職業・殺し屋。
職業・殺し屋。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/29 13:30 UTC 版)
志賀 了(しが りょう) / イカレた銀髪の蜘蛛(イカレたぎんぱつのくも) 声 - アンダルシア 主人公。山谷設備に勤める営業担当のサラリーマン、29歳(1巻初登場時)。普段はぼけっとして頼りがいのない男として見られているが、正体は職業・殺し屋。を立ち上げた宮内啓が最初に接触した殺し屋にして、実力No.1の「イカレた銀髪の蜘蛛」。仕事の際は、左目の周囲に蜘蛛の、左右の肩から手首にかけて蜘蛛の巣の入れ墨がそれぞれ浮き上がり(初期は腕を螺旋状に回っていたが、作画の手間を考慮してか、やがて直線状に)、左の額・頬・顎に傷が出現、髪は逆立ち銀色となり、「蜘蛛の糸」と呼ばれる、鞭のようにしなる伸縮自在の剣を武器に依頼対象を殺していく。身体能力も常人を遥かに凌ぎ、毒の類は全て効かない。腰に下げたプレートには爆風から身を守る防護シートが仕込まれている。 殺人に性的興奮を感じる異常性癖があり、普通のSEXでは勃たない(勃っても射精にまで至らない)が、人を殺すと絶頂を迎えてしまうこともある変態。ただし蟷螂や犬飼満代など自分に殺気を向けてくる女性とはSEX可能。「太陽の息吹」の力で通常時も勃起が可能になる小夜子ともSEXできるが、アベサダ編ラストで萎えたイチモツをムリヤリ太陽の息吹で再勃起させられ蟷螂と小夜子にさんざん搾り取られるという目に遭ったことも。 普段は純朴で心優しい性格のため、女性から好意を持たれることも多い。蜘蛛である時も殺人に対する罪悪感の有無を除けば善悪の感覚は普段と余り変わらず、一応は悪人専門の殺し屋。蟷螂からは「偽善者」と非難されながらも、巻き込んだ女の子を殺したことにして密かに助けたりもしている。これは本来、職業・殺し屋。のルールからは違反する行為だが、彼を高く評価している啓からはほぼ黙認されている。 殺し屋として活動する理由は、嫌なことを全部忘れられるから。独身に見えるが実は過去に妻子を持っており、何かの切っ掛けでその妻子を殺してしまい、そのときの記憶を完全に封印している。しかし彼の家にある開かずの間(妻と子供の記憶を呼び起こす場所)に入ってしまうと、そのことを忘れるために蜘蛛にならず志賀のまま人殺しを行ってしまう。 イギリスで女郎蜘蛛と接触した際、自分が彼女と同じ「Spider bite」だったことを確信するが、その彼女を殺した快感によりそのことを忘れ去ってしまった。野村愛は女郎蜘蛛と同じように蜘蛛も記憶操作をしていると推測し、今の志賀了も本物の志賀了は殺され、S・Bが成りすましているものという可能性を指摘されていたが、日本に現れた「Spider bite」によって「S・B.00号」であったことが明らかとなる。愛に指摘されていたとおり、志賀了として日本に潜入していたが、ある日自身がS・Bだったことを思い出したことによって妻子を殺害。しかしその事実に耐えられず「自身がS・Bだった」という記憶その物を封印していた。愛の推測と違っていたのは、『志賀了』はただの行き倒れたホームレスであり、妻子は入れ替わりの後にできたものだった。Z国では知ることもなかった「愛情」を知ったことで、S・Bである過去を捨てて平穏な暮らしを全うしようとしていた。 S・Bとの決戦を前に、開かずの間に封印していた妻子の遺体と対面し、S・Bとしての記憶や妻子を殺した経緯を全て思い出すが、自分が味わった悲劇の経験を繰り返させないために「銀髪の蜘蛛」としてS・Bと戦うことを決意。最終決戦ではS・B.00´号を倒し「世界中に潜伏するS・Bを目覚めさせるキー」を手に入れたが、S・B.3号の奇襲により全身切り刻まれ瀕死の重傷を負ってしまう。しかし自分に妻子を殺させた張本人が3号だと聞かされ、殺して全てを忘れようとする暴走状態となって3号を殺害。そのまま、戦いの場であった貨物船の爆発に巻き込まれて消息不明となった。 4年後のエピローグでも生死不明のままだが、ラストシーンで殺人衝動の捌け口と救いを求めてインターネットで呼びかけ続ける人物の後姿が描かれており、記憶を無くしたままどこかで生きている可能性が示唆されている。蜘蛛の糸(くものいと) 「イカレた銀髪の蜘蛛」こと、志賀了が愛用する武器。T字ドライバーのグリップ状の基部内に、薄く鍛えた刃をスチールメジャーのように収納しており、対象に向けて刃を射出し斬り刻む。手元で制御することで変幻自在の軌道をなす。 そのサイズに比して30メートルの鋼の刃が入っており、強度の維持や巻き戻しのためのギミックが組み込まれているため、重量は10キログラム前後となる。イギリスで発見した古い型の場合、重量は15キログラムから18キログラムにもなるが、S・Bはこれを片手で扱う。 また、分解することで高密度に押し込められた刃本体を射出する荒技「じゃじゃ蜘蛛」なるとっておきがあるが、使用後の回収や調整が大変かつ面倒というデメリットがある。 鞍馬めぐみ / 螳螂(マンティス) 声 - 柚木かなめ 山谷設備に勤める経理担当のOL、24歳(7巻44話時点)。 表向きはほわほわしたかわいらしい女の子だが本性は怖い姉ちゃん。仕事に際しての姿勢はクールそのもので、表の顔と仕事の顔とを完璧に使い分ける仕事師。主に手袋型の小型鎌、髪に仕込んでいる身の丈ほどの長さの大型鎌、脚部に仕込んだナイフなどで切り刻む。表も裏も仕事はきっちり真面目にこなしており、殺しの標的を綿密に調査するなどの下準備を怠らず、気に入らない相手のヘルプにされても私情を挟まずにアシストするなど几帳面で仕事熱心である。このため蜘蛛と並んでオーナー宮内啓の信頼は厚く、重要任務をオーナー権限で二人に依頼することも多い。 職業・殺し屋。の一員となる前はあるサーカスの団員で、殺しの手段である「鎌」の扱いはこのときに曲芸として習得したものである。まだ少女であったころ団長である養父にSEXを教えられ、夜は興行権を得るために地元の有力者に体を使った接待をさせられていた。その中で、次第に淫乱(ニンフォマニア)の本性に目覚めていき、あるとき義父とのSEX中に彼を殺害し、さらに駆けつけた団員たちをも次々に殺して失踪する。蜘蛛と出会った当初は対象者の死体を相手にSEXする死姦愛好家だったが、関係を持つようになってからはその性癖は薄れつつある。そして本人は否定しているものの、次第に彼のことを愛し始めている。ツンデレというよりツンエロ。 初登場時のキャラはクールそのものだったが、徐々にギャグキャラの要素が強くなった。歯に衣着せぬ(着せなさすぎる)毒舌と態度のせいで同性の仲間からは嫌われている(めぐみ自身も彼女らを徹底して嫌っている)。弱点は異様に重い生理痛で、この時ばかりはまともに動くこともできずにのた打ち回るほど。小夜子とは犬猿の仲だったが、「アベサダ」事件で協力して標的を倒してからは若干仲良くなり、蜘蛛との3Pを楽しむ間柄になった。 のちに妊娠が発覚。S・Bとの最終決戦では10号と死闘を繰り広げ、己の「鎌」を駆使し辛くも勝利するが、直後に蜘蛛を装った3号の奇襲で瀕死の重傷を負ってしまう。だが、駆け付けた小夜子が命を賭して治療し、一命を取り留めた。4年後のエピローグでは、志賀との間に生まれた息子である「綾(りょう)」をシングルマザーになって育てており、殺しの世界からは身を引いた模様。四条の妻・響子とはママ友となっている。 松田 小夜子(まつだ さよこ) / 卑し姫(いやしひめ) 職業・殺し屋。によって壊滅させられたカルト宗教の聖プロミネンス教団教祖、日出神太光の娘。20歳。 殺人能力は皆無だが、「太陽の息吹」と呼ばれる治癒能力を持つ。その代わり、身体の成長が能力の発現に伴って止まり、併せて視力も失っている。 自分の人生を捻じ曲げた教団を自らの依頼で壊滅させた後は宮内啓の計らいにより志賀の家で居候生活中。恋のライバル(?)であるめぐみには腹黒い一面も。またひどい低血圧のため、寝起きが物凄く悪い。一度嫌がらせでめぐみの仕事を奪ってヘルプとしてこき使おうとしたが、その一件では見事なコンビネーションを発揮し、口は悪いながらもお互い認め合うようになった。 S・Bとの最終決戦において、瀕死の重傷を負った蟷螂と妊娠中の子を救うために己の命を全てを賭けて治癒し、蟷螂の横で眠るように息を引き取った。 詩織(しおり) / 死織(しおり) 一般家庭の主婦。幼稚園に通う子供(男の子)がいる。家庭環境は良好で、2人目を欲しがっている。目が見えないのをいいことに、ちょくちょく志賀の家に行って小夜子で着せ替えを楽しんでいる。 惨殺(拷問)専業の殺し屋で、「一応」悪人専門。悪い子(=依頼対象)を殺して煮込んで料理にする(大抵の場合「人も食えない代物」になる)。だが殺人能力自体は皆無なため、ヘルプのルールで仲間の殺し屋をこき使っている。 「殺し」に目覚めたきっかけは、「悪い子」だった双子の姉を用水路に落として殺したことから。中村とは、一般的に見れば不倫関係(アナルセックスオンリー。「前」はあくまで夫のもの)。不倫については本人は必死で否定し、あくまでも「ご褒美」であることを強調している。殺しの際は依頼によっては対象を「即死させないため」出血防止のための針金や切断の際に麻酔を用いることもある。 「悪い子ね」と幾分かの母性をもって優しく諭しつつ、断固たるマイペースでパニック状態の対象者を切り刻む。 斬27話にてS・Bの手に掛かり、いつもの悪い子の料理場にモンドと共に拉致されて薬を盛られ、モンドと「前」で交わる中で首を切断され、駆けつけた蜘蛛の目前で死亡。首を落とされた彼女の姿が封印していた妻子の死の記憶と重なったためか、蜘蛛は大きな衝撃を受けていた。 中村 忠(なかむら ただし) / モンド とある企業に勤める会社員。27歳。 ある日偶々死織の仕事を目撃したことからこの仕事に関わることになった。 都会暮らしのストレスから不眠症に悩まされていたが、「殺し」という非日常がもたらす超絶のカタルシスによって眠りを得られる。本人は空手が得意だというが、到底人を殺せるレベルではないので、基本的にヘルプで仕事(内部工作・バックアップなど)に関わっている(自ら殺人を行う場合は相手の隙を付いて高所から突き落とす方法をとる)。なかなかの二枚目のため、同僚の女性からは結構モテているが、その割には女性経験が極端に少ない。童貞喪失の相手は御犬番の事件の依頼人こと立花美礼。ついでに自分の後ろも経験済み。死織やあゆみなど職・殺の女性陣には妙に気にいられている。後に同僚と付き合うことになるがそれに関しても嫉妬されるどころか応援されている。 斬27話にてS・Bの手に掛かり、薬を盛られて死織と交わる中で生死不明の状態で発見されたが後に生存が判明し、4年後のエピローグでは重度の記憶障害は残るものの、社会復帰できるまでに回復した様子が描かれた。 Mr.AA(ミスターエーエー) どこにもない、誰でもない殺し屋。 孤児院育ちで、生まれた場所も親の存在も知らない。定住所も無く、知り合った風俗嬢の家を転々としつつ根無し草の生活を送っている。関係を持った風俗嬢の話だと、森本レオのような安らぎを感じさせる声をしているらしい。 プリペイド式携帯電話とノートパソコンとデジタルカメラとモバイルケーブルの4つは必ず携帯する。シャイなので顔が出ない(ただしシルエットの顔立ちは比較的整っている)。そのため落札者が複数出ない限り、殺しは全て自分1人で行う。とはいえど細川一二三のような「職、殺。」の同業者や佐藤のような警察の麻薬取締係など多くの人間と何らかの形で関わる形となり、関わった人間の数なら蜘蛛に匹敵する。 彼が請ける依頼の落札価格は常に逆オークションの限界値(後述)である1円。悪人専門の殺し屋で、仕事の際はモバイルケーブルによる絞殺からの背負い投げ(発達した背筋と、柔道家の如くガッシリした太目の筋肉質な体型をしており、ジャンプ力も人並み以上)。 殺しに目覚めたきっかけは、孤児院の先生から「人に喜ばれることをしなさい」と教えてもらったことと、その先生が実は裏で臓器密売に関わっていたことを知り、さらにその犠牲者の中にいつも一緒にいた女の子がいたことを知ったため。 斬31話にて7号に奇襲を仕掛けるも返り討ちにあうが、最後の力を振り絞って動きを拘束し、綾子の手榴弾による自爆の一助となった。 You(ユー) 解離性同一性障害持ちの女性。本来は「あゆみ」という女性だが、幼いころから受けた虐待が元で他に3つの人格が生まれた。「You」は虐待者を殺す存在として生まれた人格で、蹴り技を主体とする卓越した体術の持ち主。ただしYouが表に出られる時間は1時間が限度であり、1時間が過ぎると全ての人格は6時間は目覚めないため、最強であり最弱の存在。この弱点のため、仕事は全てヘルプを必要とする。職・殺にはYouで登録しており、一番偉い人格。 自らを『数式』と称しており、それ故に一二三がやろうとしている『美しい数式』を良く解っている。後に意味を察した一二三から、Youの数式は「シンプルで美しい数式」だと賞賛された。 ESSとの最終決戦にも参戦し、体術で雑兵を蹴散らしていた。 斬25話にてSPIDER・BITE(3号)の襲撃に遭い殺害されてしまうが、最後にSkypeで啓に映像メッセージを遺していた。また、他の人格もモンド・一二三といった関わった「職・殺。」メンバーにそれぞれ遺言を残した。あゆみ 普通の女性。主人格であり、普段は「あゆみ」として生活している。 一郎(いちろう) 虐待者から守ってもらう存在。男でホモ。剛胆。モンドの肛門を虐待する。 エミ 愛を求める存在。小学生。 赤松(あかまつ) 場末のバーテンダー。元々は職業・殺し屋。の反逆者「双頭の蛇」の一件で知り合った依頼人が唯一心を許せるボディーガード。 寡黙にして冷徹、女々しいことを大いに嫌う硬派な性格。ロシアン・コンバット編で妻に携帯がつながらないことを嘆く四条に立腹、携帯を握りつぶしてしまったこともあった。だが、情には脆い巨漢の男である。元はプロボクサーだったが、生活を支えるための副業中に拳を負傷して、引退を余儀なくされる。荒みきっていた所を極道の組長に拾われ、用心棒として仕えていた。その組自体は昔気質の真っ当な組であったが、組長の娘である薫を除いて「双頭の蛇」に皆殺しにされてしまう。そのことで職業・殺し屋。を逆恨みし、志賀に襲いかかって彼の腕をヘシ折ったがその場は痛み分けに終わり、宮内啓の判断で裏切り者となった「双頭の蛇」を粛清するための臨時ヘルプとして志賀を手助けすることになる。 かつては心臓に障害を抱え(組長をかばって受けた銃弾による)、負担をかけすぎたため「双頭の蛇」抹殺後に一度死にかけたが、啓と薫の交渉の結果、太陽の息吹で一命を取り留め、数度の治療で完治。その後は恩返しという形でヘルプ専門の殺し屋となった。 阿修羅と菩薩の姿がそれぞれ彫り刻まれたナックルガードを装備しての拳闘「修羅の左」「菩薩の右」が武器。パンチ力は世界チャンプ級でスピードでも犬淵を凌ぐ。単純なパンチ力だけならば職業・殺し屋。で最強の存在。 自らのファイトスタイルをボクシングと呼ばれることを嫌い、その都度「ボクシングじゃねぇ馬鹿野郎、拳闘だ」と言って返す。 ESS.との最終決戦でも死条とコンビを組み戦っていたが、インターネットでの書き込みに踊らされるESS.の戦闘員を「理解できない」と切り捨てるあたり、インターネットなどにはあまり興味のない昔気質が窺える。 S・Bとの最終決戦では7号との戦いで右腕を落とされ全身に傷を負うが死条に助けられて生き残る。 四条 誠(しじょう まこと) / 死条誠 声 - 夕凪孝 幼稚園の保育士を勤める青年。28歳。その真の姿は、鎌倉時代に産み出され、天皇を護るために創り出された武術「死条皇神流(しじょうこうしんりゅう)」の最終継承者。かつてアルバイト中に女性をかばって酔っ払いにナイフで刺されそうになり、反射的に拳を叩き込んで死亡させてしまったことがあり、逃亡の果てに行き倒れたところを通りがかった水原響子に救われ自首。裁判で正当防衛を勝ち取る。のちに響子と結婚、就職祝いに贈られた携帯電話で「職・殺」と出会い、殺し屋となる。 極めた力で強敵と戦い倒すことに至上の快楽を感じる戦闘狂で、請ける仕事も強い相手がいるかどうかで決めている。普段は温厚で少年のように屈託のない性格だが、戦いの際には凶暴さが剥きだしとなり、さらに自身が認める強者と出会い感情が極限まで高ぶると、髪の色が白金に変色し、後ろ髪を留めている髪飾りが解けて一般人ですら寒気を覚えるほど凄まじい殺気を放つ。強敵を求める貪欲さから、密かに蜘蛛との対戦も望んでいる。 実力は職業・殺し屋。の中でも最強クラスで、非ずの村編にて敵に操られ蜘蛛と戦った際には、ほぼ互角の戦いを見せ彼を追い詰めたほど。しかし、冷徹に殺しに徹する蜘蛛に比べて戦闘を楽しもうとするための詰めの甘さや、精神的な未熟さ、愛する者を持つがゆえの弱さがあり、そこを突かれてあと一歩のところで敗北した(その後、二人とも戦いの記憶を消去されている)。 同じ徒手空拳の戦いをするため赤松とコンビを組むことが多く、ロシアン・コンバット編やESS.との最終決戦で共闘しているが、無邪気すぎる彼の性格には赤松もあきれ気味である。 S・Bの20号と対峙し、圧倒的な戦闘力で優位に立つも上述の「甘さ、未熟さ、弱さ」が災いし、響子に変装した20号に動揺した隙を突かれて手足を斬り飛ばされるほどの重傷を負わされてしまう。直後に駆けつけた赤松と満代に助けられて治療を受けるがダメージは大きく、回復の見込みも不明のまま啓の家で保護されていた。S・Bとの最終決戦で、7号に殺害されようとしていた赤松と一二三のもとに駆けつけて二人を救い、7号と対戦。先のダメージが癒えないままの戦いながらも一二三の矢と赤松の菩薩のナックルを着けた拳を叩き込んで勝利し、同時に限界を超えた全身が崩壊するという壮絶な最期を遂げた。 細川 一二三(ほそかわ ひふみ) / 数学大好き 白泉女子大学の数学助教授。学生時代はアーチェリーをやっていた。シュリニヴァーサ・ラマヌジャンに例えられるほどの卓越した数学者で、故に同業者から疎まれ孤立。現在の大学へ飛ばされている状態。しかし本人は数学のこと以外に何の興味もないので、それはどうでもよいと思っている。同じ大学の女生徒と肉体関係を持っており、唯一の関心事としている(後に結婚)。「職、殺。」の面子では比較的珍しい知識人出身者でもある。 職業・殺し屋。となったきっかけは完全犯罪の定理を周囲に証明するためなので、殺しの際は必ずヘルプの立会いを必要とする。最初の殺人では田島綾子の立会いの元、血液に化学反応して瞬時に融解する氷の矢「レイズ・アロー」を使い、かつての恩師を射殺した。この矢は氷結した状態ながら樹脂のように柔軟なしなりを持つ。 「必ず自らの殺しを見てもらわなくてはならない」一二三と「誰にも自らを見られたくない」Mr.AAでコンビを組んでしまったこともある。 出番は少ないが、ESS.との最終決戦ではアーチェリーでセスナ機を連鎖的に撃ち落とす、自爆装置の起動電波をジャミングするなどの援護を行い、陰ながら「職・殺」の勝利に貢献した。 S・Bとの最終決戦では友人であるMr.AAを殺害されたことで激昂、しかし7号に殺されかけるも死条に助けられ、生き残る。エピローグの4年後の描写では、Mr.AAが最後に送ったメールを見ながら彼を回想していた。 火室 魔由香(ひむろまゆか) / 炎の魔女 日本屈指の大資本家・火室コンツェルンの総帥(財力ならばオーナーの宮内啓のそれも凌駕する)。16歳(初登場時)。性格は怒りっぽく我侭で、執事の風間に対してはツンデレ気味。10年前に屋敷の放火で両親を失いその犯人を追っているため、標的は放火犯のみ。火事から逃げ延びた際に全てを焼き尽くす赤い炎に魅せられ、仕事の際は3000度の熱に耐える耐火服を身に纏い、吸引した者を跡形も残さず焼き尽くす薔薇型の特殊な試薬「炎香剤」を使用する。お気に入りは赤色の「炎の魔女(フランメヘクセ)」。 大富豪のため、出来るだけ安く落札する逆オークションのシステムには不満がある模様。第14巻では螳螂への嫌がらせのために仕事を1円で落札し、表向きにはメイドとしてヘルプでこき使ったことがある。 ESS.との最終決戦では大富豪の財力を以って宮内家の工事現場に巨大なスライサーを作り上げ、ESSの戦闘員の大半を人肉ミンチにした。 斬29話にて両親の仇であるS・B(38号)と対峙するも、力およばず犯されてしまう。しかし、そこへ駆けつけ38号にしがみつく風間と共に『極上の炎の魔女』を発動させ、共に炎の中へと消えた。後のニュースで火室邸全焼の件が報道された際は、魔由香は行方不明として報道されている。 風間(かざま) 火室魔由香に仕える執事。魔由香とは「真紅の絆」で結ばれており、主従関係を超えた間柄。魔由香の仕事のサポートを一手に引き受けている専属ヘルプのような存在。「炎香剤」や専用の耐火服も彼が開発した。 顔の左半分に10年前の放火で負った火傷の跡があり、薔薇が描かれた布で隠している。 斬29話にて火室邸が襲撃された際に一度倒されるも、魔由香の危機に再び立ち上がって38号の動きを拘束、魔由香と共に『極上の炎の魔女』を発動させ、共に炎の中へと消えた。 田島 綾子(たじま あやこ) 中学校教師。26歳(一巻初登場時)。依頼人として助けを求めた際、オーナーの宮内啓自らが参加。自らの意志でこの道を選んだ。仕事の際は鉄パイプによる殴打を用いる。恋人関係にある啓との生活を妨げるものは何であっても許さない。啓の母親に嫉妬しているなど、典型的なヤンデレ。似たような恋愛観を持つせいか、死織とは気が合う。 元ネタは、作者が「まみやこまし」名義で描いていたエロ漫画のキャラクター。 斬31話にて宮内邸がS・Bによる襲撃を受けた際、7号により犯され斬撃で深手を負わされてしまうが、『職業・殺し屋。』としてのプライドで手榴弾による自爆を決行した。 AYA・(アヤ) 「職業・殺し屋。」の新人で、中性的な容姿の少年。紐を自由自在に操ることができ、作中において何度も高度なあやとりの技を披露している。 オーナーの啓が自ら参加した殺人を、同伴していた蜘蛛がずっと気を張り巡らせていたのにもかかわらず、一切気付かれることなく目撃。これをきっかけに啓と接触し『蜘蛛が実力を認めたら上位ランキングの一員にする』という約束を交わし、蜘蛛と直接対面する機会を作ってもらう。後に蜘蛛と接触した際には、全く気配を読ませない、制空権に易々と進入する、攻撃の初動を読み全ての流れを去なす――など、実際に『相当な実力者』と言わしめるほどの実力を示してみせた。上位ランキング入りしてからは、全ての依頼を1円で落札して独占したり、白昼堂々Korotter(職・殺用Twitter)で実況しながら殺人を行ったりと調子に乗った行動で他のメンバーから反感を買ってしまい、上位ランカーの一人一人から釘を刺される事態となった。 殺人方法は紐を用いた人体切断で、一見普通に見えるような紐を用いたり、刃で形成された紐を用いたりして、快楽のままに『殺・取り』を楽しむ。 その正体はS・Bの統率者「00´号(ゼロ・ダッシュ)」。ハンバーガーなど、Z国にいたころは食べられなかったジャンクフードが大好物。 野村 愛(のむら あい) 12歳(最終巻時点)。啓の近所に住む少女で、ネット内のオンラインゲームで出会って以来啓に好意を抱いている。共働きのため昼間は家にいない両親から与えられたPCがコミュニケーションの主体となったことで、しゃべることをやめたデジタルネイティブ。そのため会話はチャットで行わなければならない。チャットでは綾子を情婦と呼び、子供らしからぬ卑猥な発言(また下着が透けて見える肌着に身を包み、自慰もしている)も飛び出すが、素顔は年齢の割に幼く、寂しがりやの少女である。 6年前・わずか6歳にして「職業・殺し屋。」のサイトと、サーバーをランダムに高速移動して寄生運営する「ゴースト・システム」を開発した天才少女(幼女)で、彼女が職業・殺し屋。のサイトを管理運営するための機材、電力全てを啓が賄っている。ESS.との最終決戦では検索サイト『WORLD』に極悪ウイルスを仕込んで開発者である神野一の性格を利用して発動させ、完全に『WORLD』を消滅させた。 S・Bの最終決戦から四年後のエピローグでは、満代の下でサイバー技術を駆使してテロリストと戦う成長した姿が描かれている。 宮内 啓(みやうち けい) 「職業・殺し屋。」のオーナー、14歳(一巻初登場時)。宮内建設の跡取り。暴力を振るう父親から愛する母親を助けるために職業・殺し屋。を立ち上げ、最初に召喚した蜘蛛と共に父親を殺した。母親は植物状態であり、日々の身体のケアは欠かせない。父親の暴力を免れるため計算して全てのテストで「70点」を取るようにしている辺り頭も切れる。 田島綾子とは教師と生徒の枠を超えた愛し合う関係。ほぼ内縁の夫婦に近い状態であり、当初は必ず名前の後に「先生」を付けていたが、後には呼び捨てにすることも多くなる。立場上、仕事にはあまり参加しないが、時々大きな依頼など(聖プロミネンス、御犬番、平松流など)で指示を出すことがある。普段あまり笑うことはないが、父親を殺した時と、ESS.の狂信者のモニュメントとコメントを見て大笑いしている。そしてESS.の狂信者を挑発するようにTVのワイドショーのインタビューに答えたりと、大胆不敵な一面もある。 殺し屋サイトを立ち上げて以降、最初はあくまで管理人というスタンスだったが、大仕事でオーナー特権を以って蜘蛛や螳螂をこき使うようになる。それは彼なりの「信頼の証」であり、常人とは違う次元ながら豊かな人間関係を築いている。 S.Bとの抗争では、00´号の正体を現したAYAが宮内邸を襲撃した際に強化装甲服を着用して満代とともに駆けつけ、地下室に侵入した7号と対戦。「職・殺を嘗めた」7号に怒りの一撃を与えたが、力およばず倒されてしまう。駆けつける前に蜘蛛に映像を送っており、その中で、自分が職・殺を立ち上げた本当の目的が誰かとの心の繋がりを求めてであったこと、そして蜘蛛を信じているというメッセージを残していた。その後、直前に目覚めた母親に寄り添われ、自分が「繋がり」を得られたことに満足しながら、崩壊する地下室の瓦礫の中に消えていった。 セカンドクラス(仮称) 「職業・殺し屋。」のメンバーだが蜘蛛たちトップクラスほど高い能力も持たない者たち。オーナー特権による大規模な作戦では死体の処分や証拠の隠滅などのバックアップを行う。 能力は精々一般人に毛が生えたレベルだが、躊躇なく人を殺せる異常者達。彼らに言わせれば職・殺は「自分が望む時に殺人が出来る居心地の良い場所」とのこと。 ESSとの最終決戦では死体処理などの陰の業務に携わっていたが、ESS.の戦闘員たちの自爆テロにより作戦に参加していなかった者も含めて大半が死亡。
※この「職業・殺し屋。」の解説は、「職業・殺し屋。」の解説の一部です。
「職業・殺し屋。」を含む「職業・殺し屋。」の記事については、「職業・殺し屋。」の概要を参照ください。
- 職業・殺し屋。のページへのリンク