構造と物性
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カルベンの炭素は価電子を六個持ち、それらのスピンの状態により一重項カルベンと三重項カルベンに分けることができる。一重項カルベンはさらに、炭素上の混成の形式により、(1) sp2混成型:三個のsp2軌道に二電子ずつが配置し、空のp軌道が一つ残っている状態、(2) sp3混成型:三個のsp3軌道に二電子ずつが配置し、残りのsp3軌道が一つ空となっている状態、の二通りに分けられるが、ほとんどの場合は前者が安定である。三重項カルベンにもsp2混成型とsp3混成型があり、後者では四個のsp3軌道のうち二個が二電子ずつで満たされ、残りの二個のsp3軌道には同じスピンの電子が一つずつ配置している。一重項カルベンと三重項カルベン、そしてそれぞれの混成型の安定性は、炭素上の置換基の電気的、構造的な要因などにより変わる。一重項カルベンは求電子的な反応性を、三重項カルベンは不対電子によるラジカル的な反応性を示す場合が多い。
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構造と物性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/06/17 09:35 UTC 版)
「ポリパラフェニレンビニレン」の記事における「構造と物性」の解説
可溶な前駆体ポリマーを用いる合成法により得られた配向性の高いPPV薄膜は通常、P21対称性を持ち、単位胞は単斜晶系で2量体を含み、格子定数は c (主鎖軸)= 0.658, a = 0.790, b = 0.605 nm, α (monoclinic angle) = 123° である(下図)。PPV 主鎖の構造組織は他の高配向剛直棒状高分子のものと類似していおり、分子は繊維軸(通常は広がり方向)に沿って整列しているが、部分的に軸方向の並進乱れがある。 PPVは反磁性材料であり、ドープ前の電気伝導度は 6989100000000000000♠10−13 S/cm のオーダーと非常に低い。ヨウ素、塩化鉄(III)、アルカリ金属、酸のいずれかをドープすることにより電気伝導度は向上する。しかし、これらをドープした材料の安定性は比較的低い。一般的に、アラインされていない、置換基を持たないPPVはドープしても 6999100000000000000♠≪10−3 S/cm(I2ドープ)から7004100000000000000♠100 S/cm(H2SO4ドープ)の範囲の、中程度の電気伝導性しか示さない。比率を10まで引き上げることは可能である。アルコキシ置換PPVは一般的に元のPPVよりも酸化されやすく、正孔が生じやすいため電気伝導度がより高い[要出典]。側鎖が長くなると、分子鎖間のキャリアホッピングが妨げられ、電気伝導度が下がる。
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構造と物性
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ニトロプルシドは八面体の中心に鉄(III)を置き、その周りに強固に結合した5つのシアン化物イオンとほぼ直線(Fe-N-O の角度=176.2°)に結合した1つの一酸化窒素を配した構造をしている。この陰イオンはC4v対称性を有している。 一酸化窒素はノンイノセントな配位子(英語版)である。Fe-N-O の角度がほぼ直線である事で、N-O の距離は比較的近く113pmであり、比較的高い共鳴周波数(1947cm−1)を持つ。錯体はNO+配位子を持つかの様に記述されるので、鉄イオンは2価であるかの如く見える。中心の鉄は反磁性低スピンd6の電子構成を有しているが、電子スピン共鳴では常磁性で長寿命の準安定状態が観察されている。 ニトロプルシドの化学反応は主にNO配位子による。例えばS2−が[Fe(CN)5(NO)]2−に結合すると赤い[Fe(CN)5(NOS)]4−を生じ、これはS2−イオンの高感度検出法の基礎となっている。OH−イオンが存在する状態での同様の反応は[Fe(CN)5(NO2)]4−を生じる。関連する鉄ニトロシル錯体としてルーサン赤塩(英語版)(K2[Fe2S2(NO)4])とルーサン黒塩(英語版)(NaFe4S3(NO)7)がある。ルーサン赤塩は最初、ニトロプルシドを硫黄で処理する事で得られた。 ニトロプルシドナトリウムは約259℃以上:2でフェロシアン化鉄ナトリウム、フェロシアン化ナトリウム、一酸化窒素、ジシアンに分解される。酸水溶液に溶解すると青酸(HCN)を放出する。遮光条件下では濃縮水溶液は室温で2年以上安定であるが、光を当てると速やかに分解して、亜硝酸イオン、鉄(II)イオン、シアン化物イオン、硝酸イオン、ヘキサシアニド鉄(III)酸イオン、ペンタシアニドアコ鉄(III)イオンを生成し、アイアンシアニド([Fe4(Fe(CN)6)]3)の沈殿が生ずる:3。オートクレーブ滅菌で分解されるが、クエン酸を添加すると分解され難い。
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構造と物性
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「2-メチルテトラヒドロフラン」の記事における「構造と物性」の解説
2-メチルテトラヒドロフランは水に対して特異的な溶解性を示す。すなわち温度が上がるにつれ溶解度が下がるという、珍しい性質を有している。有機金属反応の系中では、THFのようにルイス塩基として振る舞う。
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構造と物性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/14 19:53 UTC 版)
チタン原子 (Ti) を中心とし、各頂点に酸素原子 (O) を配した八面体の骨格の隙間にバリウム原子 (Ba) が入り込んだ結晶構造を持つ。 結晶構造は低温から高温に向かって菱面体晶-斜方晶-正方晶-立方晶と転移するが、実用上重要なのは室温で安定な正方晶 (Tetragonal) と 120 ℃ 以上で安定な立方晶 (Cubic) である。チタン酸バリウムは正方晶では横より縦が 1% 程度長くなっており、中心の Ti や周辺の酸素が図の位置からわずかにずれた位置で安定になることで強誘電体となっている。ところが温度を 120 ℃ 以上に上げて立方晶にすると位置のずれが解消してしまい、常誘電体となる。この強誘電体から常誘電体へ変わる温度(キュリー点)で比誘電率 εr は最も高くなり、εr = 20,000 以上になるものもある。 さらに、約1460℃以上の温度になると六方晶へと変化し、これを急冷した物の誘電率は室温で十万近くとなり、極めて高い。 バルク結晶の室温でのバンドギャップは3.2 eVであるが、およそ15-7 nmにまで粒子径を細かくすることで3.5 eVまで増加する。 実際にチタン酸バリウムを誘電体材料として使う場合には、カルシウム (Ca)、ストロンチウム (Sr)などのアルカリ土類金属、イットリウム (Y)、及びネオジム (Nd)、サマリウム (Sm)、ジスプロシウム (Dy) などの希土類金属などの微量添加により、BaサイトやTiサイトを置換することで焼結体の構造制御を行い、キュリー点の位置をずらす、誘電率を下げるなどの調整を行う。 一方PTCRサーミスタの場合は変化が大きいほどセンサとして感度が良くなるため、別の調整が行われる。
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