仕様 仕様の概要

仕様

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/08 06:08 UTC 版)

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概説

仕様を記述した文書を仕様書と呼ぶ。

素材・製品・サービスが適用可能な仕様を満たさない場合、規格外 (out of specification) とされる[2]。これを英語では "OOS" と略記することがある[3]

技術仕様は例えば企業や規制団体や軍事組織によって私的に開発されることもあるが、標準化団体が開発することもあり、より広範囲な入力から随意の工業規格として開発するのが一般的である(随意の工業規格を政府やビジネス契約で採用すれば、義務的なものになることもある)。

「仕様」という用語はデータシート(あるいはスペックシート)の意味で使われることがある。データシートは製品などの技術的特性を説明するテクニカルコミュニケーションの手段として使われるものである。製造業者が顧客の製品選択の際の補助として提供したりする。データシートは厳密には仕様ではない。

仕様の利用

工学製造業ビジネスにおいて、材料・製品・サービスの供給業者、購入者、ユーザーが全ての要求仕様について理解し合意することは重要である。仕様を満たさない製品が普及すれば、仕様に適合した製品と不適合な製品との間で不整合が起き、システムとしては機能不全に陥ってしまうためである。仕様は一種の工業規格であり、契約書や調達書で参照されることが多い。特定の要求仕様についての必要とされる詳細を提供する。

仕様は政府機関、標準化団体(ASTMISOCENDoDなど)、業界団体、企業、その他が書くことがある。

製品仕様は、その製品が正しいことを証明する必要はない。ある製品がある仕様に準拠しているからといって、その製品が特定用途に適していることを示しているわけではない。それを使用する人々(技術者、職種別組合など)やそれを指定する人々(建築基準法、政府、業界など)は、利用可能な仕様群を検討し、その中から正しいものを選択し、それを正しく使用する責任を負う。すなわち、適合性の妥当性検証が必要である。

米国連邦仕様の一例として、FIPS-PUB 159 Detail Specification for 62.5-μm Core Diameter/125-μm Cladding Diameter Class Ia Multimode Optical Fibers がある(Federal Standard 1037C および MIL-STD-188 より)。

仕様の内容

よい仕様書を書くための標準手続きや書式、あるいはガイドが利用可能になっている場合もある[4][5][6][7]。仕様には以下のような内容が含まれる。

  • 説明的表題と仕様の範囲、仕様を識別するための番号
  • 最新版の発効日と改版履歴
  • その文書の著作権の帰属・出所を明示するためのロゴタイプまたは商標[8]
  • 文書が長い場合は目次をつける。
  • その仕様の更新や変更に責任を持つ人物・オフィス・機関
  • 仕様とその用途の重要性
  • 使われている用語や略語の定義(仕様の内容を明確化するため)[9][10]
  • 記述されている特性すべてについての検査手法
  • 物質的な要求仕様: 物理的、機械的、電気的、化学的など。目標値と許容差
  • 機能的な要求仕様: 目標値と許容誤差
  • 図面写真テクニカルイラストレーション
  • 製造方法
  • 必要とされる認証
  • 安全性についての考慮と要求仕様
  • 環境についての考慮と要求仕様
  • 品質についての要求仕様。標本調査、検査、受け入れ基準
  • その仕様の施行に責任を持つ人物・オフィス・機関
  • 完了と出荷
  • 不合格、再検査、再審査、是正措置への用意
  • 出典と参考文献。文書を明確化し内容の確認を容易にするため[10][11][12]
  • 承認者の署名または捺印(必要ならば)
  • 改版の際には必要に応じて改版によって変更された部分がわかるよう印をつけたりする[13]
  • 付録(詳細化したり、オプションを提示したり、さらなる明確化をする場合)[13]

  1. ^ ASTMの定義
  2. ^ “out of spec”. BusinessDictionary.com (online ed.). WebFinance. OCLC 316869803. http://www.businessdictionary.com/definition/out-of-spec.html 
  3. ^ Center for Drug Evaluation and Research (October 2006) (PDF). Guidance for Industry:Investigating Out-of-Specification (OOS) Test Results for Pharmaceutical Production. Food and Drug Administration 
  4. ^ N/A. “SOP-Template for Project Specification”. 2009年6月15日閲覧。
  5. ^ Stout, Peter. “Equipment Specification Writing Guide”. 2009年6月15日閲覧。
  6. ^ N/A. “A Guide to Writing Specifications”. 2009年6月15日閲覧。
  7. ^ Defense and Program-Unique Specifications Format and Content (pdf)”. US Dept. of Defense (2008年4月2日). 2010年9月16日閲覧。
  8. ^ International Organization for Standardization. “01.080.01: Graphical symbols in general”. 2009年6月10日閲覧。
  9. ^ International Organization for Standardization. “ISO 10209”. 2009年6月10日閲覧。
  10. ^ a b International Organization for Standardization. “ISO 832:1994 Information and documentation -- Bibliographic description and references -- Rules for the abbreviation of bibliographic terms”. 2009年6月10日閲覧。
  11. ^ ISO 690
  12. ^ International Organization for Standardization. “ISO 12615:2004 Bibliographic references and source identifiers for terminology work”. 2009年6月10日閲覧。
  13. ^ a b IEEE. “PDF Specification for IEEE Xplore”. 2009年3月27日閲覧。
  14. ^ 江藤学『標準化教本 世界をつなげる標準化の知識』、日本規格協会、2016年7月29日 初版第1刷、274ページ
  15. ^ 江藤学『標準化教本 世界をつなげる標準化の知識』、日本規格協会、2016年7月29日 初版第1刷、274ページ
  16. ^ ISO - Deliverables 2020年4月7日に閲覧
  17. ^ 建築仕様協会
  18. ^ CSC-dcc.ca/認定
  19. ^ CSC-dcc.ca/認定
  20. ^ Food Standards Australia New Zealand. “Australia New Zealand Food Standards Code”. 2008年4月6日閲覧。
  21. ^ International Organization for Standardization. “ISO 14134:2006 Optics and optical instruments -- Specifications for astronomical telescopes”. 2009年3月27日閲覧。
  22. ^ International Organization for Standardization. “ISO 15609:2004 Specification and qualification of welding procedures for metallic materials -- Welding procedure specification”. 2009年3月27日閲覧。
  23. ^ 二村良彦PADの開発」『日立評論』第68巻、日立製作所、1986年5月。
  24. ^ Stefanovic, Miladin et al.; Matijević, Milan; Erić, Milan; Simic, Visnja (2009). “Method of design and specification of web services based on quality system documentation”. Information Systems Frontiers 11 (1): 75–86. doi:10.1007/s10796-008-9143-y. 
  25. ^ Biodiversity Information Standards. “TDWG Standards Documentation Specification”. 2009年6月14日閲覧。
  26. ^ International Conference on Harmonisation of Technical Requirements for Registration of Pharmaceuticals for Human Use. “ICH M2 EWG - Electronic Common Technical Document Specification”. 2009年6月14日閲覧。
  27. ^ Delaney, Declan; Stephen Brown. “Document Templates for Student Projects in Software Engineering”. 2009年6月14日閲覧。
  28. ^ N/A. “Laser Safety Standard Operating Procedure”. 2009年6月14日閲覧。
  29. ^ The University of Toledo. “Sample Standard Operating Procedure Requirements for BSL2 Containment”. 2009年6月14日閲覧。





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