ナフテン系
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/30 07:08 UTC 版)
ナフテンとは石油に含まれるのシクロアルカンの総称である。流動点が低く、パラフィン系の-10 - -25 ℃に対し、-30 - -50 ℃である。代替フロン以外の冷凍機油や電気絶縁油に使われる。アニリン点は低く、溶解性が高い。パラフィン系の80 - 110に対し、60 - 90である。金属加工油、インキ基油、粘着剤基剤、ゴム配合油/伸展油、グリース基油などに使われる。また、カーボンが軟らかく、弁などに堆積したカーボンが取れやすいため、高温用レシプロ型空気圧縮機油に使われる。 原料はベネズエラ、アメリカ合衆国、ロシア、オーストラリアなどの一部の油田から産出される。日本は主にオーストラリアのワンドゥー原油(Wandoo Crude)を使用している。これらナフテン系原油を常圧蒸留または減圧蒸留処理をした残油を精製して作られる。精製方法は概ね硫酸洗浄 - 白土処理、溶剤精製、水素化処理の組み合わせである。 ナフテン系原油の油田は世界的に枯渇してきており、かつ高級潤滑油にできる良質の原油はさらに少量であると考えられている。また、精製技術の発展と添加剤の開発により、パラフィン系潤滑油でも一部の性能がナフテン系潤滑油と同等とすることが可能となった。このため、ナフテン系はパラフィン系潤滑油に代替されてきている。
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