割竹形石棺
主名称: | 割竹形石棺 |
指定番号: | 488 |
枝番: | 00 |
指定年月日: | 1993.06.10(平成5.06.10) |
国宝重文区分: | 重要文化財 |
部門・種別: | 考古資料 |
ト書: | 香川県善通寺市磨臼山古墳出土 |
員数: | 1合 |
時代区分: | 古墳 |
年代: | |
検索年代: | |
解説文: | 香川県鷲ノ山産出の角閃【かくせん】安山岩を用いて作られた刳り抜き式石棺である。身と蓋からなり、ともに平面は長方形を呈す。蓋の外形は、頂部が横断面三角形に近い形状を取り、側面は身とは逆に下端から上端に向かってやや外開きの面をなし、頂部との境に段がつく。身の側面上半は、上面から下方に向かって僅かに広がる傾斜面をなし、横断面蒲鉾形の底部との境に稜線をもつ。身の刳り込み内部の広端部には、石枕を作り出し、頚の左右に勾玉状の耳飾りを陽刻する。また内部には朱の痕跡が認められた。 本石棺を出土した磨臼山古墳は、古墳時代前期末ごろに築造された前方後円墳で、善通寺市南の大麻山から平野に突き出した標高一一九メートルの尾根上に立地する。石棺は、後円部墳頂の地山を浅く掘って川原石を敷きつめた後、主軸を東西に、頭部を西にして置かれていた。寛政・天保年間の二度にわたり盗掘を受け、副葬品はすでに散逸している。この石棺も昭和三十一年、土地の所有者によって掘り出され、善通寺市立郷土資料館に寄贈されたものである。 割竹形石棺は、本来丸太を断ち割って組み合わせた割竹形木棺を石製としたもので、断面形がより扁平になり、蓋の端辺の傾斜が顕著になるものを舟形石棺として区別する。これら石棺は、香川県をはじめ近畿周辺から九州地方まで広く分布するが、その大半は舟形石棺に分類されるもので、割竹形石棺としての形状を備えるものは、鷲ノ山および火山【ひやま】産出の石材で作られたごく少数に限られる。 本遺品は、横断面が完全な円形をなさず、稜線や段をもつ点で、典型的な割竹形石棺よりはやや後出と見られる。加工がすぐれて丁寧であること、遺存状態が他に比べて良好であることなどから、古墳時代前期を代表する石棺の一つとして、重要なものである。 |
考古資料: | 出雲玉作遺跡出土品 出雲神原神社古墳出土品 出雲荻杼古墓出土品 割竹形石棺 割竹形石棺蓋 動物形土製品 北海道カリンバ遺跡墓坑出土品 |
割竹形石棺
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2014/07/24 03:29 UTC 版)
割竹形石棺(わりたけがたせっかん)とは、古墳時代の棺の一種である。
概要
刳抜式の割竹形木棺を真似て造られたものであり、断面は円形で、両端を垂直に切ってある。そこに縄架け突起を付けたり、内部に石枕を造り出したりしている。長さは2~3mのものが多い。4世紀(古墳時代前期)に出現し、香川県などで造られた。その変容形が舟形石棺であり、それに先行して使用されたと推定されている。[1]
割竹形石棺の例
脚注
- ^ 杉山晋作「割竹形石棺」/江坂輝彌他(2005) 432ページ
参考文献
- 江坂輝彌・芹沢長介・坂詰秀一編『新日本考古学小辞典』ニュー・サイエンス社 2005年 ISBN 4-8216-0511-2
- 永原慶二監修 石上英一他編集『岩波 日本史辞典』岩波書店 1999年 ISBN 978-4-00-080093-8
関連項目
割竹形石棺と同じ種類の言葉
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