黄金のイルカ号
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/12/14 16:43 UTC 版)
ロヴ・ジョナサン 主人公。地球系オイリクス人で四方に跳ねる赤毛が特徴。寄港先であるヤド星で、いきなり故郷の軍を追い出され、再就職先を探していた。好奇心旺盛な性格で感情の起伏が激しい。軍での階級は少尉で、所属は情報部だが後述する超能力故の配属であり、感情に流されがちなため冷静な対応を必要とする情報部将校には向かない。 求人の条件に食い違いがあったものの、あるアクシデントからなし崩しに欠員となっていた副砲撃手として採用される。 実は潜在的に「精神共鳴(サイコ・レゾナンス)」という受動テレパシーを持つESP系超能力者であり、マリリンやラフェール人の真意を確かめるための情報収集役として、上司であるO2に送り込まれた。しかもその際、O2によってマインドコントロールを施され、銀河連邦宇宙軍の情報部に籍を移されている。 普段は超一流テレパシストであるO2が施した心理操作による行動指針に基づき、無意識に彼専用のスパイカメラとして動いているが、それはラフェール人テレパシストであるマリリンに見抜かれており、彼の影響下にも置かれたことで、マリリンとO2を繋ぐか細い「糸電話」の役割にされ、たまにO2に体を乗っ取られる。 度々マリリンの精神波に同調し、彼の記憶にあるラフェール星のビジョンを見たり、ラフェール星の王宮に残されていたラフェール人の残留思念に引きずられるなど、特殊な体験が多い。 マリリアード・リリエンスール 通称:マリリン。27歳。「黄金のイルカ号」のオーナーにして船長。鋼を思わせる銀色の瞳と長い黒髪を持つ美青年だが、特殊な事情から主に女性言葉で話し、しぐさも女性のそれであることが多い(笑い方が「ほほほ」、笑う時に口元に手の甲を当て、小指を立てるなど)。ただし、怒りで我を忘れているような時は男言葉。戦闘中は髪を三つ編みにしている。ロヴやカラマイとは10歳くらいしか離れていないが、父親のように彼らを可愛がり、たくましく成長させてきた。 故郷であるラフェール星を滅ぼした、強力な伝染病・シタン病に冒されている。女系王朝だったラフェール王家の生き残りの王子で、先祖返りであるため、一般的なラフェール人とは似つかぬ体躯とエンパシーより強力な能力であるテレパシーを有し、パスワードなしでコンピュータにアクセスできるほどの実力を持つが、シタン病が進行するため滅多なことでは使わない。 シタン病の進行を抑えるべく、アトリという観葉植物の葉をハーブティーにして定期的に飲んでいるが、超能力を使うたびに進行させ、一度は消化器官の一部を炭化させてしまうなど、その身体は徐々に死に向かっている。また、シタン病の影響で、髪がかなり硬質になり、光をよく反射する上、切ろうとして刃物を当てても、刃物の方が刃こぼれしてしまう。 作中中盤で、前述の「シタン病抑制剤」の副作用で視力を失ってから、それを補うべくテレパシー能力が上がり始める。 フミ・キザキ 女性クルー。重力に逆らうように伸びた栗毛が特徴の地球系人類だが、初登場時は六芒人に変装していた。武器の扱いに長ける元宇宙海賊で、前歴を消すため死んだことになっている。砲撃手で砲撃や射撃の腕は良い。 クルーの中ではマリリンとの付き合いが一番長い。20歳まで無法者達の世界で育ち、海賊船の船長をしていたこともあるためか、鉄火な性格。 オルガ・シオ 女性クルー。27歳。学都惑星・玲藍(れいらん)の医学系大学を出ている船医(専門は内科)。ラフェール星滅亡に関するある事情から、ラフェール星とラフェール人にある思いを抱いている。 のんびりとした口調でしゃべるのが特徴(早く喋ると舌を噛むらしい)。4つ年下のフミとは仲がよい。 続編である『三千世界の鴉を殺し』にも登場。すっかりおばあちゃんなったそうだが、恩師であるサラディン曰く、『笑顔は全く変わらない』。 ロアン・ガブリオッティバダルギーシュデム 男性クルー。フミの次にマリリンとの付き合いが長い友人で、六芒人の操縦士兼メカニック。名前が長すぎるため、滅多にフルネームで呼ばれない。実家はフィラルの名門。 実はラフェール人滅亡を狙う組織「ウロボロス」に所属し、内通のため元の職場を辞めて乗り組んだ。フミに気があったが、その想いはほとんど届かず、内通者であることが判明した際、一旦は小型艇の格納庫までたどり着くも追い詰められ、組織幹部による処罰を受けるよりはと拳銃自殺。 イアラ・メグ 地球系の退役軍人で、O2ですら知っているほどに名の通った「戦艦ティダムの鬼少将」の異名を持つ中年女性。女性ながら少将まで昇進し、戦艦の艦長を20年務めた女傑で、大抵は軍隊調のしゃべり方をするが、女性らしさも失っていない。 夫はラフェール人外交官で、彼が仕事でラフェールに戻った時に悲劇が重なった。そのためラフェール人13人の世話を命じられる。軍人だった名残から射撃の腕はそこそこ。 彼女が軍を辞めてまで乗り組んだのは「夫を殺した組織に復讐するため」。2人の子供がいるが、どちらも成人している。彼女からすれば、上の子供と年が近いこともあり、ロヴたちを可愛がるマリリンも「かわいい」と言う対象らしい。 当初は航海士だったが、ソ・トト成人後は操縦士に移動。 ソ・トト 男性クルー。繭を作って羽化するように成人するアスラ人。本人曰く、名前は「ソ族のトという男の6男」という意味。 幼年期の外見年齢はロヴと大差ないが、長命な種族ゆえ、実年齢は彼の3倍はあるらしい。成人後の姿は「サイケデリック・モヒカン野郎」と評される(カラー口絵では黄土色の肌に、カラフルな髪が逆立っている)。また、幼年期と比べて性格が好戦的になり、言動にけたたましさが加わった上、笑っても怒っても凶暴さを強調するような顔になる。髪の色は感情によって(不機嫌なら青や紫系統に、興奮していると赤やオレンジ系統に)変化する。 当初は通信士だったが、成人後は「外見が通信相手に恐怖を与える」と言われ、副砲撃手に移動。 シドロ、モドロ 船の管理コンピュータ。メインコンピュータがシドロ、サブコンピュータがモドロである。音声とスクリーンに文章を映し出すことで船員と意思疎通が可能。どちらもコンピュータでありながら、感情を持っているかのような描写をされる。また、ラフェール星のオドロとある程度同調するよう改造されている。 シドロは衛星や宇宙港のコンピュータに侵入し、“説得”することも出来る。しかし、ウロボロスの内通者に1度初期化された。
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黄金のイルカ号
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名前のとおり、イルカのような流線型をした優美な外観と一流ホテル並みの内装を誇る民間船。しかし、そのフォルムにまぎれてかなりの武装が隠されており、エイのような姿をした艦載機に「ノルカ(1号機)」「ソルカ(2号機)」「ヤルカ(3号機)」という名がついている。
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