紀の川
万葉香の悠久の歴史と自然の川
(注:この情報は2008年2月現在のものです)
紀の川は、日本有数の多雨地帯である大台ヶ原にその源を発し、途中高見川、大和丹生川、紀伊丹生川、貴志川などを合わせながら、中央構造線に沿って西流し、和歌山市において紀伊水道に注ぐ、流域面積1,750km2、幹川流路延長136kmの河川です。 |
河口から見た紀の川 |
河川概要 |
| ○拡大図 |
2.地域の中の紀の川 |
"紀の川を舞台とした祭りとして紀の川で禊をする九度山町の稚出の鬼舞が有名です。総合学習の場として紀の川大堰と大滝ダムのサイトなどに施設があり、出前講座を行っています。" |
紀の川は日本で有数の多雨地域である大台ヶ原を源流としていますが、穀倉地帯となる中流域から下流域にかけては瀬戸内気候に属すため降雨が少なく、大台ヶ原の半分にも及びません。また南北に山脈が迫る東西に長く、南北が短い流域となっていて、そこを紀の川本川が西に向かって流れるため、紀の川の支流は短く安定した取水が難しい状態です。そのため古代より農業用水はため池からの取水に頼ってきました。江戸時代中期から比較的大規模な農業が始まると直接本川から取水するようになり、現在では紀の川から取水する水の8割以上が農業用水に利用されています。 紀の川を舞台とした祭りとして、春は3月3日、新暦の粉河寺(和歌山県粉河町)と旧暦(4月)の源龍寺(奈良県五條市)にて流し雛があります。夏は8月15~16日に行われる紀の川祭(和歌山県橋本市)と吉野川祭(奈良県五條市)があります。両方とも灯籠流しと花火大会で賑わいます。同月16日には、厳島神社(和歌山県九度山町)で行われるの稚出の鬼舞があります。五穀豊穣、雨乞いなどを祈願する神事で紀の川流域の奇祭の一つです。舞人は1週間前から不動谷川(紀の川水系の支川)で斎戒沐浴(さいかいもくよく)をし、祭りの当日は紀の川本川で禊(みそぎ)をします。この祭りは和歌山県の無形文化財に指定されています。 紀の川流域の学習の場として昨年『水ときらめき紀の川館』が開館し紀の川の情報を提供しています。それに併設して紀の川大堰の左岸に魚道観察室が設置され、昨年暫定運用を開始しました。そこでは、魚の遡上を観察することができ、特に春先から初夏にかけては、稚鮎の遡上を見ることができます。
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3.紀の川の自然環境 |
"紀の川の源流部には絶滅危惧種のイヌワシ・クマタカ、上流部にオオタカなどの大型猛禽類が生息できる自然環境が存在しています。万葉の古代より多くの歌に詠まれた妹山・背山、和歌の浦などの美しい景観が残っています。" |
紀の川の源流付近には、環境省のレッドデータブックで絶滅危惧種に指定されているイヌワシやクマタカなど大型の猛禽類が生息し、繁殖もしています。少し下った上流部では、同危急種に指定されているオオタカも生息しています。この様に紀の川上流部分(吉野川)では大型の猛禽類(自然界の食物連鎖の頂点に位置するもの)が生存し繁殖できうる豊かな自然環境が残っています。 中下流部にもチョウヒ・ハヤブサ・ハチクマといった主に小動物を狙うワシタカ類も生存するなど比較的良好な自然が紀の川には残っています。 また、渓流部を代表する鳥で良好な渓流環境の指標となっているヤマセミ・カワセミ・アカショウビンといったカワセミ類が紀の川源流部や上流部に比較的多く生息しています。一部の支流や本川の上流部ではカワネズミ・ヒメネズミ[紀の川を含む大台山系のものは環境省レッドデータブックで『保護すべき地域個体群』に指定]、大台ヶ原の名前を冠するオオダイガハラサンショウウオ[環境省レッドデータブックで『保護すべき地域個体群』に指定されている]も源流部に生息しています。これらが生息していることから紀の川上流部分(吉野川)では良好な河川の水質や自然環境が保たれていると考えられます。 中流部の船岡山にはツブラジイ(コジイ)群落があり、この群落は『郷土景観を代表する植物群落でその特徴が典型的なもの』として和歌山県版レッドデータブックに選定されています。 紀の川河口部には複数の干潟が存在し、この干潟には多種多様な生物が生息しています。特にシオマネキ、タイワンヒライソモドキなどの大型の底生生物を中心に希少な生物が生息しています。 一方、紀の川流域は万葉の時代の古代から歌人たちに多くの歌が詠まれてきました。妹山・背山[万葉集では15首]が真ん中に船岡山を挟んで紀の川両岸にあり、
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4.紀の川の主な災害 |
主な災害
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(注:この情報は2008年2月現在のものです)
固有名詞の分類
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