科学哲学に関する批判とは? わかりやすく解説

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科学哲学に関する批判

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/24 16:01 UTC 版)

カール・ポパー」の記事における「科学哲学に関する批判」の解説

ポパー哲学対す批判大多数反証主義、つまり、彼の説明する問題解決法最重要要素である誤り排除対するものである。これらの批判理解する上では、ポパーの説の狙いを心にとどめておくことが重要である。それは理想的には、人間問題解決する上で効果的な実践的な方法となることを狙っている。そういうものとして、現代科学結論はこの特に精力的な選別法にかけられ生き残ってきた限り疑似科学や非科学よりも強力である。ポパーは、それゆえそういう科学の出す結論全て正しいだとか、反証主義個人として科学者全員実際にとる方法であるなどと主張しているわけではない。 むしろ反証主義は、何らかのシステムコミュニティ採用されると(そのシステムコミュニティがどれだけよく採用しているかに応じて)時間のかかるゆっくりだがしかし確実な発展へ導く、推奨される理想的な方法である。ポパーの説は論理実証主義同時期に生まれたために、強く論理的な真理説明思い違いをしばしばされると主張されてきた(論理実証主義信奉者たちが自分たちの狙いポパー狙い間違えたのである)。 仮説それぞれ理論環境一部として付属しているために一つ仮説をそれ単体テストすることは不可能だ確証全体論主張する。そのため、関連する理論全体まとめて間違っていたということしかできず、結論としてそのひとまとまり理論のうちのどの要素取り除かなければいけないかを言うことはできない。このことの例として、海王星の発見がある。天王星運動ニュートンの運動法則による予測合わないわかったとき、「太陽系には惑星7つある」という理論放棄されニュートンの運動法則自体放棄されなかった。素朴な反証主義対すこの手批判について科学的発見の論理』の3章及び4章論じられている。ポパーによれば理論ある種選択過程通じて選択もしくは放棄される物事表れることについてよ多くのことを語る理論そうでない理論より好まれる。つまり、より一般的に適用できる理論が、より価値が高い。ニュートンの運動法則は広い適用範囲持っており、より個別的な太陽系には7つ惑星がある」よりも好まれる。[疑問点ノート] トーマス・クーンその影響力の高い著書科学革命の構造』で、科学者パラダイム系列の中で活動しており、また、反証主義者の方法論では科学不可能になる主張した:.mw-parser-output .templatequote{overflow:hidden;margin:1em 0;padding:0 40px}.mw-parser-output .templatequote .templatequotecite{line-height:1.5em;text-align:left;padding-left:1.6em;margin-top:0} 「いかなる理論も、しばしば完全に大抵の問題解決したとしても、それが存続し時期直面した問題をひとつ残らず解決したことはない。それに反してデータ理論一致することなのだが、いつの時代現存する問題を完全には解けないことによってこそ通常科学特徴づける難題多く定義される全ての問題それぞれ対応する理論否定する根拠になるならば、全ての理論が全時代通じて否定されているべきである。一方厳密な間違いのみが対応する理論放棄正当化するならば、ポパリアンには『不可能性』もしくは反証程度』の何らかの基準が必要となる。一つ発展させるうえでポパリアンはほぼ確実に様々な検証するための理論候補付きまとう先ほどのと同様の困難のネットワーク直面する(評価を行う理論対立する理論に対して退歩することを要求することによってしか自信正当化できない)。」---The Structure of Scientific Revolutions. pp. 145-6. ポパー弟子イムレ・ラカトシュは、素朴な反証主義のより明確な全称命題よりむしろ「リサーチプログラム」の反証主義による科学的発展主張してクーン研究反証主義調停しようとしたポパー弟子のうちでもう一人ポール・ファイヤアーベントあらゆる規範的方法論徹底的に拒否し唯一の普遍的な方法科学的発展を「なんでもあり」と特徴づけるものだと主張したポパーは、後にクーンによって強調された「科学者たちは必ず、限定され理論的枠組みの中で自説発展させるという事実は1934年の版のポパー著作科学的発見の論理(Logik der Forschung)』において既に認識されており、その範囲で「通常科学に関するクーン主張主眼点を予想していたと主張した。(ただしポパーは、自身クーン相対主義だとみなしたものを批判している。)また、論文集推測反駁――科学的知識発展』(1963年)ではポパーは「科学神話とともに、そして神話対す批判とともに始まる。たくさんの観測結果でも、実験方法発明でもなく、神話魔術的技術営為対す批判的討論とともに科学的流儀前科学的流儀とは二つの層で異なる。前科学的流儀では、それはそれ自身理論通過する。しかしそれはそれらに対す批判的態度をも通過する理論独断的教義としてではなく理論について議論した理論改良したりすることで通過すると書いている。 もう一つ反論は、特に帰無仮説評価する統計的基準用いている場合に、決定的な誤りを示すことが必ずしも可能ではないということである。より一般的に言えることだが、証拠仮説矛盾する際に、そのこと仮説誤り示しているのか証拠誤り示しているのかは必ずしも明確ではない。しかしながら、こういった批判ポパー科学哲学何を示そうとしたかを理解していない。科学一生懸命発展させるうえでほとんど従う必要のない一揃い教え申し出たではなくむしろ、ポパーは、自分の考えは、仮説実験矛盾解決する方法はどの個々場合においても科学者集団による判断問題しかないということだと『科学的発見の論理』で明らかにしたのであるポパー反証主義には論理的に問題がある。「どんな金属でもそれぞれある温度溶けるのような言明ポパーどのように扱うかは明確ではない。この仮説いかなる可能な実験によっても反証できないというのもこの温度溶けるだろうと思って実験して溶けなかったとしても必ず実験したよりも高い温度存在するので、この仮説は妥当なように見えるからである。こういった例はカール・グスタフ・ヘンペルによって指摘された。ヘンペル論理実証主義正当化支持できないということは認めようになったが、反証主義もまた論理的根拠から支持できない主張した。これに対するもっとも単純な応答として、ポパー理論どのように科学としての地位を得、維持し失っていくのかを示したのだから、現在受け入れられている科学的理論それぞれの推移試験的な科学的知識一部であるという意味で科学的であり、ヘンペル示した例はどちらもこのカテゴリ属しないというものがある。例えば、原子論はどんな金属もある温度溶けることを示している。 いわゆる批判的合理主義初期競争相手カール=オットー・アーペルポパー哲学包括的な論駁試みた。『哲学転換(Transformation der Philosophie)』(1973年)において彼は、特にプラグマティズム観点から言って矛盾しているとしてポパー批判した

※この「科学哲学に関する批判」の解説は、「カール・ポパー」の解説の一部です。
「科学哲学に関する批判」を含む「カール・ポパー」の記事については、「カール・ポパー」の概要を参照ください。

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