買収報道
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2011年9月22日、バクーで世界選手権が開催される直前に、英国国営放送の英国放送協会 (BBC) はニュース番組 Newsnight で、開催国・アゼルバイジャンの政府高官が900万米ドルをワールド・シリーズ・オブ・ボクシング (WSB) の幹部イワン・コダバシュに送金し、代わりにロンドンオリンピックのボクシング競技で2つの金メダルを保証されたというスクープを放送し、関係者の証言やメールのやりとりも公表した。AIBAの弁護士はこの報道を否定し、AIBA会長のCK・ウーは支払いを受けたことは事実だが、アゼルバイジャンの政府ではなく匿名の一投資家からの寄付行為だとして、買収は事実無根と主張した。 AIBAはこの放送直後に開かれたバクーでの臨時総会で特別調査委員会の設置を決議した。この委員会は規律委員長のトム・バーゲットを委員長として弁護士、法律家ら5名から成り、10月6日の第1回会合ではBBCに撮影テープの提供などを求めたが、BBCは取材ソース秘匿を原則としてこれを拒否した。IOC会長のジャック・ロゲは特別調査委員会の設置を歓迎したが、ウーもIOCメンバーの一人であり、調査が公正に進行するかどうか皮肉な見方をする関係者もあった。 1988年のソウルオリンピックのライトミドル級決勝では、ロイ・ジョーンズ・ジュニアが一方的に朴時憲を攻めたが、地元・韓国の朴が3-2のスプリットデシジョンで勝利し、アマチュアボクシング史上最大のスキャンダルと言われている。この時、ジャッジが買収されていたとして3人が処分を受けたが判定は覆らず、これを機にIOCはAIBAに改善を求め、コンピュータ採点が導入された。しかし、この採点法は有効打に対してジャッジが人為的にボタンを押すというもので、不正は完全に回避されていない。BBCの番組ではこの試合の画像がしきりに映し出された。 WSBはAIBAと広告代理店が共同出資し、大口スポンサーからの広告料やテレビの放映権料によって運営されるが、米国の2チーム(マイアミ、メンフィス)が撤退して経済基盤は苦しく、アゼルバイジャンからの投資は赤字補填金とも報じられた。旧ソ連勢はアマチュアボクシングの強豪国としてAIBAへの政治的な影響力を保っており、アゼルバイジャンはWSBに「バクー・ファイヤーズ」というチームを持っている。英国のメディアは2011年の世界選手権に出場したアゼルバイジャンの選手9名のうち5名が実際のランキングより優遇されてシードされていたことを指摘しており、同大会準決勝終了の時点でアゼルバイジャンからは2選手がオリンピック出場権を獲得していた。 このスキャンダル報道の背景として、英国はAIBAの会長選挙で候補者を立てながらウーに敗れており、新執行部から疎まれているとされている。
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