しゃ‐てい【射程】
射程
射程
射程
有効射程
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有効射程(ゆうこうしゃてい)とは、目標を照準して命中させ、射撃の効果を発揮できる最大距離のことである。英語では Effective Range と呼ぶ。火砲では、砲兵部隊が目標に対し効果を得るために行う効力射[1]の最大距離である。銃砲類、ロケット弾・弾道ミサイル・魚雷などの兵器の性能を表す指標の1つであり、実用上その威力が有効となる目安の距離である。有効射距離、有効射程距離と表記する場合もある。有効射程圏外では、初弾発射の試射後、修正のための較正射を繰り返しても、目標に直接危害を及ぼす効力射を得ることがほぼできない状態となる。砲撃においては土煙または水柱が目標の手前と遠方を均等に捉える挟叉が効力射とされる。
発射前や飛翔や航走の途中で、方向や速度を変化させる要素は多く、また運用環境や測定条件によっても変化することもあり、国や運用形態によってどこまでを有効とするか、定義はあまり定まっていない。
無誘導兵器
発射後に弾道が放物線を描く銃砲では、最大投射距離と集弾性能が主な要素となり、弾種によって変化する。射手・砲手の技量による人的要素の有無も関係する。無誘導であるため投射距離のかなり手前で飛翔経路がばらつくため、最大投射距離>有効射程となる。
小火器
アメリカ軍での小銃では、F的と呼ばれる高さ約50cm幅約70cmの歩兵が伏せた状態の正面面積に対して、概ね1/2の命中が得られる距離を指す。この際の射撃方法は自動小銃、機関銃であれば全自動発射である。
火砲
火砲と呼ばれる大砲などの砲腔兵器は、2010年現在でもほとんどが無誘導の砲弾を使用しており、これらの有効射程は弾幕散布密度、発射弾数、砲弾種と発射薬の使用量、砲弾の飛翔距離、飛翔時間とコリオリの力、炸薬の危害半径、砲身のバレルの磨耗の度合い、砲身の温度、砲身の歪み、砲座の地盤の硬さ、天候、砲弾の飛翔高度に応じた風向風速、気圧、気温湿度、発射位置と目標の高度の高低差、地図の図法と測量の精度、友軍からの情報伝達の速度と予測精度、標的の硬軟、標的の大小、密集度、移動速度、射線の修正速度、砲弾の装填速度などの多岐にわたる要素よって左右される。また、弾着観測所の配置状況によっても有効射程は変化する。
誘導兵器
誘導兵器では最大飛翔距離、または航走距離と誘導精度が主な要素となり、発射母機側の性能も要素となる場合がある。誘導精度が十分に高ければ飛翔距離(または航走距離)がそのまま有効射程となり、最大飛翔距離(または航走距離)≧有効射程となる。
ミサイル
ミサイル自身の飛翔能力と目標捕捉能力によって算出される。飛翔体を含むシステム全体では、前記に加えて外部のレーダー等の誘導能力も要素の1つとなる。弾道ミサイルではCEPが得られる飛距離と考えられている。ミサイルの能力は機密保持のため、あまり公表されない。ミサイルは発射直後は、推進剤の燃焼によって加速されるが、推進剤の燃焼後は滑空により飛翔するため機動力は低下し、マニューバを行うと射程も著しく減少する。ミサイルに対する回避機動法は、単に急旋回するだけではない。
魚雷
第二次世界大戦時の無誘導直進魚雷では、概ね3,000-4,000mとされた。これは駆逐艦や潜水艦が一度に6-8本の魚雷を扇状に発射して、船体長100-200m程度の艦腹を直撃する精度の限界とされた距離である。21世紀現在では、航走距離とホーミング魚雷の追尾用ソナーの捕捉能力が主な要素となる。現代戦においても、潜水艦の魚雷の有効射程は、目標を潜望鏡で視認できる10海里程度とされる。
利用
有効射程の数値は、オペレーションズ・リサーチに反映され、より効果的な戦術、後方支援活動を策定するためのフィードバックデータのひとつとなる。
脚注
- ^ “防衛省規格 火器用語(射撃)” (PDF) (2009年5月13日). 2020年9月22日閲覧。
関連項目
射程
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/03 05:51 UTC 版)
大和型戦艦が搭載した45口径46cm3連装砲の最大射程は42,026mで、米国の同世代戦艦ノースカロライナ級、サウスダコタ級の搭載する40.6cm45口径砲 Mk.6の射程距離33,740m、40.6cm50口径砲 Mk.7を搭載したアイオワ級の射程距離38,720m、英国のキング・ジョージ5世級が搭載した35.6cm45口径砲の射程距離37,100mなどを上回っていた。ただし、後述するアウトレンジ射撃の項目に書かれている通り、水平線を越える射撃には航空機による観測が必要であった。46cm砲弾は初速780m/秒 (2,808km/h) で発射され、距離20,000m(仰角12.43度、落角16.31度)では522m/秒、30,000m(仰角23.12度、落角31.21度)では475m/秒(時速1,710km/h。音速の1.4倍)で着弾した。主砲を最大仰角45度で発砲した場合、弾丸の高度は距離25km付近で11,900mに達した。砲塔の旋回速度は毎秒2度(3度説もある)、砲の俯仰速度は毎秒10度(8度説もある)とされている。なお、凌波性向上のために、艦首に強いシアーを付けたため、1番砲塔は前方射撃(正面より左右へ各30度)では、仰角5度以下での発砲が行えなかった。砲身は200発の発射で交換することになっていたが、これは砲身そのものではなく、傷ついた内筒のみである。船体の傾斜角度が5度を超えると、砲塔が旋回できなくなったという。 46cm砲に対応した防御を備えた戦艦は他国に存在しないため、通常の戦闘距離で発射された砲弾が命中したなら、いかなる敵戦艦の防御をも貫通し得た。なお、日本海軍は46cm砲命中時の廃艦所要弾数について、大型巡洋艦で4ないし5発、戦艦で9 - 16発と考えていた。 世界最強の艦載砲といわれる46cm砲だが、サマール沖海戦後の戦闘詳報によれば、「主砲の発射弾数は170余発に過ぎず(中略)平素1門あたり4ないし5発の教練射撃でも、故障が絶無なることは希なるを常とする」という状態であった。同詳報はサマール沖海戦について「今回は海戦期間中、一度の小故障も起こさずに使用できた」と記載していることから、信頼性に問題があると認識されていた。信濃の三番砲塔を調査した米軍は「日本独自のもので、英米戦艦より簡略な構造で機能する。作業の安全性と迅速性は作業員の訓練に依存し、全体的に安全に関する過剰な要素が設計に含まれ、非常に重い」「保守管理に大量の潤滑油が必要」と評価している。しかし、戦艦クラスの大口径砲では諸外国でも同様に故障が発生している。たとえば、米アイオワ級戦艦においては、主砲弾の爆発事故が起きており多数の死傷者を出している。また、レイテ沖海戦における10月25日未明のスリガオ海峡海戦では、西村艦隊を迎撃した米第7艦隊の戦艦6隻に様々な故障が生じ、ウェストバージニアと カリフォルニアでは数基の砲塔が射撃不能になっている。イギリスにおいてもビスマルク追撃戦において、各戦艦が頻繁な主砲の故障に悩まされている。
※この「射程」の解説は、「大和型戦艦」の解説の一部です。
「射程」を含む「大和型戦艦」の記事については、「大和型戦艦」の概要を参照ください。
「射程」の例文・使い方・用例・文例
- 射程内に
- 射程距離内にいる
- 敵兵は今射程距離にいる
- このライフルは400メートルの射程距離がある
- その標的は彼らの弾道ミサイルの射程距離内にある
- この大砲は2マイルの射程がある
- 射程距離はどれくらいですか
- この銃は300メートルの射程がある。
- 射程内に[外に].
- これらの大砲の射程は 7 マイルである.
- 射程内[外]で[の].
- この銃は約 200 メートルの射程距離がある.
- 射程外[内]に.
- このライフルの射程は約 1.6 キロだ.
- 蒙古勢の石弓は日本の弓よりずっと射程が長かった.
- 敵は射程内に在り、射程外に在り
- 最大射程の射角よりも大きい射角で撃たれた大砲からの射撃
- (他の銃)よりも射程距離の長い
- その的は小銃射程外であった
射程と同じ種類の言葉
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