ケイ素生物
(珪素生物 から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/18 14:47 UTC 版)
![]() |
この記事は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。(2019年11月)
|
ケイ素生物(ケイそせいぶつ)は、SFなどでよく登場する、ケイ素(シリコン)でできている生物の総称。ケイ素生命ともいわれている。
概要
地球上の生命は炭素を中心として構成されている。これは炭素の持つ原子価が4つであり、多様な結合が可能であるからである。SF世界においては、炭素と同族で原子価が4つであり、『生命のようなもの』が出来有るのではないかという観点から、ケイ素が注目された。実際には地球上のケイ素のほとんどは二酸化ケイ素の形で鉱物質だが、人工的にはシリコンゴムのような有機物的な高分子も作られている。ケイ素生物に対し、地球上の生物のような炭素を中心に構成された生物を「炭素生物」と呼ぶ。
SF作家で生化学者でもあったアイザック・アシモフの短編「もの言う石」(『F&SF』1955年10月号、のち『アシモフのミステリ世界』に収録)に登場する「シリコニー」が有名。卵形で、底面からは放射状に6本の脚が出ており、緩慢に動く。「もの言う石」は日本では『S-Fマガジン』第2号(1960年3月号)に訳載され、多くのSFファンに強い影響を与えた[1]。
「ケイ素を中心にできた体は岩石っぽくなるのではないか」「原子量がかなり大きくなるから反応速度も格段に遅くなり、人間が見ていても生命活動していることに気がつかないくらいになる」「だからむしろ高温の惑星上で生活するに違いない」などの想像がなされてきた。
炭素―炭素結合とは違い、常温常圧ではケイ素―ケイ素結合はパイ結合やシグマ結合による二重・三重結合を作る傾向がほとんどなく極めて不安定である。よって、ケイ素を中心に置いた化合物は、有機炭素化合物のアルカンに相当する有機シランがほとんどであり、少なくとも地球と類似した環境の星ではケイ素生物が存在するとは考えにくい(有機ケイ素化合物を参照)。たとえ環境が異なる場合を想定しても、ケイ素を中心に構成される化合物は、炭素のそれよりも遥かに種類が少ない。カール・セーガンは、地球外生命体が存在するとしても、それは炭素生物であると考えるのが自然であり、ケイ素生物は非現実的であると述べている。
現実の生物にも、多量のケイ素を含むものはあるが、それらは二酸化ケイ素の形で、ガラス質の骨格や殻、あるいは内部にその結晶をふくむなどで、生物学的な活性を持っているわけではない。ケイソウや放散虫、海綿動物などの生物のつくる骨格、イネ科植物が細胞内に蓄積するプラント・オパールなどが知られている。
ケイ素生物が登場する作品
![]() |
この節に雑多な内容が羅列されています。
|
小説
- もの言う石(アイザック・アシモフ)
- 宇宙船∞号の冒険(シリコニア・カウンタマス)(川又千秋)
- 火星のオデッセイ(スタンリイ・G・ワインボウム)
- 朝のガスパール(筒井康隆) - 作中作であるオンラインゲーム「まぼろしの遊撃隊」にシリコニイが登場する。
- 燃える傾斜(眉村卓)
- 超・博物誌(山田正紀)
- 涼宮ハルヒシリーズ「涼宮ハルヒの憤慨」(谷川流)
- 月の珊瑚(奈須きのこ)
- 9S(葉山透)
- されど罪人は竜と踊る(浅井ラボ)
- 地球の汚名(豊田有恒)
- 歌の降る惑星(菅浩江)
- MM9―destruction―(山本弘)
- 星へ行く船(新井素子)
- 郷村教師 (劉慈欣)
ドラマ
映画
- ガメラ2 レギオン襲来(レギオン)
- スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲(エクソゴース(宇宙ナメクジ)、マイノック)
- パシフィック・リム(怪獣)
漫画
- サンダーマスク(手塚治虫)
- 火の鳥 (漫画)(手塚治虫)
- 攻殻機動隊2(士郎正宗)
- BLAME!(弐瓶勉)
- マップス(長谷川裕一)
- 超人ロック「ソード・オブ・ネメシス」他(聖悠紀)
- スプリガン(皆川亮二)
- ARMS(皆川亮二)
- レヴァリアース(夜麻みゆき)
- ジョジョリオン(荒木飛呂彦)
アニメ
ゲームソフト
- ジオグラマトン(CLOCKUP)
- ツヴァイ・ウォルター(CLOCKUP)
- マブラヴ オルタネイティヴ(âge)
- メトロイドプライム ハンターズ(スパイア)
- ピクミン2(ゾウノアシ)
- メタルブラック(タイトー)
- スターオーシャン4 -THE LAST HOPE-(トライエース)
- 輝光翼戦記 天空のユミナ(ETERNAL)
- サイバーナイト(トンキンハウス)
戯曲
- ロールプレイングザバグ(北村想)
脚注
関連項目
珪素生物
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/22 06:49 UTC 版)
「#用語:珪素生物」も参照 ジェニタリアス 下層階層でメタジィーニと共に霧亥を襲った男性型の珪素生物。作中では名称不明であったが、『ブラム学園!』で明らかになる。右腕は銃になっている。 メタジィーニ 下層階層でジェニタリアスと共に霧亥を襲った女性型の珪素生物。作中では名称不明であったが、『ブラム学園!』で明らかになる。 イヴィ(IVY) メイヴと共に行動している男性型の珪素生物。東亜重工に侵入し、住民の抹殺を目論む。珪素生物には珍しく銃火器、射出型の武器を持たず、大剣のような武器による近接戦闘を行う。 得物は大剣のような形状だが、厚い刀身は内側にさらに数枚の刀身を折り畳んでおり、隠れた刀身を伸展させることで敵の不意を打つ。刀身が厚いため切断能力はほぼない模様。 メイヴとの間には43人の子供がいるという。 メイヴ(MAEVE) イヴィと共に行動している女性型の珪素生物。東亜重工に侵入し、住民の抹殺を目論む。両手それ自体が武器になっている(左手:杭を射出、右手:黒い帯状のものを3つ発射)。後に後述の「新型」の体に乗り換える。イヴィとの間には43人の子供がおり、三男は研究員になる夢を持っていたが、反対して脳を串刺しにしたという。 新型(シボによる呼称、正式名称不明) 世界線の異なる東亜重工の空洞内で霧亥たちを襲った珪素生物と思しき個体。脳の構造や言語基体は珪素生物のものと同じであると語られるが、体格が大きく(3倍から5倍)、元素変換による再生機能を持つなど、通常の珪素生物とは異なる点がある。巨大な爆発を発生させる能力を持つ。元の世界線では瀕死の所をイヴィらに発掘され、下半身を失ったメイヴの移植先となる。 爆発を起こす際は、後頭部から背の上部にかけての隆起部から、シリンダーのような多数の円筒突起物が飛び出す。 ダフィネ・ル・リンベガ(Davine lu linvega) プセルらを率いる珪素生物のリーダー格。塔のような長身で直立する異形の姿を持つ。頭部は頭蓋骨そのもののような形状で、眼球や皮膚などの表情を構成する要素はない。音声で言葉を発することもないが、高い知能と情報処理能力を有し、非公式階層に侵入して「集積蔵」と「造換塔」というセーフガードの戦力生成施設を掌握する。 ネットスフィアに強い関心を持ち、セウの遺伝子情報を用いてネットスフィアへの仮接続の登録申請を行う。仮接続が成功する寸前にドモチェフスキーに本体を破壊されて死亡するが、このとき最上位セーフガードユニット「レベル9」のデータを盗み出し、結果的にネットスフィアを救う存在を産み出す人物の一人となる。なお、ダフィネ・ル本体が死亡後にネットスフィア上のアバターが一度倒れ、再度立ち上がった際には同じくセウの遺伝子情報を用いて仮接続を行なっていたシボの人格に切り替わっている。統治局の人型インターフェースによる「とても残念だ」との言葉は、ダフィネ・ルが盗み出したレベル9を継承したシボの人格が消失、または変質を免れないことへの遺憾と捉えられる。 死に際にレベル9を奪取したことからも、ネットスフィア及び統治局へのアクセスの目的は、このレベル9の奪取が目的ではないかとされるが、純粋な戦闘力として欲していたのか、対セーフガード用の研究材料としてなのか、珪素生物内のヒエラルキーの強化のためなのかまでは不明である。 外見から感情は伺えないが、仮接続時にはローブを来た人間の青年の姿(セウの遺伝子データを用いてログインしたためセウの姿で再現されている?)で統治局の人型インターフェイスと会話し、笑みなどの表情も見せている。なお、『ブラム学園!』では(珪素生物の姿で)女生徒として描かれている。 プセル(Pcell) ダフィネ・ルの仲間の女性型の珪素生物。ほぼ人間に等しい外見を持ち、巨大化または矮小化した身体部位を持つ者、機械装置や武装を体に組み込んだ者といった異形が多い珪素生物においては異例の存在。 広範囲を察知する感覚器官を備え、登場時はスチフやブロンを安全圏からサポートしていたが、彼らが倒れてからはドモチェフスキー、霧亥らとたびたび交戦する。華奢な外見に似合わずスチフ、ブロンを凌駕する戦闘能力を持ち、片手剣のような武器から遠距離の建造物を崩壊させる威力の斬撃を繰り出す。この武器は一瞬だけなら重力子放射線射出装置の射線を逸らすこともできる。また、「複散分子動体」という自身を粒子状に分解・飛翔する能力で攻撃の無効化も可能だが、粒子状態からの再構成時には大きく消耗している描写がある。 ドモチェフスキーには、彼が攻撃を躊躇する何らかの感情を持たれており、自身を撃てないドモチェフスキーを嘲笑うかのような表情も見せている。 スチフ(Schiff) ダフィネ・ルの仲間の全身フルサイボーグ化された男性型の珪素生物。ドモチェフスキーの持つ銃の弾丸とほぼ同じ速度で移動し、霧亥の銃撃をほぼ零距離から回避するなど、他の珪素生物とは桁違いの俊敏さを有する。両腕に仕込んだブレードでの近接戦闘を得意とするが、仕込んだブレードを射出して離れた間合いからの攻撃も可能。 B級SF映画が好きで、172歳で念願の全身機械化権を取得するが、維持費に莫大な費用がかかるため、ダフィネ・ルの誘いに乗ったという。 ブロン(Blon) ダフィネ・ルの仲間の男性型の珪素生物。二腕二脚の人型の巨躯を持つが、変形能力も持つ。初登場時は装甲に覆われた百足のような形態で霧亥らを急襲し、再登場時は四足獣に近い多腕二脚の体で現れた。左手は銃になっており、ドモチェフスキーのものと同程度の口径の弾丸を連射する。
※この「珪素生物」の解説は、「BLAME!」の解説の一部です。
「珪素生物」を含む「BLAME!」の記事については、「BLAME!」の概要を参照ください。
珪素生物と同じ種類の言葉
- 珪素生物のページへのリンク