棺とは? わかりやすく解説

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かん【棺】

読み方:かん

常用漢字] [音]カン(クヮン)(呉)(漢) [訓]ひつぎ

死体入れて葬る箱。「棺桶(かんおけ)/出棺石棺寝棺(ねかん)・納棺


かん〔クワン〕【棺】

読み方:かん

死者葬るときに遺体納める容器。ひつぎ。


ひつ‐ぎ【棺/×柩】

読み方:ひつぎ

古くは「ひつき」》死体入れて葬る木の箱。かん。棺桶


ひと‐き【棺/人城】

読み方:ひとき

後世「ひとぎ」とも》「ひつぎ」に同じ。

「—に伏して(かむさ)りましぬ」〈仁徳紀〉


かん 【棺】

埋葬または死体保存のための容器新石器時代から世界各地広く用いられているが、形・用材など国・民族によって異なる。形は箱形舟形形・家形・壺形・筒形・長持形・車体形・人体形楕円形球形などで、死体入れかたにより座棺寝棺大別できる。材料木・石陶器土器磁器紙・布ズック)・編み物乾漆その他がある。ギリシア・ローマでは火葬行われたが、木棺石棺を石(石室)に納める場合もあり、二世中頃から火葬衰えて立派な石棺造られるようになった中国人は棺を重んじ豪華な装飾ほどこした日本先史時代甕棺であった各地に棺に関する俗信がある。→

棺 【ひつぎ】


作者水上勉

収載図書現代民話
出版社平凡社
刊行年月1988.8

収載図書現代民話
出版社平凡社
刊行年月1995.4
シリーズ名平凡社ライブラリー

収載図書恋愛小説名作館 1
出版社講談社
刊行年月1995.5


作者ロバート・リード

収載図書90年代SF傑作選
出版社早川書房
刊行年月2002.3
シリーズ名ハヤカワ文庫SF

収載図書宇宙孤独
出版社ポプラ社
刊行年月2005.2
シリーズ名SFセレクション


作者平山夢明

収載図書東京伝説彷徨う街の怖い話
出版社竹書房
刊行年月2005.11
シリーズ名竹書房文庫


作者フランツ・カフカ

収載図書掟の問題ノート2
出版社白水社
刊行年月2006.10
シリーズ名白水Uブックス


読み方:カンkan

作者 水上勉

初出 昭和41年

ジャンル 小説


読み方:ヒツギ(hitsugi)

作者 永井竜男

初出 昭和52年

ジャンル 小説


出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/14 10:17 UTC 版)

リンカーンの棺
マリア・フョードロヴナの棺。後方の壁に掛けられているのは八端十字架

(かん、ひつぎ、柩)とは、遺体を納めて葬るための容器。

俗に、中身が入っていないものを棺、遺体が収められたものを「柩」とする説があるが、遺体が収められたものを家から火葬場に送り出すことを「出棺」(しゅっかん)といったり、棺に「ひつぎ」の訓があるように、「かん」と「ひつぎ」の使い分けはほとんどない。なお、遺体が収められたものを霊柩(れいきゅう)、それを運ぶための車(自動車)を霊柩車(れいきゅうしゃ)という。

棺の種類

材質

材質に応じて木棺(もっかん)、石棺(せっかん)、陶棺(とうかん)等と称される。

木棺には次のような種類がある。

  • 天然木棺
マキ、ヒノキ、モミなどの天然木を用いた木棺[1]。天然木棺は、主材が檜(ヒノキ)、樅(モミ)、桐(キリ)などの無垢材が用いられ高級品である。
  • フラッシュ棺
2枚のベニヤ材の間に芯材を入れて貼り合せた板材を用いた木棺[1]。フラッシュ棺は、薄いラワン合板の間に芯材を入れて貼り合わせ、表面に天然木(桐が主流)を薄くスライスしたものを貼った突板貼り合板棺、木目を紙に印刷したプリント合板棺、布を貼った布張り棺がある。

一方、熱帯雨林の保護や地球温暖化そして地球資源の有効活用や、火葬で使用する燃料の削減など、環境に配慮した特殊段ボール製のエコ棺も出始めている。

火葬を前提とする日本の木棺は比較的に軽薄だが、土葬文化圏では高級家具建具に準じる重厚豪奢な造りのものも見られる一方、経済的事情もありごく簡素なものまで千差万別ある。

形状

形状はそれぞれ型、カマボコ型、型、型などがあり、外観には彫刻を施した総彫刻、五面彫刻、三面彫刻、二面彫刻などの彫刻棺もある。サイズは火葬場により入れられる寸法が異なる。蓋には遺体の顔を見られるように専用の蓋で開く小窓がついている事が多い。

納棺の形態

棺の形態には座った姿勢で納める座棺と寝た姿勢で納める寝棺がある。寝棺が一般的だが、日本では江戸時代までは座棺が主流であった[1]

納棺の儀式

仏教

頭を北向き(不可能な場合は西向き)にする枕直しをし、胸の上で合掌させ手に数珠をかけたりする[1]

神道

納棺後、毎日朝・夕または毎朝、生前が好んだ常餞(調理した食べ物)か生餞(未調理の洗米、塩、水など)を供える[1]

キリスト教

神父や牧師の立会いのもと納棺は行われる[1]。会葬者一同で祈りを捧げ、聖書を朗読し、聖歌を歌う[1]

各国の棺

フランス

舟形の棺に、故人が成人であるときは黒、子供であるときは白の布を掛け、故人のイニシャルのついた盾を乗せる風習がある[2]

日本

弥生時代には、木棺や石棺、甕棺が使われた。弥生墳丘墓の棺は短く、内法で2メートル程度の組み合わせ箱形木棺が主流であった。中には底がカーブしており割竹形木棺のような棺もあり、組み合わせ石棺も北九州などにある。

古墳時代には、木棺や石棺が使われた。その形は様々で、木棺では刳り抜き式の割竹形(わりたけがた)、組合せ式箱形、長持形(ながもちがた)などがあり、石棺には割竹形、長持形などがある。

古墳時代に盛行した割竹形木棺(わりたけがたもっかん)は、直径1メートル前後のかなり太い丸木を縦に割り、内部を刳り抜いて大人1人の遺骸を収納できるようにした棺である。この名の由来は、竹を縦にわってつくったように見えることに由来するものと考えられる。舟形木棺(ふながたもっかん)も同じような造り方。棺の長さは平均でも5メートル前後、長いものは8メートルにもおよび、1人の遺骸を納めるには長すぎる。副葬品を入れるためとも思われるが、そればかりではないという意見もある。しかし、3分割して頭部上と足部下に各種品を納めている例もある。材質はコウヤマキが圧倒的に多い。

鎌倉時代からは円筒形を立てた型の棺(座棺)が主流となった。現在も使用されている「棺桶(かんおけ)」という呼称はこの形状に由来する。座棺は火葬が主流になる前、土葬をする際に多く用いられた。戦前の瀬戸内地方を舞台とした映画カンゾー先生』でも、遺体を桶状の棺に入れて棒をわたし、男2人で棒を担いで運ぶシーンが登場する。土葬が主であった時代には座棺の方が墓穴が一回り小さく済み好都合だったが、火葬が主になるとより火の回りが良く、焼却炉の開口部も小さくできる寝棺が取って代わった。

アメリカ

遺体袋など可燃性の袋が使われるケースも多い[3]

脚注

  1. ^ a b c d e f g 納棺”. 佐賀県霊柩自動車協会. 2017年2月7日閲覧。
  2. ^ 世界の葬送”. 公益社. 2017年2月7日閲覧。
  3. ^ アメリカの火葬史 火葬用に棺は必要ですか 葬仙ネットワークグループ(2017年6月29日閲覧)

関連項目


出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 05:20 UTC 版)

古墳」の記事における「棺」の解説

古墳時代には死者を棺に入れて埋葬した。棺の材料によって、木棺石棺陶棺乾漆棺などがある。 木棺のうち、刳り抜き式のものは、巨木縦に2つ割ってそれぞれの内部刳り抜きと身とが作られたものと考えられ、「割竹形木棺」と呼び習わされている。ただ、巨木2つに割るとはいうものの、竹を2つに割るように簡単にいかないので、用語として適切かどうか指摘する者もいる。次に、「組合式」といわれる木棺は、、底、左右側板、計四長方形の板と、前後方形小口板、時には別に仕切り板が付くこともあるが、2枚とを組み合わせて作った木棺は、土に埋め土を被せていた。

※この「棺」の解説は、「古墳」の解説の一部です。
「棺」を含む「古墳」の記事については、「古墳」の概要を参照ください。

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出典:『Wiktionary』 (2021/08/12 00:13 UTC 版)

発音(?)

名詞

  1. カン・ひつぎ)死体葬儀にあたって納める容れ物棺桶かんおけ

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「棺」の例文・使い方・用例・文例

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