改質とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 同じ種類の言葉 > 化学 > 化学反応 > 改質 >  改質の意味・解説 

かい‐しつ【改質】

読み方:かいしつ

ガソリンなどの炭化水素組成性質改良すること。重質ナフサ加熱あるいは触媒用いて芳香族成分多く含むオクタン価の高いガソリンにすることなど。リフォーミング


改質

読み方かいしつ
【英】: reforming

通常は、ナフサ構成している炭化水素構造を、よりオクタン価の高い炭化水素転化し、高オクタン価ガソリンまたはガソリン基材を得る操作を改質(リフォーミング)という。スチーム炭化水素触媒の下に反応させ、合成ガス水素一酸化炭素混合ガス)あるいは水素製造するスチーム・リフォーミングを指すこともあるが、本項では前者(ナフサ・リフォーミング)について述べる。
炭化水素オクタン価は、一般に(1) 芳香族炭化水素が最も高く次いでナフテン系オレフィン系、パラフィン系炭化水素の順に低く(2) 同族炭化水素では炭素数の少ない、いわゆる沸点のものほど高く(3) 同じ炭素数でも側鎖の多いものほど高い。
そこでオクタン価の高いガソリン多く採取するためには、比較オクタン価の高い(70 オクタン前後軽質ナフサと、オクタン価の低い(50 オクタン前後重質ナフサ別々に採取し重質ナフサのみを改質してオクタン価高くし、その後軽質ナフサ混合する方法一般的である。ナフサの改質法には、(1) 高温高圧による熱改質法、(2) 触媒存在の下に行う接触改質法とがあるが、(1)方法収率が悪いため過去のものになりつつあり、わが国採用されている方法は、すべて (2)方法である。従来固定床式の触媒床のみであったが、昨今触媒連続再生できる流動床式少しずつ採用されてきている。接触改質装置反応条件は、圧力 6 ~ 60kg/cm2温度 450525 程度である。触媒としてアルミナ担体白金その他の貴金属担持したもの使用される接触改質において起こる反応は、(1) ナフテン系炭化水素から芳香族炭化水素への転化脱水素)、(2) パラフィン系炭化水素環化脱水素による芳香族炭化水素への転化(3) ナフテン系およびパラフィン系炭化水素異性化(4) 水素化分解4 種反応であるといわれている。運転開始時に循環水素さえ供給すれば、後は (1)(2)反応より連続的に水素副生される。製油所では、この副生水素ナフサや灯・軽油水素化脱硫用として活用している。重質ナフサの改質によって得られた改質ナフサ(または改質ガソリン)をリフォーメート(reformate)という。
リフォーメートのリサーチオクタン価プロセス反応条件などによって異なるが、一般的に 95 オクタン以上、100 オクタン前後まで得ることができる。反応条件として反応温度高くすると高いオクタン価を得ることができるが、一方で触媒上への炭素析出促進され触媒寿命短くする。リフォーメートのオクタン価高くなるほどリフォーメート中の芳香族含有量高くなるナフサの改質は、高オクタン価ガソリン採取目的として始まったのであるが、近年石油化学発達に伴いBTX原料製造にも応用されている。ナフサ接触改質工業的プロセスとしては、プラットフォーマー、レニフォーマー、パワーフォーマー、マグナフォーマー、フードリーフォーマーなどがある。

改質

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2015/02/24 05:44 UTC 版)

改質(reforming)とは炭化水素(石油ナフサ天然ガス)を化学反応させ分子量の小さい分子へ変化させることを指す。




「改質」の続きの解説一覧

改質

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/28 14:39 UTC 版)

リニアポリエチレン」の記事における「改質」の解説

コンパウンド 耐候性高めるためには、紫外線劣化防止剤やカーボンブラック混練施される

※この「改質」の解説は、「リニアポリエチレン」の解説の一部です。
「改質」を含む「リニアポリエチレン」の記事については、「リニアポリエチレン」の概要を参照ください。


改質

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/06/19 22:33 UTC 版)

変性ポリフェニレンエーテル」の記事における「改質」の解説

着色 m-PPE白色容易に多様な着色が可能。 フィラー強化 剛性向上を狙ったガラス繊維強化グレード上市されている。

※この「改質」の解説は、「変性ポリフェニレンエーテル」の解説の一部です。
「改質」を含む「変性ポリフェニレンエーテル」の記事については、「変性ポリフェニレンエーテル」の概要を参照ください。


改質

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/08/21 14:33 UTC 版)

ポリフェニレンスルファイド」の記事における「改質」の解説

フィラー強化 ほとんどの場合フィラー強化がなされ、その種類ガラス繊維・炭素繊維・シリカ・タルク・珪素など多岐にわたるまた、充填を可能としている。 アロイ化 流動性改良ソリ対策など目的としたポリマーアロイ多く販売されている。また、フッ素系樹脂とのアロイ化により摺動特性付与したグレード販売されている。

※この「改質」の解説は、「ポリフェニレンスルファイド」の解説の一部です。
「改質」を含む「ポリフェニレンスルファイド」の記事については、「ポリフェニレンスルファイド」の概要を参照ください。


改質

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/25 07:15 UTC 版)

液晶ポリマー」の記事における「改質」の解説

フィラー強化 LCP欠点である成型品異方性やウエルド強度低さ改良するために、ガラス繊維などを充填する改質が行われる。また、弾性強度上のためには、炭素繊維マイカなど無機フィラーによる強化行われている。 エステルアミド化 LCPアミノフェノールとを共重合させ、アミド結合加えることで高弾性化させる手法側鎖付与型LCP メソゲン基を側鎖付与したLCPは、ディスコティック液晶性質持たせることが出来る。このように側鎖付与による改質を施したLCP機能性材料として注目され開発進んでいる。

※この「改質」の解説は、「液晶ポリマー」の解説の一部です。
「改質」を含む「液晶ポリマー」の記事については、「液晶ポリマー」の概要を参照ください。


改質

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/28 14:41 UTC 版)

低密度ポリエチレン」の記事における「改質」の解説

コンパウンド 屋外用などで耐候性求められる場合は、カーボンブラック紫外線劣化防止剤をコンパウンドされる場合が多い。農業用マルチシートにてよく用いられる共重合 環境応力亀裂への耐性高めるには、酢酸ビニル共重合させる手法用いられる。これはエチレン酢酸ビニル(EVA)と呼ばれ別な種類合成樹脂として取り扱われる

※この「改質」の解説は、「低密度ポリエチレン」の解説の一部です。
「改質」を含む「低密度ポリエチレン」の記事については、「低密度ポリエチレン」の概要を参照ください。


改質

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/28 18:58 UTC 版)

非晶ポリアリレート」の記事における「改質」の解説

フィラー強化 機械的強度上のためのフィラー強化は、ガラス繊維ミネラル類を配合して施される場合が多い。 ポリマーアロイ ポリカーボネートポリエステル、または結晶性合成樹脂とのポリマーアロイそれぞれ開発されている。

※この「改質」の解説は、「非晶ポリアリレート」の解説の一部です。
「改質」を含む「非晶ポリアリレート」の記事については、「非晶ポリアリレート」の概要を参照ください。


改質

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/27 10:26 UTC 版)

芳香族ポリエーテルケトン」の記事における「改質」の解説

フィラー強化 ガラス繊維炭素繊維などを充填し機械的強度とともに耐熱性高める。高耐熱用途ではガラス繊維30%強化グレード多用されている。 PEEK-HT ICI子会社Victrex plc開発した耐熱性向上グレード通常のPEEK融点が約34ガラス転移点が約14それぞれ上昇する高温環境下での機械的特性保持力優れ、また耐磨耗性PEEKの3倍程度にまで向上している。 耐衝撃性改良 Victrex plc開発したグレード氷点下から100越え使用環境にて通常のPEEK比2倍以上の耐衝撃性有するポリマーアロイ推測されるが、詳細明らかにされていない

※この「改質」の解説は、「芳香族ポリエーテルケトン」の解説の一部です。
「改質」を含む「芳香族ポリエーテルケトン」の記事については、「芳香族ポリエーテルケトン」の概要を参照ください。


改質

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/23 02:04 UTC 版)

ポリ塩化ビニリデン」の記事における「改質」の解説

コンパウンド 抗酸化剤紫外線吸収剤などを添加し機能付与する

※この「改質」の解説は、「ポリ塩化ビニリデン」の解説の一部です。
「改質」を含む「ポリ塩化ビニリデン」の記事については、「ポリ塩化ビニリデン」の概要を参照ください。


改質

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2011/02/23 06:23 UTC 版)

ビスマレイミドトリアジン樹脂」の記事における「改質」の解説

他の合成樹脂使用して変性させることも可能。

※この「改質」の解説は、「ビスマレイミドトリアジン樹脂」の解説の一部です。
「改質」を含む「ビスマレイミドトリアジン樹脂」の記事については、「ビスマレイミドトリアジン樹脂」の概要を参照ください。


改質

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2010/11/03 15:12 UTC 版)

サーモトロピック型液晶ポリマー」の記事における「改質」の解説

フィラー強化 LCP欠点である成型品異方性やウエルド強度低さ改良するために、ガラス繊維などを充填する改質が行われる。また、弾性強度上のためには、炭素繊維マイカなど無機フィラーによる強化行われている。 エステルアミド化 LCPアミノフェノールとを共重合させ、アミド結合加えることで高弾性化させる手法側鎖付与型LCP メソゲン基を側鎖付与したLCPは、ディスコティック液晶性質持たせることが出来る。このように側鎖付与による改質を施したLCP機能性材料として注目され開発進んでいる。

※この「改質」の解説は、「サーモトロピック型液晶ポリマー」の解説の一部です。
「改質」を含む「サーモトロピック型液晶ポリマー」の記事については、「サーモトロピック型液晶ポリマー」の概要を参照ください。


改質

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2014/07/05 22:49 UTC 版)

アイオノマー」の記事における「改質」の解説

一部着色される以外は、特別な改質を行わず使用されている。

※この「改質」の解説は、「アイオノマー」の解説の一部です。
「改質」を含む「アイオノマー」の記事については、「アイオノマー」の概要を参照ください。


改質

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/07 14:56 UTC 版)

高密度ポリエチレン」の記事における「改質」の解説

コンパウンド 難燃剤コンパウンドにより、既にノンハロゲンや鉛化合物含まない難燃HDPE開発上市されている。これらは耐候性高めるためのカーボンブラック混練施し電線皮膜用途など多用されている。

※この「改質」の解説は、「高密度ポリエチレン」の解説の一部です。
「改質」を含む「高密度ポリエチレン」の記事については、「高密度ポリエチレン」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「 改質」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ

「 改質」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。



 改質と同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

「 改質」に関係したコラム

  • CFDで取り扱うコモディティの一覧

    CFDで取り扱うコモディティは、エネルギー、貴金属、農産物の3つに大別できます。CFDのエネルギーには、原油や天然ガス、ガソリンなどの銘柄があります。WTI原油先物もそのうちの1つで、外国為替市場や証...

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「 改質」の関連用語





5
リフォーメイト デジタル大辞泉
100% |||||

6
リホーミング デジタル大辞泉
100% |||||

7
水素改質 デジタル大辞泉
100% |||||

8
水蒸気変成 デジタル大辞泉
100% |||||

9
スチーム‐リフォーミング デジタル大辞泉
100% |||||

10
ポリマー‐アスファルト デジタル大辞泉
100% |||||

 改質のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



 改質のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
JOGMECJOGMEC
Global Disclaimer(免責事項)
本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、 機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。 また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。 したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。 なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。
※Copyright (c) 2024 Japan Oil, Gas and Metals National Corporation. All Rights Reserved.
このホームページに掲載されている記事・写真・図表などの無断転載を禁じます。
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの改質 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのリニアポリエチレン (改訂履歴)、変性ポリフェニレンエーテル (改訂履歴)、ポリフェニレンスルファイド (改訂履歴)、液晶ポリマー (改訂履歴)、低密度ポリエチレン (改訂履歴)、非晶ポリアリレート (改訂履歴)、芳香族ポリエーテルケトン (改訂履歴)、ポリ塩化ビニリデン (改訂履歴)、ビスマレイミドトリアジン樹脂 (改訂履歴)、サーモトロピック型液晶ポリマー (改訂履歴)、アイオノマー (改訂履歴)、高密度ポリエチレン (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2024 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2024 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2024 GRAS Group, Inc.RSS