シンビアン‐オーエス【シンビアンOS】
Symbian OS
別名:シンビアンOS
Symbian OSとは、英国のSymbianによって開発された、携帯端末向けのオペレーティングシステム(OS)の名称である。
Symbian OSは、スマートフォン(携帯情報端末の機能を搭載した携帯電話)や高機能な携帯電話などにライセンスされ採用された。NokiaやEricssonなど、ヨーロッパの有力な移動体通信事業者の端末をはじめとして、欧米の携帯端末では幅広いシェアを獲得している。日本でも、NTTドコモのFOMAシリーズの機種などにおいて、Symbian OSが搭載されている。
参照リンク
Symbian OS - the mobile operating system - (Symbian)
スマートフォン: | OPhone P-05D Phab 2 Pro Symbian OS S60 Sony Ericsson mini SH-06D NERV |
Symbian OS
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/07 04:24 UTC 版)
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開発者 | ノキア (アクセンチュア) |
---|---|
ソースモデル | 独自[1] |
最新安定版 | 9.5 |
使用できる言語 | 48(日本語含む) |
パッケージ管理 | .sis, .sisx, .jad, .jar |
プラットフォーム | ARM (x86のエミュレートに対応) |
カーネル種別 | リアルタイム |
既定のUI | S60、UIQ、MOAP |
ウェブサイト |
symbian |
Symbian OS(シンビアンオーエス)はシンビアンによる携帯機器向けオペレーティングシステムであり、関連するライブラリ、ユーザインタフェースフレームワーク、一般的なツールの参照実装が含まれる。2008年にシンビアンはノキアに買収され、2011年末までにノキアから多国籍コンサルティング企業のアクセンチュアに事業が移管された。2010年時点では、スマートフォンのオペレーティングシステム (OS) ではシェア1位であり[2][出典無効][3][4]、フィーチャーフォンでも広く使われていた。その後Android及びiOSによってシェアは激減し、2012年のシェアは僅か3.3%となった[5]。ノキアは2013年夏、最後のSymbian OSベースのスマートフォンを出荷し、今後はWindows Phoneに完全に移行することを発表している[6]。
概要
英PSION(サイオン)がハンドヘルドPC向けとして1990年代に開発したOS、EPOC32の名称を改めスマートフォン向けにリリースしたOSである[7]。2007年現在までに、Symbian OSを使用したユーザインタフェースにはUIQやS60(旧称Series 60、開発ノキア)、Series 80、Series 90、MOAP (S) (開発NTTドコモ)などがある。ユーザインタフェースの高い適応性によりSymbian OSをさまざまなフォームファクターのデバイス(クラムシェル型やタブレット型、キー入力式やペン入力式、PDAや携帯電話など)で使用することが可能となっている。
UIQはソニー・モバイルコミュニケーションズ(当時)やモトローラのペン型スマートフォンに、S60はキーパッド型スマートフォンに採用されている。Series 80はコミュニケータと呼ばれるフルキーボード型スマートフォンに、Series 90はノキアのペン型スマートフォンにそれぞれ採用されていたが、Series 90は2006年、Series 80は2007年にそれぞれ開発終了している。コミュニケータタイプはS60へ移行・統合すると発表されている。
また、UIQとS60ではソフトウェア開発キットを公開していることで、パソコンソフトのように個人が自由にソフトを開発することができる。また個人が自由に端末にソフトをインストールし、拡張することができる。
2008年6月にノキアはシンビアンを買収し、各モバイル端末ベンダーとアプリケーションプロバイダとで構成されるSymbian Foundation(シンビアン・ファウンデーション)を創設して、SymbianOSをEclipse Public Licenseのもとで一般公開する計画を発表した。
創業メンバーとして、ノキア、Sony Ericsson、モトローラ、NTTドコモ、AT&T、韓国LG Electronics、Samsung Electronics、スイスSTMicroelectronics、米Texas Instruments(TI)、英Vodafoneの10社が発表されていた。実際には、モトローラと韓国LG Electronicsは不参加で設立された。
Android OS登場前の最盛期は60社以上の企業がSymbian Foundationに参加していた。
2009年2月からS60などのソースコードとともにSymbian FoundationからSymbian platformとしてEPLで公開されていたが、2011年1月以降はノキアからオープンソースとしてリリースされている。
2011年2月11日にノキアはスマートフォンの最重要プラットフォームをSymbianからWindows Phoneに移行すると発表した[8]。ノキアは将来Symbianへの投資をやめる予定[9]。
2011年4月27日、ノキアはSymbianおよび関係する社員3000人を2011年末までにアクセンチュアに移管することを発表[10]。2009年10月には、アクセンチュアはノキアのSymbianのシステム向けサービス部門を買収していた。
プログラミング上の特徴
長期連続稼動しつづける可能性のある携帯機器のために設計されている。メモリを節約することが強調されており、ディスクリプタやクリーンアップスタックなどのSymbian OS固有のプログラミングイディオムが使用されている。他の技法と組み合わせることによってメモリの使用量を低く保ち、メモリリークの発生を抑える。また外部記憶スペースを節約するための同様の技法も存在している。Symbian機器の記憶装置はフラッシュメモリであることが多い。
全てのSymbian OSプログラミングはイベント駆動方式であり、アプリケーションが直接イベントを処理していないときにはCPUはオフにされる。これはアクティブオブジェクトと呼ばれるプログラミングイディオムによって達成されている。こうした技法が正しく使われなければ、アプリケーションが携帯電話のバッテリーを数時間で消費してしまうこともある。正しく使えば、バッテリーの持続時間は飛躍的に向上する。
このような特徴により、Symbian OSのC++コードは特殊化したものとなっている。ただし、Symbian OS機器はOPL、Python、Visual Basic、Simkin、Perl、さらにJavaのJava ME環境やPersonal Java環境でプログラムすることも可能である。
ウイルス問題
2004年にはSymbian OS S60を使用した携帯電話を対象にした最初の携帯電話ウイルス(ワーム)「Cabir」 が登場した。このワームはBluetoothを使用して近くの携帯電話に伝播する。
日本で発売されている機種
日本でも、今まで主流だったリアルタイムOSを置き換えるかたちでNTTドコモのiモード端末用のOSとして採用されている。Symbian OS上のユーザインタフェースには以下の3種類が存在する。
- MOAP(S)
- MOAP (S) ユーザインタフェースは、富士通がFOMA F2051で初めて携帯電話に採用した。現在では富士通(略号:F)とシャープ(SH)とがNTTドコモ向けFOMA携帯電話に使用している。また、かつては、三菱電機(D:2008年3月撤退)とソニー・エリクソン(現:ソニー)・モバイルコミュニケーションズ(SO)も使用していた。
- S60
- S60ユーザインタフェースを採用したものは、ボーダフォンからは、ノキア製702NK、702NK IIと804NKが、ソフトバンクモバイルに移行後に705NK、X01NK、X02NK、N82が発売されている。ノキアジャパンからはSIMフリー機であるNokia 6630STD日本版及びE61STD日本版が発売されている。NTTドコモからは、NM850iG、NM705i、NM706iが発売されている。S60はノキアにより開発された。
- UIQ
- UIQインタフェースを採用しているのは、モトローラ製M1000がある。
- OPP
脚注
- ^ “Not Open Source, just Open for Business”. symbian.nokia.com. 2011年4月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年2月7日閲覧。
- ^ en:Mobile operating system
- ^ 2010年に世界で販売された携帯電話は16億台、スマートフォンは72%成長――Gartner調査 - ITmedia エンタープライズ
- ^ 「iPhone」が245%増の大躍進 ― 2008年スマートフォン市場 - @IT
- ^ OS別世界スマートフォン市場シェア、AndroidとiOSが合わせて9割超──IDC調べ
- ^ “Nokia to stop shipping Symbian smartphones”. Financial Times. (2013年6月11日) 2022年5月18日閲覧。
- ^ EPOC Operating System
- ^ “ノキア・マイクロソフト提携Q&A:Android不採用の理由、MeeGoの今後、タブレット戦略など”. Engadget日本版. (2011年2月11日). オリジナルの2016年3月5日時点におけるアーカイブ。
- ^ “RIP: Symbian” (英語). Engadget. (2011年2月11日)
- ^ “Nokia、4000人を削減し、3000人のSymbian事業をAccentureに移管”. ITmedia エンタープライズ. (2011年4月28日)
関連項目
- REX OS - ライバル企業である米国クアルコムによる携帯機器向けオペレーティングシステム
- ScummVM - Symbian OS 上で動作するアドベンチャーゲームのエミュレータのようなもの
- Symbian platform
外部リンク
- Symbian Blog - Symbian at Nokia - ウェイバックマシン(2012年3月16日アーカイブ分
- Symbian Foundation
Symbian OS(Symbian Foundation)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/09 02:34 UTC 版)
「モバイルオペレーティングシステム」の記事における「Symbian OS(Symbian Foundation)」の解説
携帯電話やスマートフォンに特化した設計をもつオペレーティングシステム。元はノキアが開発した。従来型携帯電話にも多く採用された。初期のスマートフォンで普及したが、iOS・Androidが主流化し衰退。
※この「Symbian OS(Symbian Foundation)」の解説は、「モバイルオペレーティングシステム」の解説の一部です。
「Symbian OS(Symbian Foundation)」を含む「モバイルオペレーティングシステム」の記事については、「モバイルオペレーティングシステム」の概要を参照ください。
「Symbian OS」の例文・使い方・用例・文例
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- この点に関しては旧来のOSから変更はありません。
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- 彼は SOS 信号を受信した.
- かつて敵対関係にあった 2 社が組んで, 今は新しいコンピューターの OS を開発しようとしている.
- 愛知万博でYOSHIKIさんの音楽が響く
- ロックグループ,元X JAPANのリーダー,YOSHIKIさんが愛知万博の公式ソングの制作者に選ばれた。
- 7月25日に開かれた記者会見で,YOSHIKIさんは曲の基本を形作るメロディーを公開した。
- 開催関係者は,YOSHIKIさんの曲の人気がでて,さらに多くの人を呼んでくれるよう願っている。
- 同社はパソコンの基本ソフト(OS)「ウィンドウズ」の販売を開始し,市場の優位を占めるようになった。
- しかし,マイクロソフト社のウィンドウズOSを搭載したコンピュータが長い間マックよりもはるかに多くの人気を得ている。
- これにより,マックは処理速度が上がり,マック上でウィンドウズOSを起動することも可能になる。
- 東京にあるアップルストア銀座店では,特に若者や女性など,多くのiPodの顧客がウィンドウズOS搭載機からマックへ乗り換えている。
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