フルフラットシート
全シートをフルリクライニングさせて座面と背もたれをほぼ水平につなげ、ベッドのように使えるようにするシートアレンジ。ミニバンを中心に普及しているが、完全にフラットになるものは少ない。利点は仮眠がしやすいこと。弱点はこれを追求するとシートが小さくなったり、平板になり、シート本来の掛け心地を悪化しがちなことで、当然、その影響はコンパクトなクルマほど大きい。
フルフラットシート(前後相対式)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/27 23:10 UTC 版)
「ビジネスクラス」の記事における「フルフラットシート(前後相対式)」の解説
1999年にブリティッシュ・エアウェイズで登場、その後ユナイテッド航空などで採用される。座席の前後、左右などで機首部と逆向きの座席を配置する方式で、狭い足部と広い頭頂部、あるいは狭い足部同士が隣り合わせになるため、足部のスペースを別の部分に回すことで幅スペースをとりやすく、ボーイング747で通常横7列であるところを横8列に増加させることが可能となった。 これにより座席数に余裕が生まれ、シートピッチ180cm強の座席長を実現、完全なフルフラットシートを実現させている。さらに、全ての座席から直接通路へ出ることができるメリットがある。一方で、レイアウトによっては座席の横幅が窮屈になりやすい、座席の半数が一般的な航空機では主流では無い後ろ向きシートとならざるを得ない、一般的な前向きの席に比べ後ろ向きの座席が埋まりにくいという欠点を抱えている。 日本での導入例は、半数が後ろ向きレイアウトになる問題からか、全日空がほぼ個室仕様の新シート『The Room』が登場するまで採用例が無い。ちなみに、『The Room』ではフルフラット時に向い合せの席の足が収まる部位をサイドテーブルとして使い、シートとして使う時は二人分のゆとりある幅を確保することで、ファーストクラス『THE Suite』に勝るとも劣らぬ快適性を獲得している。 2018年にカタール航空が導入した「Qsuite」は扉付きのほぼ個室仕様のシートであり、可動式パーティションを採用しているためパーティションを移動すればダブルベッドになり、中央4席は4人掛けのクワッドデザインになる革新的シートで、スカイトラックス社のビジネスクラス部門で世界1位を獲得した。 なお、世界で最初にビジネスクラスのフルフラット化を実現したシートであるが、上記の問題からかヘリンボーン式やスタッガード式の後塵を拝しており、ブリティッシュ・エアウェイズの新型ビジネスシートはこのタイプで無くなるなど、少数派を脱するには至っていない。
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フルフラットシート(ヘリンボーン式)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/27 23:10 UTC 版)
「ビジネスクラス」の記事における「フルフラットシート(ヘリンボーン式)」の解説
通路に対し斜め向きに座席を配置する方式。斜め向きとすることでシートピッチをかなり縮められ、また頭頂部のスペースを非常に広く取れる上に、全ての座席から直接通路へ出ることができる。ただし、全ての座席が斜め向きになり隣り合う座席が無いことと、デッドスペースが多くなる場合があるのが欠点として挙げられる。因みに、着席時の座席を倒して逆側にある睡眠用の面を出して使用するタイプの座席も多い。 ヴァージン・アトランティック航空が2006年に初採用。以後、ニュージーランド航空などを中心に採用が進んでいる。2000年代後半以降、ライフラットシートに変わる新型ビジネスクラス座席の主流の1つとなりつつある座席であったが、2010年代以降はスタッガード式の後塵を拝している。一方で日本航空が2016年以降、スタッガード式と並行して採用するなどの事例もあり、機種によっては隣り合う席の足を上下互い違いにしスペースを有効活用している。因みに、2020年に就航予定の日本航空系LCCのZIPAIRが、親会社の同等系に比べると簡素になっている(個別のディスプレイ省略など)ものの、ビジネスクラス相当のシートとして採用している。 なお、ヴァージン・アトランティック航空が当初に採用したレイアウトは足を通路側に向ける仕様であったが、展望面で難があることから頭を通路に向けるリバースヘリンボーンがヘリンボーン式のレイアウトの主流となっており、ヴァージン・アトランティック航空もリニューアルの際に通路側は旧来のままで窓側だけをリバースヘリンボーンに変更した仕様を投入している。
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フルフラットシート(幅広式)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/27 23:10 UTC 版)
「ビジネスクラス」の記事における「フルフラットシート(幅広式)」の解説
シンガポール航空と一部機材において採用されているもので、横幅を広く取ることで着席時の快適性を向上させているが、縦幅は他の座席に比べ狭い。横幅を広く取ったことにより1-2-1の配列となることで、全ての座席から直接通路へ出ることができる。一方で座席数をそれなりに維持するため、睡眠時は前席の頭頂部と後席の足部がスペースを半分ずつ取り、ピッチを埋めている。そのため、睡眠時は上記と同じ斜め向きの睡眠となるが、ヘリンボーン式よりは機首に対し縦向きになっている。
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フルフラットシート(通常配置式)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/27 23:10 UTC 版)
「ビジネスクラス」の記事における「フルフラットシート(通常配置式)」の解説
ファーストクラスと同じく、これまでのような通常タイプの座席配置のまま、シートピッチを単純に引き伸ばしてフルフラット方式としたもの。前項3つのタイプと違って座席単位でスペース、配置になんらかの犠牲がない一方、スペースの省略を行わないことで座席数が非常に少なくなってしまうため、今のところ大型機に限定した採用である。変則配置でないがゆえに直接通路へ出られない席が発生するデメリットと、座席が隣接しているのでカップル用途には好都合と言うメリットを持っている。 南アフリカ航空が一部の長距離路線向けに採用する程度で、座席数の減少を懸念した他の会社は前項のいずれかの方式を採用していたが、フラットシートを各社が採用しサービス面に大差がなくなってきたこと、超大型機A380が就航したこともあり、エールフランスや大韓航空が2010年以降の新型座席に採用している。なお、日本航空がスタッガード式とミックスする形で採用(窓側スタッガード式・中央通常配置式)し、個人利用とカップル用途を両立させている。
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フルフラットシート(スタッガード式)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/27 23:10 UTC 版)
「ビジネスクラス」の記事における「フルフラットシート(スタッガード式)」の解説
スタッガードとは互い違いの意味で、座席が縦列ごとに半分縦にずらされて配置されている。また縦列で見たときに、前の客の頭部と後ろの客の足先の間に更に数十センチの空間をおき、この空間は隣の列の客がサイドテーブルとしたり、通路への出口に利用される。そのため客1人あたりの占用スペースは、カタカナの「ト」の形のようになる。このサイド空間のおかげで、2-4-2配列ならどの席からも通路に出ることが可能になり、高いパーティションをすべての座席間に設置してプライバシーを守ることも可能になった。 このレイアウトの特徴として、前列座席の足下と後列座席の頭部が隣り合う形となるため、同規模の正規配置の座席より座席を多く配置しやすい事が挙げられる。ただし、この利点は同等の快適性を持つフルフラットシートとの比較であり、座席のグレードアップの一環としての変更の場合は座席数減少する場合もあるので注意する必要がある。因みに、窓側は完全互い違い一択であるが、中央部分のレイアウトは2-3-2配列の場合は中央部は左右どちらからでも出られる特徴を持ち、2-4-2配列の場合はビジネス用途が主流の場合は完全に互い違いにして独立性を優先、観光用途が主流の場合は隣り合うレイアウトにし夫婦などのカップル用途に対応するなど、バリエーションが豊富なレイアウトでもある。更に、日本航空など一部の航空会社では、隣り合う座席間に開閉可能なパーティションを設置し独立性とカップル用途を両立している。 エミレーツ航空が長距離路線用に最初に採用し、その後他社も他のシートからの移行を行い、2010年代の主流の1つとなっている。日本国内では全日空が2010年に、日本航空が2012年に採用し、ライフラットシートに代わる日本の航空会社のビジネスクラスの新標準となっている。
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