都の人々
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「少年陰陽師の登場人物」の記事における「都の人々」の解説
藤原行成(ふじわらの ゆきなり) 声 - 関俊彦 右大弁と蔵人頭を兼ね、左大臣道長の信頼の厚い出世頭。昌浩の加冠役で、温厚で頼りになる。敏次とは縁戚関係で、赤子の時から知っている。敏次が欠勤続きの昌浩に対していやみ攻撃を仕掛けていたときも、昌浩には理由があって仕事を休んだのだということを理解していた。もっくんが気に入っている人間である。 成親の妻とは幼馴染の間柄で、その縁もあり成親と親しい。 長男は早くに亡くしている。その後3歳の姫と次男の実経に恵まれる。しかし昌浩が播磨に滞在している間に妻と生まれたばかりの子供を亡くした。 藤原敏次(ふじわらの としつぐ) 声 - 福山潤 陰陽生の中でも筆頭の実力を持っている青年で昌浩の3つ上の先輩。作者から付けられた愛称は「とっしー」。見鬼の才は持っていないが、厳しい修行を重ねており、昌浩の相を言い当てたことがある。生真面目だが融通がきかず、一時期誤解から昌浩に嫌味攻撃を仕掛けたことがあったが、昌浩が真面目に仕事をこなすようになってからは、気を配ったり世話を焼いたりしている。そのため、昌浩からは尊敬されているが、もっくんは癪に障っている様子で、見えないのをいいことに回し蹴り攻撃を受けたり罵詈雑言を叩きつけられたりしている。修行の成果により、十二神将の気配を感じ取ることは出来るが、見鬼の才がないので声を聞いたり姿を見たりすることはできない。 風音編で自分を身を挺して守ってくれた天一に想いを寄せ「天女の君」と呼んでいる。 籠目編で冤罪を着せられた昌浩を救おうと尽力。結果無事に冤罪は晴れる。昌浩が帰京する前の秋に試験に及第し、最年少で陰陽得業生となった。 脩子内親王(ながこないしんのう) 声 - 谷井あすか 一条天皇(声:羽多野渉)と中宮(後に皇后)定子(声:斉木美帆)の間に生まれた御年5歳(満4歳)の第一皇女。籠目編四巻で数え6歳になる。尸櫻編で数え8歳、のちに9歳。彰子にはおよばないが「見鬼の才」の持ち主である。また天照大御神の分御霊であるため、実に鋭い着眼点を持った聡明な皇女。 弟である敦康親王に両親の愛情を奪われたと感じ寂しい思いをしていたところを、女房として潜入した風音に利用され黄泉の瘴穴を開いてしまう。瘴穴の中で、昌浩の説得で母が自分をどんなに心配しているかを知り、帰る決意をする。内裏に戻された脩子は母の暖かい胸に抱かれるが、それまでの風音らに関する記憶を消されていた。 玉依編にて、内裏の異変や自分に付くようになった女房「阿曇(あずみ)」に底知れぬ恐怖を覚え眠れぬ夜を過ごし、消された記憶の中に朧に浮かぶ者たちに心の中で助けを求め続けていた。駆け付けた風音の姿を見て記憶が甦る。鴉である嵬が喋ることに最初は驚いたものの、すぐに打ち解けて嵬を抱いて眠るようになった。天照大御神の神勅により、伊勢に向かうことになる。(表向きは母定子の病臥回復祈願のため賀茂社に向かったことになっている。) 思いがけず母の死を知ってしまい、偶然現われた黄泉の葬列に魂を連れ去られてしまう。その後冥府の官吏や岦斎の手で母が妹と自分の代わりになって亡くなったことを知り、戻ってくる。 帰京後は宮中に戻らず、母が最後の日々を過ごした竹三条宮で暮らしている。弟妹は章子に託している。彰子が女房として仕える許しを求めてきた際、母に似ている彰子が父に見初められないよう、帝の前にも殿上人の前にも出てはならないという条件をつけた。 当てもの勝負の第三試合で、花吹雪を出したのは成親ではなく昌浩だとただ一人見抜く。何かあった時にいつでも頼れる陰陽師を欲していたため、父に頼んで昌浩を専属の陰陽師にした。 一条天皇(いちじょうてんのう) 声 - 羽多野渉 今上の帝。脩子内親王、敦康親王、媄子内親王の父。皇后は定子、中宮は章子。ほかに女御が3人いる。母は道長の姉で東三条院藤原詮子。母は怖い。 定子をとにかく寵愛し、愛情は子供たちよりも定子に向いている。定子が媄子内親王の懐妊中に病臥し、段々と弱っていったのでどんな手を使ってでも助けようとしている。それゆえに伊周が紹介した播磨陰陽師の言うことを信じ、占に現れた昌浩を「定子を呪詛し、公任を刺した張本人」として処刑を命じる。さらに道長と章子が自分を欺いていると思い込み、徹底的に避けた。 定子を寵愛するあまり、正体の知れない声に生まれる子どもの命を渡そうとしてしまう。その後回復して参内した公任の言葉と道長が持参した吉昌の文で真実を知り、昌浩や道長、章子への疑いを解いた。昌浩に対しては「許せ」と行成に言付け、陰陽生としてただちに参内するようにと勅許を下した。 こよなく寵愛した定子を失ったあと、面影を宿した御匣殿(定子の妹)を寵愛。御匣殿は懐妊するも、出産前に亡くなった。その前に定子と母東三条院を立て続けに亡くしており、ショックで尸櫻編では臥せりがちになっている。 藤原定子(ふじわらの さだこ) 声 - 斉木美帆 一条天皇の中宮、のちに皇后。脩子内親王、敦康親王、媄子内親王の母。伊周の妹。妹に御匣殿、東宮妃原子がいる。彰子からみて従姉に当たる。 帝からこよなく愛され、三子を授かる。帝のことを深く愛し、子供たちのことも深く愛している。だが帝が自分に向ける愛情ゆえに道を誤ることを恐れている。 長徳の変で兄弟が検非違使に囚われたのを見てショックを受け、落飾してしまう。その後望まれて還俗し、変わらず寵愛を受ける。 少納言という女房がいて、この女房は定子に陶酔しているらしい。 第三子懐妊後から病を得て病臥することが増え、ついに竹三条宮に宿下がりする。しかし病状は悪化し、籠目編四巻の師走望月の晩に難産の末媄子内親王を出産する。その翌日の寅の刻に呪詛をかけられた子供を救う身代わりとなって亡くなった。この姫宮は生まれてすぐに産声を上げなかったため周囲を恐慌状態に陥らせた。死後、敦康親王と媄子内親王は、万が一を頼んでいた妹の御匣殿が預かる。息を引き取る直前、脩子内親王に彼女の弟妹を託した。敦康親王と媄子内親王は、御匣殿の死後、章子に養育される。
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