紀の川とは? わかりやすく解説

紀の川

万葉香の悠久歴史と自然の川
紀の川は、日本有数多雨地帯である大台ヶ原にその源を発し途中高見川大和丹生川紀伊丹生川貴志川などを合わせながら、中央構造線沿って西流し和歌山市において紀伊水道に注ぐ、流域面積1,750km2幹川流路延長136kmの河川です。

河口から見た紀の川
河口から見た紀の川

河川概要
水系紀の川水系
河川名紀の川
幹川流路延長136km
流域面積 1,750km2
流域内人約68.9万人
流域関係都県奈良県和歌山県

紀の川流域図
○拡大図
2.地域の中の紀の川
"紀の川を舞台とした祭りとして紀の川で禊をする九度山町の稚出の鬼舞が有名です。総合学習の場として紀の川大堰大滝ダムサイトなどに施設があり、出前講座行ってます。"


紀の川は日本有数多雨地域である大台ヶ原源流としていますが、穀倉地帯となる中流域から下流域にかけては瀬戸内気候属すため降雨少なく大台ヶ原半分にも及びません。また南北山脈が迫る東西長く南北が短い流域となっていて、そこを紀の川本川が西に向かって流れるため、紀の川の支流短く安定した取水難しい状態です。そのため古代より農業用水ため池からの取水頼ってきました江戸時代中期から比較大規模な農業が始まると直接本川から取水するようになり、現在では紀の川から取水する水の8割以上が農業用水利用されています。

紀の川を舞台とした祭りとして、春は3月3日新暦粉河寺和歌山県粉河町)と旧暦4月)の源龍寺(奈良県五條市)にて流し雛あります。夏は8月1516日行われる紀の川祭(和歌山県橋本市)と吉野川祭(奈良県五條市)があります両方とも灯籠流し花火大会賑わいます同月16日には、厳島神社和歌山県九度山町)で行われるの稚出の鬼舞あります五穀豊穣雨乞いなどを祈願する神事で紀の川流域奇祭一つです。舞人1週間前から不動谷川(紀の川水系支川)で斎戒沐浴(さいかいもくよく)をし、祭り当日は紀の川本川で禊(みそぎ)をします。この祭り和歌山県無形文化財指定されています。

紀の川流域学習の場として昨年きらめき紀の川館』が開館し紀の川の情報提供してます。それに併設して紀の川大堰左岸魚道観察室が設置され昨年暫定運用開始しました。そこでは、遡上観察することができ、特に春先から初夏にかけては、稚鮎遡上を見ることができます
出前講座の様子
出前講座様子
また、上流大滝ダム左岸には『大滝ダム学べ建設ステーション』があり、ダムについて学ぶことができます。その少し上流には川上村営の『森と水源流館』があり、紀ノ川源流情報提供してます。また、和歌山河川国道事務所では流域学校対象とした『紀の川出前講座』を行い総合学習等の支援をしています。
3.紀の川の自然環境
"紀の川の源流部には絶滅危惧種のイヌワシ・クマタカ、上流部オオタカなどの大型猛禽類生息できる自然環境存在してます。万葉古代より多くの歌に詠まれ妹山・背山和歌の浦などの美し景観残ってます。"

 
紀の川の源流付近には、環境省レッドデータブック絶滅危惧種指定されているイヌワシクマタカなど大型猛禽類生息し繁殖もしています。少し下った上流部では、同危急種指定されているオオタカ生息してます。この様に紀の川上流部分(吉野川)では大型猛禽類自然界食物連鎖頂点位置するもの)が生存し繁殖できうる豊かな自然環境残ってます。
中下流部にもチョウヒ・ハヤブサ・ハチクマといった主に小動物を狙うワシタカ類も生存するなど比較良好な自然が紀の川には残ってます。
また、渓流部を代表する良好な渓流環境指標となっているヤマセミ・カワセミ・アカショウビンといったカワセミ類が紀の川源流部や上流部比較多く生息してます。一部支流本川の上流部ではカワネズミ・ヒメネズミ[紀の川を含む大台山系のものは環境省レッドデータブックで『保護すべき地域個体群』に指定]、大台ヶ原の名前を冠するオオダイガハラサンショウウオ環境省レッドデータブックで『保護すべき地域個体群』に指定されている]も源流部に生息してます。これらが生息していることから紀の川上流部分(吉野川)では良好な河川の水質自然環境保たれていると考えられます。
中流部船岡山にはツブラジイコジイ群落があり、この群落は『郷土景観代表する植物群落その特徴典型的なもの』として和歌山県レッドデータブック選定されています。
紀の川河口部には複数干潟存在し、この干潟には多種多様な生物生息してます。特にシオマネキ、タイワンヒライソモドキなどの大型底生生物中心に希少な生物生息してます。
一方、紀の川流域万葉時代古代から歌人たちに多くの歌が詠まれきました妹山・背山万葉集では15首]が真ん中船岡山挟んで紀の川両岸にあり、
船岡山
船岡山
紀の川沿いの和歌山県奈良県境には真土山[同8首]があります平安時代までの紀の川河口だった付近(現在は数北側河口位置する)には宮廷歌人山部赤人が「若の浦に 潮満ち来れば 潟を無み 葦辺をさして 鳴き渡る」と詠んだ和歌の浦[同13首]があります。これらには現在も往時彷彿させる歴史的な自然景観良好に保全されています。
4.紀の川の主な災害


主な災害
発生発生原因被災市町村被害状況
昭和28年9月25日台風13号和歌山県死傷者81

(注:この情報2008年2月現在のものです)




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