買収工作とは? わかりやすく解説

買収工作

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/16 09:47 UTC 版)

内田喜久」の記事における「買収工作」の解説

康宏が立候補表明した5月20日、「明日岡崎をきずく会」代表の浅井正三市議は市議会議長応接室で、会派自民クラブ」の31人の市議のうち姿を見せなかった加藤清市と自身を除く29人に、それぞれ10万円の入った茶封筒渡した同日午後、金を受け取った市議一人は人を介して岡崎警察署巡査部長喫茶店呼び出し買収事実明かした5月24日には「自民クラブ」の河澄亨市議柴田県議茶封筒ごと預け柴田警察通報した。 旧愛知4区定数4)は全トヨタ労連支持母体とする民社党渡辺武三盤石構え見せ自民党中野四郎稲垣実男浦野烋興それぞれしのぎを削り社会党も6~7基礎票有するという全国でも指折り激戦区であった5月23日自民党の3議員は「三派連合」を岡崎市組んだ内田子飼い中根県議から協力約束取り付けたものの、中根党規違反してまで無所属の康宏を応援するという確証持てずにいた。中根が「市長が、おんぶにだっこ肩車息子をかつぎ出した」と触れ歩いていることも耳にした。内田のとるべき道は一つしかなかった。5月26日深更浅井正三市とともに中根自宅訪れ内田先に玄関を出ると、浅井現金500万円入った袋を応接間の床に置いた5月28日内田事務所顔を出すと、陣営内部事情にまで通じていないはずの支援者から「仲谷知事から、出馬断念するよう言われとるそうですな」と話しかけられる愕然とするが、聞きたくない話はすべて頭から払いのけた。陣営は「安城幸田協力頼んでいた以上引っ込みがつかない」「候補者出さないことにはおさまらない」と述べ内田本人取材に対しては「全部動き出しております。もう止めることも、戻ることもできません」の一点張りであった内田業界組織から金を集めるとき、表には出ず腹心市議らが仲介役をつとめた個人相手のときは一対一原則で、国会議員通じて仕事依頼した業者に対しては「こういうことは第三者通してダメだ」と叱りつけた。ところが息子衆院選ではそのような周到さは見る影もなくなった公示日6月2日鴨田町広元選挙事務所自民クラブ幹部級の市議現れ、康宏の日程表手帳写して立ち去った不審思った陣営総括主宰者の堤敏正が日程担当者問いただすと、担当者は「市長見せてもいいと言ったので」と答えた。「人を信用きんようなら何もできない一人でも多い方がいい」と内田は堤を諭し選挙事務所内田以外の人々出入りすることを許した自民市議31人のうち、河澄亨、神取武史加藤清市を除く28人が党規背き内田陣営走った。そして情報が外へ漏れることをきっかけとして、内田後援会選対市議関係者の間で激しい対立生まれる。後援会応援者運動から手を引くと言い出したときは、内田父子頭を下げてようやく収まった。 康宏は「なんで俺がこんなことをやらないといけないんだ」と選挙事務所時折こぼすようになった。そんなとき康宏は決まって連合艦隊司令長官である父の命令だから、軍艦である自分動かないと」と言って自らを奮い立たせた。そのたとえは選挙の結果人々末路不吉に暗示した。 買収工作は、金額から方法に至るまで警察反対陣営筒抜けであった理容室美容室喫茶店などから成る業界団体全国環衛組合連合会中央会」は中野傘下にあったが、愛知県環衛協議会岡崎支部では内田派の店主たちが反発し衆院選めぐって足並み乱れた。この動き対抗すべく中野派の理容店主によって書かれ怪文書大量にばらまかれた。そこには「岡崎市議会筋に金が流れていることは公然の秘密と書かれてあった。 社会党候補者前回選に続いて元参議院議員野々山一三だったが、同党の岡村秀夫市議野々そっちのけで康宏を応援し、党委員長飛鳥田一雄迎えて6月14日行われた政談演説会にも姿を現さなかった。自然と岡村にも金が渡った」という噂が広まった6月12日大平正芳首相急死自民党主流派反主流派弔い選挙様相呈し挙党態勢向かった危機感募らせ内田公明党票を当て込み6月14日参院選無所属・同党推薦立候補した高木健太郎選挙はがき2000宛名書き市役所秘書課長命じた公明党西三河総支部自主投票決定しており、高木生物科学総合研究機構現在の基礎生物学研究所生理学研究所)の誘致一役買ったという背景があった。作業秘書課広報広聴課、企画課などから集められ職員20人によって行われた当時日本では候補者一堂会して政見発表し合う「立会演説会」の開催義務化されていた(1983年の法改正で同制度廃止)。最終会場となった6月18日夜の岡崎市民会館。康宏が渡辺武三続き二番手登壇した頃には、聴衆は2,900人にふくれ上がりロビーまであふれた。「岡崎から代議士を」の熱気の中、康宏は拍手歓声迎えられた。とはいえ立会演説会でもテレビ政見放送でも原稿棒読みする康宏の演説に「学芸会じゃないぞ」などのやじは付きものであり、金権政治腐敗一掃したいと言えば「お前のおやじはどうだ」、西三河乏し文化施設充実訴えれば「おやじが悪い」とやじが飛び演説の声はかき消された。 投票日前日6月21日、他陣営の「市議28人もあっち(注・内田)へ行ってるというが、市長の顔をたてて、という人も何人かいてね。おかげであっちのスケジュール手に取るようにわかる」という証言新聞堂々と掲載された。

※この「買収工作」の解説は、「内田喜久」の解説の一部です。
「買収工作」を含む「内田喜久」の記事については、「内田喜久」の概要を参照ください。

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