射程とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 同じ種類の言葉 > 言葉 > 関係 > 距離 >  射程の意味・解説 

しゃ‐てい【射程】

読み方:しゃてい

銃砲大砲ミサイルなどの、発射起点着弾点との水平距離弾丸が届く距離。射程距離。「目標が—に入る」→最大射程有効射程

届きうる範囲射程距離。「政権を—に入れる」「目標達成も—圏内だ」


射程

作者伊藤桂一

収載図書遙かな戦場実録兵隊戦記
出版社光人社
刊行年月1994.7
シリーズ名光人社NF文庫


射程

作者井上靖

収載図書井上靖全集 第11巻
出版社新潮社
刊行年月1996.3


射程

作者風見梢太郎

収載図書海岸隧道
出版社日本民主主義文学同盟
刊行年月1999.7
シリーズ名民主文学自選叢書


有効射程

( 射程 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/01 01:55 UTC 版)

有効射程(ゆうこうしゃてい)とは、目標を照準して命中させ、射撃の効果を発揮できる最大距離のことである。英語では Effective Range と呼ぶ。火砲では、砲兵部隊が目標に対し効果を得るために行う効力射[1]の最大距離である。銃砲類、ロケット弾弾道ミサイル魚雷などの兵器の性能を表す指標の1つであり、実用上その威力が有効となる目安の距離である。有効射距離、有効射程距離と表記する場合もある。有効射程圏外では、初弾発射の試射後、修正のための較正射を繰り返しても、目標に直接危害を及ぼす効力射を得ることがほぼできない状態となる。砲撃においては土煙または水柱が目標の手前と遠方を均等に捉える挟叉が効力射とされる。

発射前や飛翔や航走の途中で、方向や速度を変化させる要素は多く、また運用環境や測定条件によっても変化することもあり、国や運用形態によってどこまでを有効とするか、定義はあまり定まっていない。

無誘導兵器

発射後に弾道が放物線を描く銃砲では、最大投射距離と集弾性能が主な要素となり、弾種によって変化する。射手・砲手の技量による人的要素の有無も関係する。無誘導であるため投射距離のかなり手前で飛翔経路がばらつくため、最大投射距離>有効射程となる。

小火器

アメリカ軍での小銃では、F的と呼ばれる高さ約50cm幅約70cmの歩兵が伏せた状態の正面面積に対して、概ね1/2の命中が得られる距離を指す。この際の射撃方法は自動小銃機関銃であれば全自動発射である。

火砲

火砲と呼ばれる大砲などの砲腔兵器は、2010年現在でもほとんどが無誘導の砲弾を使用しており、これらの有効射程は弾幕散布密度、発射弾数、砲弾種と発射薬の使用量、砲弾の飛翔距離、飛翔時間とコリオリの力、炸薬の危害半径、砲身のバレルの磨耗の度合い、砲身の温度、砲身の歪み、砲座の地盤の硬さ、天候、砲弾の飛翔高度に応じた風向風速、気圧、気温湿度、発射位置と目標の高度の高低差、地図の図法と測量の精度、友軍からの情報伝達の速度と予測精度、標的の硬軟、標的の大小、密集度、移動速度、射線の修正速度、砲弾の装填速度などの多岐にわたる要素よって左右される。また、弾着観測所の配置状況によっても有効射程は変化する。

  • 徹甲弾:AP弾 上記の要素に加えて侵徹長が重要な要素となる。弾着点の材質によって侵徹長は異なる
  • 榴弾:HE弾 上記の要素に加えて榴弾の威力圏が重要な要素となる。目標の種別によって威力圏は異なる

誘導兵器

誘導兵器では最大飛翔距離、または航走距離と誘導精度が主な要素となり、発射母機側の性能も要素となる場合がある。誘導精度が十分に高ければ飛翔距離(または航走距離)がそのまま有効射程となり、最大飛翔距離(または航走距離)≧有効射程となる。

ミサイル

ミサイル自身の飛翔能力と目標捕捉能力によって算出される。飛翔体を含むシステム全体では、前記に加えて外部のレーダー等の誘導能力も要素の1つとなる。弾道ミサイルではCEPが得られる飛距離と考えられている。ミサイルの能力は機密保持のため、あまり公表されない。ミサイルは発射直後は、推進剤の燃焼によって加速されるが、推進剤の燃焼後は滑空により飛翔するため機動力は低下し、マニューバを行うと射程も著しく減少する。ミサイルに対する回避機動法は、単に急旋回するだけではない。

魚雷

第二次世界大戦時の無誘導直進魚雷では、概ね3,000-4,000mとされた。これは駆逐艦潜水艦が一度に6-8本の魚雷を扇状に発射して、船体長100-200m程度の艦腹を直撃する精度の限界とされた距離である。21世紀現在では、航走距離とホーミング魚雷の追尾用ソナーの捕捉能力が主な要素となる。現代戦においても、潜水艦の魚雷の有効射程は、目標を潜望鏡で視認できる10海里程度とされる。

利用

有効射程の数値は、オペレーションズ・リサーチに反映され、より効果的な戦術後方支援活動を策定するためのフィードバックデータのひとつとなる。

脚注

  1. ^ 防衛省規格 火器用語(射撃)” (PDF) (2009年5月13日). 2020年9月22日閲覧。

関連項目


射程

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/03 05:51 UTC 版)

大和型戦艦」の記事における「射程」の解説

大和型戦艦搭載した45口径46cm3連装砲の最大射程42,026mで、米国同世代戦艦ノースカロライナ級、サウスダコタ級の搭載する40.6cm45口径砲 Mk.6の射程距離33,740m、40.6cm50口径砲 Mk.7を搭載したアイオワ級射程距離38,720m、英国キング・ジョージ5世級が搭載した35.6cm45口径砲の射程距離37,100mなどを上回っていた。ただし、後述するアウトレンジ射撃の項目に書かれている通り水平線越え射撃には航空機による観測が必要であった。46cm砲弾初速780m/秒 (2,808km/h) で発射され、距離20,000m(仰角12.43度、落角16.31度)では522m/秒、30,000m(仰角23.12度、落角31.21度)では475m/秒(時速1,710km/h。音速1.4倍)で着弾した。主砲最大仰角45度発砲した場合弾丸の高度は距離25km付近11,900mに達した砲塔旋回速度毎秒2度3度説もある)、砲の俯仰速度毎秒10度8度説もある)とされている。なお、凌波性上のために、艦首に強いシアー付けたため、1番砲塔前方射撃正面より左右へ各30度)では、仰角5度以下での発砲が行えなかった。砲身200発の発射交換することになっていたが、これは砲身そのものではなく、傷ついた内筒のみである。船体傾斜角度が5度超えると、砲塔旋回できなくなったという。 46cm砲に対応した防御備えた戦艦他国存在しないため、通常の戦闘距離で発射され砲弾命中したなら、いかなる戦艦防御をも貫通し得た。なお、日本海軍は46cm砲命中時の廃艦所要弾数について、大型巡洋艦で4ないし5発、戦艦で9 - 16発と考えていた。 世界最強艦載砲といわれる46cm砲だが、サマール沖海戦後の戦闘詳報によれば、「主砲発射弾数170余発に過ぎず中略平素1門あたり4ないし5発の教練射撃でも、故障絶無なることは希なるを常とする」という状態であった。同詳報サマール沖海戦について「今回海戦間中一度小故障も起こさず使用できた」と記載していることから、信頼性問題があると認識されていた。信濃三番砲塔調査した米軍は「日本独自のもので、英米戦艦より簡略な構造機能する作業安全性迅速性作業員訓練依存し全体的に安全に関す過剰な要素設計含まれ、非常に重い」「保守管理大量潤滑油が必要」と評価している。しかし、戦艦クラス大口径砲では諸外国でも同様に故障発生している。たとえば、米アイオワ級戦艦においては主砲弾の爆発事故起きており多数死傷者出している。また、レイテ沖海戦における10月25日未明スリガオ海峡海戦では、西村艦隊迎撃した米第7艦隊戦艦6隻に様々な故障生じウェストバージニアカリフォルニアでは数基の砲塔射撃不能になっている。イギリスにおいてもビスマルク追撃戦において、各戦艦頻繁な主砲故障悩まされている。

※この「射程」の解説は、「大和型戦艦」の解説の一部です。
「射程」を含む「大和型戦艦」の記事については、「大和型戦艦」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「 射程」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ

「射程」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。



 射程と同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「 射程」の関連用語





5
有効射程距離 デジタル大辞泉
78% |||||

6
最大射程 デジタル大辞泉
72% |||||

7
有効射程 デジタル大辞泉
72% |||||

 射程のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



 射程のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの有効射程 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの大和型戦艦 (改訂履歴)、長弓 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS