石棺とは? わかりやすく解説

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せき‐かん〔‐クワン〕【石棺】

読み方:せきかん

せっかん(石棺)1


せっ‐かん〔セキクワン〕【石棺】

読み方:せっかん

石製日本では弥生時代に箱式のもの、古墳時代には箱式のほか、割り竹形・舟形長持ち形・家形のものがある。

1986年発生したチョルノービリ原発事故で、炉心溶融起こし爆発した4号炉からの放射性物質拡散防止するために、応急措置として建設されコンクリート建造物


石棺

読み方:セッカン(sekkan)

遺骸をおさめる石製容器


石棺

作者新井満

収載図書カフカの外套
出版社文芸春秋
刊行年月1991.12


石棺

作者田島伸二

収載図書沈黙珊瑚礁
出版社蝸牛
刊行年月1996.2


石棺

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/17 21:48 UTC 版)

石棺(せっかん、せきかん、: stone coffinあるいはsarcophagus)は、石材で造られた

当記事では世界各地の石棺について解説する。

概説

世界各地で、さまざまな時代で、石棺は用いられている。

たとえば古代エジプト古代ギリシア古代ローマローマ帝国)、中世ヨーロッパで用いられている。

古代エジプトのエジプト新王国時代にはファラオが石棺に入れて埋葬されていたことが知られている。

アレキサンダー大王の石棺」は、現在はトルコのイスタンブール考古学博物館に(実物が)展示されている[1]

現代でもバチカンでは教皇が亡くなればその遺体は木製の棺に入れた上で石棺に納める[2]

なお古代エジプト、古代ギリシア、古代ローマなどの石棺がサルコファガスと呼ばれている[3]。(つまり「古代エジプトのもの(だけ)をサルコファガスと呼ぶ」という主張は誤りである。)

中東の地にあった古代遺跡からは多くの石棺が発掘されてきた歴史がある。たとえばバビロニアの王たちの墓からは石棺が出土している。

フェニキアの地からは、紀元前850年ごろのものと推定されているアヒラム王の石棺も見つかっている。

また東アジアではカンボジア中国朝鮮半島日本などの権力者によって石棺は用いられた。古代の中国・朝鮮半島・日本はいわばひとつの文化圏であり、それらの石棺には影響関係が認められる。

アメリカ大陸ではメソアメリカ文化で石棺が用いられた。ペルーのカラヒア遺跡からは、人型石棺(en:Sarcophagi_of_Carajía)が見つかった。マヤ文明のパレンケの地下遺跡でも石棺が発見されている。

もともとは彫刻などで装飾をほどこされたものを特にsarcophagusサルコファガスと呼んでいたが、彫刻をほどこしていない質素な石棺も「sarcophagusサルコファガス」と呼ばれることが増えている。

日本の石棺

本節内では、古代日本における石棺について説明する。

大阪府立近つ飛鳥博物館展示。

棺には、石棺の他に壺棺・甕棺木棺陶棺乾漆棺などがある。
そのうち石棺は最も堅牢で密閉性に優れ、遺骸の保存に適している。 縄文弥生古墳の各時代に造られ使用された。

石棺には、天然の扁平な石を組み合わせただけのやや小型の箱式石棺と、石材を加工した大型の石棺とに分類することができる。
箱式石棺は大陸でも見られ、縄文時代後期に東日本で広がったものと弥生時代初期に稲作とともに北九州に渡来したものがある。

大型の石棺は弥生時代にも散見されるものの、主には古墳時代の特色とされている。
大型の石棺には、石材を刳り抜いたものと組み合わせたものがある。刳抜式の割竹形石棺舟形石棺4世紀後半に現れた。

5世紀には組合式の長持形石棺が近畿中央部を中心に広がり、中部九州や山陰北陸関東などでは舟形石棺が発達した。
6世紀には、近畿九州山陽山陰東海関東の一部に、地方の特色を備えた独自の刳抜式や組合式の家形石棺が盛んに用いられ、7世紀に入っても一部で継続して使用された。

縄文時代の石棺 秋田県北秋田郡田代町本郷矢石館遺跡で5基発見されている。石棺を包含する土層と周辺から出土した土器から、これらは晩期のもと推定されている。青森県久原山野峠遺跡では6基発見されている。[4]

弥生時代の石棺

古墳時代の石棺
  • 割竹形石棺(わりだけがたせっかん)割竹形木棺を真似て造られた石棺。
  • 舟形石棺(ふながたせっかん)蓋・身ともに刳り抜き式で、割竹形石棺の変容形とも解されている。
  • 長持形石棺(ながもちがたせっかん)長さ2 - 3メートルで、身は箱形の組合式。
  • 家形石棺(いえがたせっかん)身は箱形で、蓋は屋根形をしている。

日本の節の参考文献

日本の節の関連項目

脚注


石棺

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/01/22 22:26 UTC 版)

江崎古墳」の記事における「石棺」の解説

石室のほぼ中央右側壁に近接して刳り抜き式の家形石棺置かれていた。部の長辺に各2、短辺に各1の縄掛け突起付いている。縄掛け突起傾斜面につき、小さく扁平実用機能をもたない部の南東はちょうど人が入りこめるほどに破壊され盗掘物語っている。身は、上縁長辺238センチ、同短辺131センチ基底長辺238センチ、同短辺125センチ、高さ68センチ刳り抜き深さ46センチである。長辺251センチ短辺143センチ 、高さ43センチ 刳り抜き深さ16センチで、長辺短辺とも中央わずかにふくらんでいる。石材貝殻石灰岩こうもり塚古墳の石棺と同じである。

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石棺

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/06 15:11 UTC 版)

石人山古墳」の記事における「石棺」の解説

後円部中央には緑泥片岩平石積みによる古式横穴式石室があり、内部に横口式組合式家形石棺が安置されている。寄棟造底辺長2.8メートル妻側縄掛突起造り出されている。身は4板石組み合わせており、高さ1.4メートル長さ2.3メートルである。石棺には直弧文重圏文が浮き彫りされ、さらに丹彩されているが、これは最古期の装飾古墳として重要である。石室江戸時代開口され天井部は失われているが、保護施設覆われておりのぞき込むようにして見学できる

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石棺

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 03:19 UTC 版)

ギザの大ピラミッド」の記事における「石棺」の解説

王の間には、花崗岩製の簡素な置かれている。長さ2.28m、幅0.98m、高さ1.05mで、入口よりも大きいため完成前封入されたと考えられるアスワン石切場から運ばれ花崗岩作られたもので表面装飾はまったく、も見つかっていない。古代エジプトにおいて、花崗岩をくり抜いて作られ初めての考えられる当時青銅道具はなく作られ円筒状の鋸で砂を撒きながら掘り削られたと考えられている。1999年行われた実験考古学により、こうした形状加工する為に延べ28000時間9年掛かった推定されている。

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石棺

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/03 00:13 UTC 版)

蓮華寺 (松山市)」の記事における「石棺」の解説

昭和41年頃に境内発見されたもので、九州阿蘇山溶結凝灰岩作られ古墳時代中期後半 (五世紀)の舟形石棺底部である。このことから、この山全体古墳ではないか推定されている。

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石棺

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/06 14:11 UTC 版)

新安全閉じ込め構造物」の記事における「石棺」の解説

従来の安全閉込め構造物は公式には「オブジェクト・シェルター("Object Shelter")」という名称であるが、一般には「石棺("the sarcophagus")と呼ばれている。これは1986年5月から11月にかけて、チェルノブイリ原子力発電所(ChNPP)4号機残され放射性物質封じ込めるために緊急に設置されたものである建設極めて線量環境において極めて厳し時間制約のもと進められた。石棺によって放射能汚染封じ込め概ね成功し損壊した原子炉モニタリングが行えるようになった。 石棺は一部損壊した4号機原子炉建屋支えにして建てられているが、原子炉建屋自体事故時の爆発により構造的に不健全な状態になっていることが懸念されていた。石棺の屋根は主に3つの構造部材支えられている。東西に走る2本のB-1およびB-2呼ばれる)が天井パネル桟木支持しており、さらに東西方向最長部にけられた「マンモス・ビーム」と呼ばれる強度の高い天井パネル桟木支持補助している。石棺の屋根南北方向水平に並べた直径1mの鋼管と、そこにアングルを介して取り付けられ鋼板作られている。 石棺の南側壁面屋根から延び鋼板で、垂直から約15度傾斜つけられている。東側原子炉建屋そのもので、北側原子炉建屋とコンクリートセグメントが組み合わされている。西側補強のため控え壁設けたコンクリートになっている西側の壁は構造複雑なため放射線量の高い現地では組み立てられず、別の場所で組み立てたものを遠隔操作タワー型クレーン取り付ける方式建設された。石棺の写真として紹介されるものの多くは、控え壁のある西側写したのである。 よく勘違いされることであるが、石棺は恒久的な閉じ込め構造物として設けられたものではない。雨水による腐食内部放射性物質からの放射線により劣化進んでおり、放射性物質環境中漏れ出す危険性高まりつつある。2007年以前から屋根屋根へのアクセス通路集塵装置長期モニタリングシステムなどが設置されてきたものの、4号機残され放射性物質将来渡って閉じ込め続けるためには、石棺の大規模な修繕あるいは交換必要な状態になってきた。4号機建屋内部には、事故当時内部にあった放射性物質のうち95%が残っていると見積もられている[要出典]。

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石棺

出典:『Wiktionary』 (2021/10/12 10:47 UTC 版)

この単語漢字
せっ
第一学年
かん
常用漢字
音読み 音読み
この単語漢字
せき
第一学年
かん
常用漢字
音読み 音読み

発音

名詞

(せっかん または せきかん)

  1. 石で造られた

「石棺」の例文・使い方・用例・文例

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