オイルシールとは? わかりやすく解説

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オイルシール

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/20 10:10 UTC 版)

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オイルシールとは、回転における潤滑剤の漏れや異物の混入を防ぐ密封装置の一種。一言で言えば、オイル(油)をシールする(封じる)機械要素である。

形状・機能

オイルシール(構造が見やすいよう環状のものを一部切除)、外側が固定部分に取り付けられる。断面の白い部分が金属、内側の上部が液封部(シールリップ部)で下側が異物侵入防御のダストリップ部

形状は、金属リングと合成ゴムを組み合わせた環状のものが普通。リップと呼ばれる内側部分が、中に入った環状コイルばねに押されて軸表面に弾性的に密着する。通常、機械の摩擦部分には機械を動きやすくするために潤滑油を入れる。その回転、往復又は遥動する機械の軸まわりにオイルシールを装着し、すきまから油が漏れるのを防ぐために用いられる。そのとき、完全に油が漏れるのを密封するわけではなく、あえて少しずつ油を漏らすことで機械の動きをより滑らかにする。また、外部から埃や土砂が機械内部へ侵入するのを防ぐ機能もある。油だけでなく、機械に使用される水・薬液・ガス等が外部に漏れないようにする目的のものもある。

構成

環状のオイルシールの内周部の軸との接着部分を「リップ部」、外周部のハウジング穴との接着部分を「はめあい部」という。

リップ部

  • リップ先端部(遥動面)
くさび上の断面形状をなし、先端部で軸表面を押し付けて、流体を密封する。
  • シールリップ部
フレキシブルなエラストマーでできている。機械の振動や密封流体の圧力変動の影響に対し、安定した密封作用を保つように設計されている。リップ先端部の軸表面との接触状態を安定した状態に保つ。
  • ダストリップ部
補助的に付けられた、バネなしリップで、外部からのダスト侵入を防ぐ。

はめあい部

オイルシールをハウジング穴に固定する。同時に、オイルシール外周面とハウジング内面との接触両面からの流体の漏れ、又は侵入を防ぐ。

使用先

主として自動車のエンジン、トランスミッションに使用。車軸やサスペンション、ショックアブソーバーなど、直動部分にも使われている。乗用車1台あたり60個以上使用されている。他にも建設機械、工作機械、ロボット、航空機、宇宙航空機、船舶、鉄道車両、農業機械、石油化学プラント、原子力発電プラント、家庭電気製品など、あらゆる分野の凡そ機械と名の付くもの全てに使用されている。

参考文献

  • 日本プラントメンテナンス協会編 『わかりやすい機械要素 下巻』 JIPMソリューション、2001年。ISBN 4-88956-189-7 第10章シール

関連項目



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