9つのタイプ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/02 07:56 UTC 版)
9つの固着は、9つのシステムに対応する9つの「意識領域」に関連している。次の表は、イチャソによる自我の固着と固着が起こっている領域の表で、イチャソとアリカ学院に学んだ経験のある哲学教授アンドリュー・J・デッロリオの記事の情報に拠る。 イチャソによる自我の固着とその領域番号123456789自我の固着エゴ-憤り(過度な完璧主義) エゴ-追従(過度に自立的) エゴ-前進(過度な能力主義) エゴ-憂鬱(過度な推論) エゴ-出し惜しみ(過度な観察) エゴ-臆病・卑怯(過度にリスク親和的) エゴ-計画立案(過度な理想主義) エゴ-復讐(過度な正義家) エゴ-怠惰(過度に体制順応的) 固着した意識領域感情の領域 健康と安全の領域 創造性の領域 知的領域 社会的相互作用の領域 仕事と活動の領 ヒエラルキーと権威の領域 法とモラルの領域 精神的領域 アリストテレスの徳論のように、それぞれの自我の固着(しばしばエニアグラムの「タイプ」と呼ばれる)は、意識領域内の二項対立のどちらかに偏るのが習性であるとされる。例えば、タイプ1の「感情の領域」における偏りは、「自制心」と「無神経」、「気配り」と「気難しい」といったプラスマイナスのどちらかに偏る。また、タイプ8を主に持つ人は、自分にも他人にも厳しすぎるか、あるいは過度に放任する傾向があるとされる。このタイプは、自責の念に悩まされ、それを補うために自分や他人に冷たい仕打ちをすることで解放されようとする。このタイプの囚われは「過剰」であり、「カルマ・クリーニング」と「無垢」の美徳を身につけることによって克服できる可能性があると考えられる。 下の表は、9つのタイプの主な特徴と、その基本的な関係を示している。この表は、主にドン・リチャード・リソとラス・ハドソンの著書「Understanding Enneagram: The Practical Guide to Personality Types(改訂版)」の資料を用いて、イチャソの「自我の固着」「聖なるイデア」「囚われ」「美徳」を説明したものである。リソとハドソンは、本書でイチャソの「自我の固着」の理論をより包括的かつ有用にし、性格タイプを現代心理学とより明確に整合させよう試みるなど、いくつかの重要な点でイチャソのものから解釈を変更したと明言し、また、伝統的な教えの一部であった難解な秘教的要素と、彼らが役に立たない・間違っていると判断した解釈を排除したと述べている。エニアグラム理論家はそれぞれ理論を追加したり変えたり排除したりするため、他の理論家も様々な面で意見が異なる可能性がある。 ドン・リチャード・リソとラス・ハドソンによる自我の固着と関連要素タイプ特徴的な役割自我の固着聖なるイデア根源的な恐怖根源的な欲求誘惑悪徳/囚われ美徳ストレス/ 分裂安心/ 統合1改革者、完璧主義者 ルサンチマン、怨恨 完璧 堕落、不均衡、邪悪であること 善良、高潔、均整 偽善、酷評 怒り 静穏 4 7 2助力者、与える人 追従 自由、意志 愛されていないこと 愛を感じること 自身の欠乏・欲求の否定、心理操作(英語版)(他者を欺瞞的に操ること) 傲慢 謙虚(英語版) 8 4 3達成者、実行者 虚飾 希望、行動規範 無価値 価値を感じること 常に「最高」であるよう自分を追い立てる 欺瞞(英語版)、虚栄 正直 9 6 4個人主義者、空想的な人 憂鬱 起源 独自性や重要性がないこと 自分らしくあること 自分探しに想像力を使いすぎる 嫉妬 平静 (感情のバランス) 2 1 5調査員、観察者 けち 全知、透明性 無力、能力・素質不足、不適格 習得、理解 観念を直接の経験の代わりにする 貪欲(英語版)(所有) デタッチメント、超然 7 8 6体制支持者、忠実で慎重な人 卑怯・臆病 信頼 支援や指導がないこと 支援や指導を得ること 優柔不断、疑念、安心を求める 恐怖 勇気 3 9 7熱中する人、快楽主義者 計画立案 目新しさ、充実感 不満足、閉じ込められていること、貧困 不足がないこと、願い・欲求が満たされていること もっと別のところに充実感があると考える 暴食(英語版)、貪欲(消費) 素面(英語版)、冷静 1 5 8挑戦者、庇護者 復讐 真実 支配され、傷つけられ、侵害される 自己防衛 完全に自分のことは自分でできると思う 煩悩、渇望(情欲・支配欲・金銭欲等) 無邪気、無垢 5 2 9調停者、まとめ役 怠惰 愛 喪失、分断、分離 全体性、安心 対立を避け、自己主張を避ける 怠惰(英語版) 行動 6 3 タイプは通常、番号で呼ばれているが、代わりに「特徴的な役割」(特徴的な原型(英語版)の特性を意味する)が使われることもある。それぞれのタイプには、著者や教師によってさまざまな呼び名が使われている。 イチャソは、「囚われ」の配置は大天使メタトロンが明らかにしたものだとしており、彼はカバラ(ユダヤ神秘主義)とエニアグラムは関連があるとしている。 リリーはイチャソに、自我の偏向と、心的偏向(mentation)や西洋占星術の上昇宮(英語版)(誕生した時間・場所で東の地平線を上昇している宮(星座))を関連付ける方法を習っており、牡牛座を除くすべての上昇宮は、それにまつわる自我の偏向を持っているのだという。 「ストレス」と「安心」のポイント(「分裂」と「統合」のポイントと呼ばれることもある)は、エニアグラムの図の線で結ばれたタイプで、より不利な状況やリラックスした状況で人に影響を与えると信じられている。この理論によると、例えば、1番目のタイプを主に持つ人は、ストレスを感じると4のタイプを持つ人のように、リラックスすると7のタイプを持つ人のように考え、感じ、行動するようになる可能性がある。
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