自性清浄 自性清浄の概要

自性清浄

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/08 22:46 UTC 版)

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概要

パーリ増支部に、「比丘たちよ、この心は光り輝いている。ただ、外来のもろもろの煩悩(客塵煩悩)によって汚れている」とある(いわゆる心性本浄説)。光り輝いている(光浄、清浄)とは白紙のような状態と解される。自性として本来清浄ではあるが、現実には汚れているという意味が含められている。そこで、悟りによって外来の諸煩悩を離れた状態は「離垢清浄」と説明される。垢(けが)れを離れて本来の清浄性を取り戻したという意味である。

唯識説は瑜伽行によって心が離垢することを重視し、自性清浄と併せて「離垢清浄」を並べ、さらに「所縁清浄」(仏の法すなわち教説の清浄性)、「道清浄」(修行道の無漏性)と併せて、「四種清浄」という。この場合、自性清浄は真如、法界を意味する。

尚、心が自性として清浄であるか否かは、諸部派の間で意見が分かれ、説一切有部上座部大寺派などはこれを認めない。大乗仏教はすべてこれを承認する。ただし、『般若経』は清浄を「」の意味に解し、広く縁起無自性であることを示すものと解釈した。

これに対し、如来蔵系の理論では、自性清浄心を如来蔵仏性の名で、如来の法身と同質の無為なる存在として絶対化し、これを心性と呼んでいる。また、『大乗起信論』はこれを本覚とも呼ぶ。

脚注

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注釈

出典

参考文献

関連項目






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