若苗家
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/23 00:01 UTC 版)
主人公の雅彦が居候している叔父夫婦の家。この若苗家の場所が東京都豊島区の雑司が谷(実在しない4丁目)に設定されており、高級住宅地に分類される。作中の背景描写としては、近くを走る都電荒川線が頻出しており、目白駅にも自転車で行ける距離とされている。 柳葉 雅彦(やなぎば まさひこ、女装時:雅美(まさみ))/ ギバ(ちゃん)♂ 1978年10月21日生まれ。本作品の主人公。愛称はギバ(ちゃん)。初登場時は高校卒業直後で18歳で、4話より武蔵野産業大学に通う大学生となり、なし崩し的に映画研究会(映研)に所属する。 小学校2年生の時に母を病気で亡くし、父は仕事で留守がちであったために孤独な少年時代を過ごしており、家庭という物に強い憧れや執着を持っている(作中では「ファミリーコンプレックス」と表現)。父が事故死によって天涯孤独となった所に、故あって絶縁していた母の弟・紫が現れ、若苗家の世話となる事になる。 非常に真面目で、誰に対しても優しく優柔不断な性格から周りに流される事が多く、また周囲の女性をやきもきさせてしまう。女性の気持ちに対しては鈍感。 映研の女優不足解消の為に女装で映画に主演させられるが、誰が見ても女性にしか見えない程に女装が似合っており、多くの男性を虜にし、映画に出ていた謎の美女として校内の噂ともなる。本人は「若苗家に来た人間は染まるか逃げ出すかのどちらかだ」と言う横田の言葉や葉子の女装に対する態度等から女装に強い拒絶を示すも、事ある毎にさせられる事となる。なお、女装時は「雅美(まさみ)」と名乗っている。 身長168.5cm、体重48.2kgと北条作品にレギュラーで登場する男性としては小柄な部類に入る。 若苗 紫苑(わかなえ しおん)/ 塩谷(しおや)性別不明 1981年3月19日生まれ。本作品のヒロイン(?)。雅彦の従妹で、若苗家の唯一の子供。初登場時は16歳で名門の私立女子高に通う高校生。途中より雅彦と同じ大学へ通い、同じく映研に所属する。 作中ではほぼ女性として行動しており、また女性である事を示唆する描写も多いがいずれも断定を避けており、実際の生物学的な性は不明。この為、彼女 (?) の本当の性別は作中最大の謎となっている。逆転夫婦を見て育ったために、幼少時には性とは自分で選択する物だと思っており、小学5年生まではその時なりたい方の性を選んで行動していた。中学生の時に女性の方が得が多いと考えてからはずっと女性として過ごして来たが、作中での大学入学以降は学生生活は男、私生活は女と使い分けた生活をしている。なお、男である時も基本的には本名を名乗っているが、葉子に対してだけは塩屋という偽名を使っている(雅彦が名前を「しお」まで呼んでしまったのをごまかすため)。男の恰好をするときも、男装するのではなく「男になる」のだと述べており、実際に男そのものになりきっていて、心の中で述べる台詞までも男らしいものとなっている。 しっかり者で要領がよく、雅彦や薫をいつも手玉に取っている。しかし、酒に酔ってしまったらその間のことは覚えていないらしい(本人が雅彦にそう述べただけなので厳密には真偽不明)。雅彦とは実は小学校のときに何度か出会っていた。 中学1年生の時に空のアシスタントとしてやってきた男性に女としては初めての恋心を抱くも、彼が職場の環境にそまってゲイとなった事から男性不信となっている(この初恋の相手は浩美)。なお、男としての女性への初恋は小3時に浅葱藍に対して体験している。 若苗 空(わかなえ そら、旧姓:菊池(きくち)、本名:春香(はるか)) / 春風 空(はるかぜ そら)♀★ 紫苑の父親で初登場時36歳。「春風空」のペンネームで執筆している人気漫画家で、自宅の2階に仕事場を構えている。代表作は「俺たちの紋章」で、アニメ・映画化もなされている。眉目秀麗でスポーツ万能、剣道の有段者。 生物学的には女性であるが、裸を見せる・胸を触らせる等の行動を取らない限りは女性であるとばれる事はなく、女性の格好をすると逆に男性の女装の様に見えてしまう。幼いころから男性の心を持ち、思春期で女性らしく丸みを帯びてくる自分の体に違和感と嫌悪感を抱いていた性同一性障害者。本物の男よりも男らしく振る舞い、ヤクザである辰巳からも一目おかれている。女性扱いされる事や女性として行動する事を非常に嫌う。この為、生理用品は自分で用意せずに紫苑の物を無断で拝借している。また、女として性交する事は耐えられない行動であり、紫とはセックスレスである。ただし子供を切望する紫のため、19歳で婚姻届を提出したその日に「一度だけのチャンス」として体を開き、紫苑を妊娠・出産する。このため、紫苑は実子である。 高知県の田舎出身で、在籍高校の教師を務める堅物の父親との対立から高校を待たずに家出をして上京して来た。以後、妹・順子の結婚までの18年、実家とは絶縁状態にあった。 若苗 紫(わかなえ ゆかり、本名:龍彦(たつひこ))♂★ 1961年2月生まれ。紫苑の母親で初登場時36歳。血縁上、雅彦の叔父(雅彦の母親の弟)にあたる。専業主婦。 空とは逆に生物学的には男性であるが、裸を見せない限りは男性であるとばれる事はなく、男性の格好をすると逆に女性の男装の様に見えてしまう。幼いころから女性の心を持ち、高校進学を機に女性としての生活をはじめ、姉の協力を得て女子校(紫苑と同じ学校)に通っていた。姉の結婚の際に破談となる事を恐れた両親により勘当され、また姉に近づく事も禁止され絶縁状態となる。なお、両親は既に他界している。 もとより幸せな家庭を築くという女としての幸せを望んでいたが、姉の雅彦出産後の家族写真を見た事によって子供を切望する様になり、その思いを空が汲んだために紫苑が誕生する事となった。 ペーパードライバーのため、相当の運転音痴で右折が出来ない。 名前は紫色の別名「縁の色」からで、本来紫に「ゆかり」という読みは無い。「紫のゆかり」に「ある関係から情愛が他に及ぶ」という意味がある事、また紫が「ゲイの色」とされる場合がある事に由来する。
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