エーオースとは? わかりやすく解説

エーオース

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/04 02:58 UTC 版)

エーオース
Ἠώς
の女神
位置づけ ティーターン
住処 天空(雲の上)
シンボル 雄鶏,
配偶神 アストライオス
ヒュペリーオーン, テイアー
兄弟 ヘーリオス, セレーネー
子供 アネモイ, アストライアー, ポースポロス, ヘスペロス
ローマ神話 アウローラ
テンプレートを表示

エーオース古代ギリシア語イオニア方言: Ἠώς, Ēōs)またはヘオースアッティカ方言: Ἑώς, Heōs)は、ギリシア神話に登場する女神である。その名は古典ギリシア語で「暁」を意味し、暁の神格化である。ティーターンの系譜に属し、様々な恋の物語が彼女をめぐって存在する。聖鳥、聖虫は雄鶏日本語では長母音を省略してエオスとも呼ぶ。

概説

エーオースはその名の通り、暁の女神である。ティーターンであるヒュペリーオーンテイアー女神のあいだに生まれた。兄弟には、同じく自然現象や天体の神格化と言える、ヘーリオス(太陽)とセレーネー(月)がいる[1]。また、同じくティーターンの系譜にあるアストライオスとの間で、三柱のアネモイ)、すなわちゼピュロス(西風・春風)、ボレアース(北風)、ノトス(南風)、そしてすべての星々を生んだとされる[2]

神話

ティートーノスとの恋と定め

メムノーンを抱き上げるエーオースを描いたアッティカの赤絵式杯。紀元前490年-480年頃(ルーヴル美術館蔵)

エーオースはイーリオスラーオメドーンの子ティートーノスとの間に、英雄メムノーンエーマティオーンをもうけた。エーマティオーンはヘーラクレースに討たれた。メムノーンは、父ティートーノスがイーリオス王プリアモスの兄弟だったため、エチオピア勢を率いてトロイア戦争に参加した。

ケパロスとの恋

オーリーオーンとの恋

オーリーオーンに恋をしたエーオースはその当時盲目であった彼の目を兄であるヘーリオスに治してもらう。その後、晴れてオーリーオーンと恋仲となったエーオースだったが、彼と会いたいがために自身の仕事を早く切り上げるようになったため、その交際中、夜明けの時間が短くなってしまったという。

ローマ神話での対応と別名

ローマ神話では、アウローララテン語: Aurōra)が対応する女神である。

アッティカ方言では、ヘオースというが、これも「暁」の意である。叙事詩での定型修飾称号に、「薔薇色の指持つ(古代ギリシャ語: ῥοδοδάκτυλος, ラテン文字転写: rhododaktylos)」や「黄金の腕持つ」あるいは「黄金の御座にまします(古代ギリシャ語: χρυσόθρονος, ラテン文字転写: khrysothronos)」などがある。ἠριγένεια Ἠώςエーリゲネイア・エーオース)とは「早きに生まれた暁」の意味である。ホメーロス«ῥοδοδάκτυλος Ἠώς»すなわち「薔薇色の指もてる暁が」と述べる。こうして、ホメーロスなどの叙事詩では、一日の記述が「ばら色の指をした暁の女神エーオース」などの表現ではじまる。

ギャラリー

脚注

  1. ^ アポロドーロス『ギリシア神話』第1巻2・2。
  2. ^ アポロドーロス『ギリシア神話』第1巻2・4。および、ヘーシオドス『神統記』378行-382行。

参考書籍

関連項目





固有名詞の分類

このページでは「ウィキペディア」からエーオースを検索した結果を表示しています。
Weblioに収録されているすべての辞書からエーオースを検索する場合は、下記のリンクをクリックしてください。
 全ての辞書からエーオース を検索

英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「エーオース」の関連用語

エーオースのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



エーオースのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのエーオース (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS