ひとしお

実用日本語表現辞典

ひとしお

ひとしおとは、一般的に「特に」「格別」といった意味を持つ日本語の表現である。この言葉は、他のものと比べて優れていることや、特別に重視されることを示す際に用いられる。例えば、「彼の努力はひとしおだ」という文では、「彼の努力は特に優れている」という意味になる。 また、ひとしおは海の塩分濃度が高い部分を指す言葉としても用いられる。海水の塩分濃度は地域や深さにより異なるが、特に塩分濃度が高い部分を「ひとしお」と表現することがある。この用法は、海洋学や地理学の分野で見られる。 さらに、ひとしおは地名や人名、企業名などにも用いられることがある。これらの使用例は、その地域や人物、企業が他と比べて特別であることを示す意図があると考えられる。

（2023年8月22日更新）

ひとしお

別表記：ひと入、一入

「ひとしお」とは、「元々の状態や他の場合と比べても格段に際立っている・格別であると感じられるさま」の意味で用いられる表現である。「ひとしお」は漢字で「一入」と書く。ただし「入（しお）」という読み方が一般的でなく、たいていは平仮名で「ひとしお」と表記される。

「入（しお）」はもともとは「染物を染料（染汁）に浸す数」を数える序数詞である。染汁に浸ける回数が多ければ多いほど、染め物の発色は鮮やかになる。そのため「より一段と強く感じられる」「しみじみと感じられる」さまを（「＋1浸し」の意味で）「ひとしお」と言ったのであろうと考えられる。

ひとしおの使い方、例文

• 喜びもひとしお
  ある事柄について、より一層嬉しい、という気持ちを表す時に用いる言葉である。
• 感慨もひとしお
  感動した時に、ある事柄がその思いをより強めるという時に用いる。

ひとしおの類語、類義語

ひとしおの類語には、「格段」や「一段と」などが挙げられる。

（2020年11月2日更新）

デジタル大辞泉

ひと‐しお〔‐しほ〕【一^▽入】

読み方：ひとしお

《2が原義》

１ ほかの場合より程度が一段と増すこと。多く副詞的に用いる。いっそう。ひときわ。「苦戦の末の優勝だけに喜びも—だ」「懐しさが—つのる」

２ 染め物を染め汁の中に1回つけること。

「—再入(ふたしほ)の紅よりもなほ深し」〈太平記・三六〉

ひと‐しお〔‐しほ〕【一塩】

読み方：ひとしお

魚や野菜に軽く塩を振ること。また、そうしたもの。「—の鮭(さけ)」

Weblio日本語例文用例辞書

「ひとしお」の例文・使い方・用例・文例

• 今まで並々ならぬご苦労があったことと存じますが、それだけに喜びもひとしおのものがあるかと存じます。
• 火星は地球とよく似ているだけにひとしお興味をひく。
• その知らせで私達の喜びもひとしおでした。
• 少女の小さな棺の前にそなえられた人形がひとしお哀れをさそった.
• 彼が末っ子だけにひとしおかわいい.
• 春は松の緑もひとしお勝って見える
• 吉原の富士はひとしおの眺めだ
• さなきだに振う都にひとしおの賑わいを添えた
• さなきだに賑わう都にひとしおの賑わいを添えた
• さなきだに賑かな大都会にひとしおの賑いを添える