのスノーバージョンを4ドアセダンに新設。89年1月、ATの誤操作防止装置と車種追加。5月、4ドアセダンにエレガントサルーンとRZ-1タイプJをリリース。
90年1月、フルモデルチェンジで7代目。エンジンはガソリンが従来の1.3L、1.5L、1.6Lに加えて1.8Lを新採用、1.7Lディーゼルも生き残った。ボディタイプはセダンだけになり、駆動方式はFFと4WDがあった。1.8Lエンジン車の4WDシステムはアテーサ方式に進化。同時発表でNXクーペ(NewのNと未知の意を示す記号Xから命名)というモデルがあったが、こちらは新車種として独立した。7月、実用タイプのパートタイム4WD車追加。10月にはカリフォルニアをフルモデルチェンジした。
92年10月、マイナーチェンジで内外観をリファイン、新車種としてエクセーヌ地シート採用モデルと、エアロパーツをまとったGTSを追加した。NXクーペもマイナーチェンジを実施。
94年1月、8代目デビュー。キャブ・フォワードのトレンドに合ったスタイルに変わった。このときのボディタイプはセダンだけで、エンジンはガソリンが1.3L、1.5L、1.6L、1.8Lで、すべてツインカム16バルブ、ほかに2L・NAディーゼルもあった。駆動方式はFFと4WD。5月、クーペのルキノ(ギリシャ・ローマ神話の女神、ルサイナ:LUCINAからとった造語)を追加した。サニーとしては久々のクーペモデルだった。このとき、セダンにリーンバーン型1.5Lエンジンを新設定。
95年1月、ルキノの3ドアハッチバック車がデビューした。サニーとしては久しぶりのボディタイプだった。エンジンはガソリンだけで1.5L、1.6L、1.8Lを搭載。
98年10月、9代目発売。新プラットフォームを採用した、新型セダンに生まれ変わった。エンジンは1.3L、1.5L、1.6L、1.8Lで、2Lディーゼルは中止。駆動方式は2WDが標準で、一部に4WDがあった。ミッションは5速MT、ハイパーCVT、4速AT(E-ATx)の3種類。ブレーキアシスト、ABS、EBDなどを標準装備。2000年9月にグレードを3つに整理(FE、EXサルーン、スーパーサルーン)、めっき仕様のアウトサイドドアハンドルの採用、新色ボディカラーの追加などがあった。このとき、1.6Lエンジンがなくなり、2.2Lディーゼルエンジンを追加。2001年4月、お買い得車スーパーサルーンSV、EXサルーンSVを設定、1.5L・QG15DE型エンジン(2WD車)が良-低排出ガス車として発売となった。2010年燃費基準にも適合。
2002年5月、マイナーチェンジ。フロントグリル、フロントおよびリヤバンパーをリデザインし、内装色も明るいカフェラテ色を採用した。また、衝突時に頚部への負担を軽減するアクティブヘッドレストを標準装備。エンジン関係の排ガス対策もポイントで、2WD車1.5L・QG15DE型エンジンが超-低排出ガス車の認定を受け、同エンジンの4WD車が良-低排出ガス認定車になった。また、QG13DE型エンジン搭載のMT車が、2010年燃費基準に適合した。1.8Lと2.2Lディーゼル車は廃止。
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